無期限活動休止することを発表した、黒人演歌歌手のジェロが12日朝、自身のブログを更新し、決断に至った胸中や理由を明かした。

 ジェロは「僕はこの手紙をもって、歌手の活動を休止することを報告させていただきます。突然のことに驚かれると思います」と改めて報告。今年2月におこなった10周年記念コンサートを振り返りながら「皆様一人一人の顔が思い出され、僕にとっては苦悩の結論となりました」と綴った。

 ジェロは「歌に対する熱が冷めたわけではありません」としたうえで、2年前からコンピューターの勉強をおこなう機会に恵まれ、今春、米ボストン大学の大学院を卒業し、「このチャンスを逃すことなく、再度コンピューターの仕事に就く」ことになったと改めて報告。

 当初は「歌も同時に続けていけるだろうか?」ということも考えたようだが、「どちらも中途半端になりたくはありません。皆様に対しても、尊敬する諸先輩や歌手の方々に対しても失礼になってしまうからです」とし、今回の決断を下したようだ。

 ただ、冒頭の通り、「僕の演歌への情熱は少しも色あせていないし、これからも変わることがないと信じています」と熱が冷めたわけではないとし、「今はまだいつとは言えませんが、もう一度歌手として夢を追いたいと思うかも知れません。それまでインターネットで演歌をたくさんの人達に伝えていくことも研究しながら」とも綴った。

 そのうえで「いつでも皆様のご健康とお幸せを願っています。心よりのお詫びと、感謝を込めて」との思いを綴った。

デュエットするジェロ

 ジェロは2008年2月にシングル「海雪」で歌手デビュー。史上初の黒人演歌歌手として話題を集め、その年の第59回NHK紅白歌合戦に出場するとともに、第50回日本レコード大賞で最優秀新人賞を受賞した。

 今年2月に、千葉でおこなわれた、デビュー10周年コンサート『感謝感激』では、演歌を歌うきっかけを作った、亡き祖母が生前に歌った映像をスクリーンで流し、そに合わせてジェロが歌う“デュエット”も披露。

 このとき、ジェロは「おばあちゃんがいなければ、僕が日本へ来ることも演歌歌手としてこうして歌うことも無かった。天国で聴いているおばあちゃんに、感謝の気持ちを込めて歌いたかった」と語っていた。

 また、今年2月21日には、ジェロの軌跡を詰め込んだアルバム『BEST&MV』をリリースしている。

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