「Dear My Boo」の主人公はやまとなでしこ
――「Dear My Boo」の原曲となる「My Boo」については、どんなところに魅力を感じていましたか?
この曲がリリースされる前に、ライブで初披露する時のステージを観に行かせていただいたんです。ビジョンに映る歌詞を目で追いながら聴いたんですけど、<俺がアラジンなら君はジャスミン>というフレーズとか、すごく胸がキュンキュンするポイントがたくさんあって。最初は、「甘酸っぱい曲だな〜」という印象でしたけど、リリースされてもっと聴き込んでいくうちに、韻の踏み方とか曲のビート感とか、音楽的なテクニックが詰まっていることに気づきました。すごくハイレベルなところで、音の遊び方をしていて。音楽をやっている者として、とても勉強になった曲でもあります。
――シンプルだけどビートがあって、メロディがラップのフロウのような感じで、独特な味がありますよね。
はい。自分としては、重いビートとポップなピアノという、ギャップのある音が一つになっているところが好きですね。
――歌詞もサウンドも、テクニックが詰まった完成度の高い曲。それをアンサーソングとしてどう料理するか、きっとすごく考えましたよね。
そうですね。それで、私ならどういう切り口にするかを考えました。「My Boo」の主人公は、自分の彼女に(ファッションブランド)ジバンシーのお財布を持たせて、格好つけるのが好きな男の人です。でも、おっちょこちょいなところがあったり、<どこへも行かないで>と歌うくらい焼きもちやきなところもあったり、どこか可愛い面もあるんです。きっとこの彼女は、主人公の格好つけている姿よりも、その合間に感じる可愛さに惹かれているんじゃないかと思って、それを上手く表現できたら、私らしいアンサーソングになるんじゃないかと。
――「Dear My Boo」は、「My Boo」に出てくる主人公の彼女の目線で歌っているんですね。歌詞や音の端々には、「My Boo」とリンクしているところがたくさんありますね。
はい。「My Boo」では<俺>とか<なぁ>と歌っているところが、「Dear My Boo」では<私>とか<ねぇ>になっていますし、英語のフレーズですけど<ジャスミン>も出てきます。こういう歌詞のリンクは、アンサーソングを作る上でも聴く上でも、並べて聴いて違いを楽しめる部分の1つなので頑張って考えました。
――イントロもそうですよね? ピアノのメロディを聴くと「あ!」って気づく人も多いと思います。
はい。「My Boo」に出てくるピアノのメロディは、絶対に入れたいと思いました。「My Boo」のキャッチフレーズのようなポイントですからね。ただ「My Boo」のビートは、男の人が主人公の曲ならではの、いかつさやヒップホップ感がすごくあるんです。でも女の人は、ガツガツいけないし、もう少し可愛くいたい部分もあるので、ピアノを基調にしたアコースティックな雰囲気にしています。
――他にこだわったところは?
この女の子は、彼氏のおっちょこちょいなところを、彼氏に気づかれないようにサポートしているのかなと思って。彼を立てて、自分は一歩後ろから支えている。そんな少し古風なところがある女の子だと思って。それが伝わるようにということは、意識しましたね。
――「Dear My Boo」の女の子は、自分と比べてどうですか?
自分は、こんなにできた女の子ではないです(笑)。「My Boo」のような男の人にも、出会ったことがないし。だからこそ、この2人を客観的に見れたと思います。でも歌詞を書きながらどんどん感情移入してしまって、こんな女の子が理想だなと思うようになったし、「My Boo」のような男の人も可愛くていいなと思いました。
――聴いてくれる女の子も、こういう二人に憧れたりするんじゃないですかね。
「My Boo」は、あの歌詞に共感した男性がいっぱいいて、憧れた女性がいっぱいいたから、大ヒットしたと思います。だから次は私の「Dear My Boo」を聴いて、「男を立ててくれるこんな女の子がいいな」と思う男性と、「こういう関係になりたい」と憧れる女性が増えてくれたらいいなと思います。













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