「こんにちは」と「ありがとう」、傳田真央 音楽が繋いだ絆
INTERVIEW

「こんにちは」と「ありがとう」、傳田真央 音楽が繋いだ絆


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年03月24日

読了時間:約11分

 4月から始まる大阪、長野、東京3都市をまわるツアーをもってアーティスト活動の休止を発表した、シンガーソングライターの傳田真央。3月14日に、オールタイムベストアルバム『Eternal Best 2000-2018』をリリース。18年というキャリアの中でベスト盤は初で、ファンのことを思いながら書いた未発表曲「Best Friend Forever」も収録されている。インタビューではデビューから偶然の連続だったと話す当時のこと、活動休止について、そして18年間という長い活動を振り返ってもらった。【取材=村上順一/撮影=冨田味我】

昔とは違う味わい深い絆を感じられる

――昨年は4年振りとなったアルバム『Love for Sale』をリリースして、この1年間はいかがでしたか?

傳田真央

 アコースティックライブを中心にたくさんライブをさせて頂いて、お客さんのみなさまとも近い距離のライブだったので、前作のアルバムに入っている新しい楽曲のリアクションも直接感じることができました。リアルタイムでSNSなどで感想を頂いたり、みなさんとの繋がりを感じられた1年でした。

――SNSでの反応は積極的に?

 エゴサーチしますね(笑)。たまに、これは見なくて良かったなと思うこともありますけど(笑)。リアリティの中に放り込まれた時代で、色んなことも感じながら曲作りをしたり歌っていた1年かなと思います。

――どこか旅行に行ったりしましたか?

 ドバイとパリとロンドンとか、友達に会いに行ったりしました。リゾートにも行きたいんですけど、いざ旅に行こうとすると文化を求めてしまって。安らぎより刺激を求めてしまいました。

――アーティストの方はそうかもしれませんね。なぜこのタイミングでベスト盤を?

 ベスト盤は念願だったんです。何年も前から出したいとスタッフの方には言っていたんです。色んなタイミングが合って、このタイミングでベスト盤を出そうという感じでみなさんとも意見が合ったので、運命を感じています。

 今回のアルバムで新曲は1曲なんですけど、ここまで選曲する作業の中で「こんなこともあったな」と色々思い出したりしました。以前のものを慈しむというか、「振り返るっていいな」と思いました。DVDに出演してくれているエキストラの友達がいたり、「このときのヘアメイクはこの人がやってくれたな」とか、色んな人達と関わらせてもらって、その人達を思い出したりして。

――オールタイムベストということで、選曲は大変だったのではないでしょうか。

 そうですね。CDには70分くらいしか入らないので、もっといっぱい曲を入れたいと思ったんですけど、ある程度セレクトしないとベストアルバムにならないので、そこは悩みながら選曲しました。ライブでのお客さんのリアクションとか、「自分はこの曲好きなんだけど、みんなが聴きたい曲はこの曲だな」と考えることもありますし、今はSNSでみなさんにコメントを頂いたりできるので、どういう曲をセレクトすると喜んでくれるのかということを一番大事にして、曲を選ばせてもらいました。

――真央さんはSNSで積極的にファンの方と交流していますよね。

 そうなんです。ライブで歌って欲しい曲とか聞きたいなと思って。4月に開催する『Eternal Voice Tour 2018』は全部セットリストを変えて、なるべくたくさんの曲に触れられたらなと思いまして。

――新曲の「Best Friend Forever」はファンの方を想って書いた曲だそうですね。

 ライブをやる中で出来た曲だったんです。珍しく、恋愛がテーマというだけではない…。ラブソングではあるんですけど、仲間同士の友情だったり、ファンのみなさんへ伝えたい想いを込めた曲です。

――タイトルは「Best Friend Forever」ですが、フレンドと言っても色んな友達の形がありますよね。

 そうですね。ファンのみなさんも18年間応援してくださっているということで“Best Friend”と呼ばせて頂いて。通称“デンダリアン”と呼ばれているんですけど(笑)。

――すごい名称ですよね。誰が最初に言い始めたんでしょうね(笑)。

 いつからかわからないんです。もうちょっと格好良い呼び方なかったのかなという感じなんですけど(笑)。それも含めて私達らしいなと。今まで応援してくださっている方々へ仲間としての気持ちを歌わせてもらっています。18年間色んな曲を書かせてもらってきたんですけど、若い頃は友達というと「いつも一緒ね」という感覚だったのですが、歳を重ねるうちにそんなに毎日会わなくても、久しぶりに会うと逆に凄く絆を感じたり、久しぶりな気がしなかったりとか。

 お互い離れていて見えない時間を過ごしているけど、その時間に色んなことを感じたんだろうなとか、辛いことも嬉しいこともあったのかなと、心を感じることができるようになっていくからこそ、若い頃とは違う味わい、深い絆を感じられるという気持ちがあって、新曲の歌詞もそういうことを書いてみました。

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