「可愛いは絶対作れる」松岡茉優が役作り論、学生の質問に笑顔で
女優の松岡茉優(23)が、是枝裕和監督とともに、2日に東京・新宿の早稲田大学でおこなわれたトークショーイベント『マスター・オブ・シネマ』に登場。イベントを聴講した学生から笑顔で回答。役作りのためにおこなっているものや、不遇の時代への「リベンジマッチをしたい」と今後への活動に意気込みをみせた。
『マスターズ・オブ・シネマ 映画のすべて』は、早稲田大学・基幹理工学部およびグローバルエデュケーションセンターに設置された科目。映画・テレビドラマ・アニメーションなどの映像分野に携わり、活躍するゲストスピーカーを迎えて、履修する学生たちとのディスカッションを交えながら、創作行為に対する姿勢やその手法を聞く。5月には是枝監督が招かれ、監督自身についてのトークが披露されており、今回は監督が司会を務め松岡がトークを展開した。
この日は役者志望だという一人の女学生から、役作りと役者のやりがいについてたずねられる。
松岡は、役作りについては「結構一つひとつ(やり方が)違うんです。でも必ずやっていることが一つ、生年月日と血液型、星座、家族構成というのは絶対に書き出します。(松岡が出演した)映画『ちはやふる -結び-』は(バックグラウンドが)結構しっかりしているのでそれを描く。なければ自分で考えて描く。それは必ず描いています」と明かしながら、「『万引き家族』は描いたけど、破り捨てました。それで演技してOKが出なかったから」と例外もあったことを振り返った。
また、役者の大変なこととして「休みがあっても、その後に控えている仕事があると、実質お休みが無い」と回答、さらにやりがいとして「反響を頂くんです。学生役とかをやったときに“高校に行こうと思いました”とか、“千佳ちゃん(かつて松岡が出演したドラマ『問題のあるレストラン』(フジテレビ系)での役柄)みたいに生きようと思った”とか。そんな風に何かを動かした、と思えたときには、良かったと思いましたね」と実感のこもったアドバイスを送る。
一方、松岡のファンらしき男子学生から、ドラマでの松岡の表情に可愛さを感じたことを明かしながら「可愛いというのは、演技でできるのか?」とたずねられ、松岡は「私は作れると思います。可愛いは絶対作れると思う、“こう見られたい”と思うところは絶対作れると思う。その研究を重ねれば絶対に」と前向きな回答。
また『万引き家族』で新境地を切り開き、現在自身の“チャプター2”を迎えたという松岡。その目標をたずねられ「人として豊かになることですね。今回『万引き家族』で実感しました」と、樹木希林、安藤サクラという2人の先輩から大きな刺激を受けたことともに振り返りながら「人としての年輪が分厚くないとあのお芝居は絶対できない。そうなるためにいろんなことをインプットして、第二次成長期のつもりで臨みたいです」とポジティブな意向を示した。
他方、現在ドラマや映画で引っ張りだこの人気を誇る松岡は、現在15年のキャリアを持ちながらも「でもギュッとしたら、5年くらい(のキャリア)。“不遇の子役時代”を過ごしていまして」と、なかなか芽が出ず悪戦苦闘した過去を振り返り「是枝監督の、子役さんへの指導方法って、とてつもなく愛のある指導方法なんです。私も監督と出会っていたら、とんでもない女優になっていますよ」と今回の現場を回想し、是枝監督の演出を賞賛していた。
さらにオーディションで落ち続けた“不遇の女子高生”時代を回想し「女子高生のときすごくオーディションを受けて最終選考に残ったこともあるんですが、そのときのリベンジマッチをしたい。まだかな? と思っている人(監督)が5、6人いるんです」と現在の意気込みを告白、さらに「是枝監督も私を落としていますから」と付け加えて、会場を沸かせていた。【取材・撮影=桂 伸也】
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