シンガーソングライターの結花乃(ゆかの)が5日、都内でコンベンションライブをおこなった。2016年9月に「花一匁~はないちもんめ~」でデビュー。昨年2月には2ndミニアルバム『恋占~こいうらない~』をリリースし、精力的にライブ活動をおこなってきた。この日は業界関係者やメディアを招いてライブを披露。5月2日に発売する新曲「糸電話」など5曲を歌唱。独特の世界観を持つ歌詞を、透き通りながらも力強い歌声で響かせた。

 結花乃は、地元の静岡・富士市在住。医大卒業後に看護師を経てシンガーソングライターとなった。CDジャケットやグッズのデザインも自らが手掛ける多彩なアーティストでもあり、歌では物語性のある詩で独自の世界観を伝える。川嶋あいと「I WiSH」を組んでいたことでも知られる、プロデューサーのnaoは彼女の魅力について「透き通る歌声と物語のような世界観のある歌詞」にあると語る。

 白いドレス姿で登場した結花乃。ライブでは、naoのピアノの伴奏から始まり、アコースティックギターの切ないフレーズがそこに加わり始まる「コタエアワセ」を歌唱。その華奢な身体からは想像できないような、大きく力強い歌声を会場に響かせた。

結花乃

 そして、5月2日に発売する新曲「糸電話」を披露。アコースティックギターの印象的なメロディから始まり、バイオリンや電子音が楽曲を彩る中〈もしもし〉と歌詞を歌い上げ、独特の世界観を作り上げた。続いてカップリングに収録される「ぼくらのサンセット」を歌唱。かき鳴らされるアコースティックギターとバンドサウンドが陽気に響くポップナンバーだ。

 さらに1997年に発売されたLe Coupleの代表曲「ひだまりの詩」をカバー。アップテンポなボサノヴァ調のアレンジで、オリジナルとは異なる雰囲気を見せた。

 ここで結花乃は自身について語る。「歌手になることが夢だったのですが、私なんかになれるはずがない、と思って人に言えずにいました。でも、軽音楽部に入ったり、看護師として働きながらも路上で歌ったり、何とか音楽と繋がっていたいと思っていました」と当時を振り返る。

 ある患者の一言で看護師を辞め、歌手を本格的に目指したという結花乃。「オーディションを受けても、周りは10代の子だったり、場違いな気がしていました。東京で歌手を目指すことに疲れ、実家に戻った時に『もうあきらめようかと思っている』ことを、親にも友達にも打ち明けられませんでした」と苦悩した日々を回想。

 その中で自身を救ってくれたのがハクモクレンの花だったという、結花乃は「それで誰にも会えずに一人で当時の通学路を散歩していた時に満開のハクモクレンの花を見ました。久しぶりに『がんばれ』と言われている気がしました。この曲はその時に作った私自身への応援歌です」とデビュー前から歌い続ける「ハクモクレンの木」を最後に歌唱。

 アコースティックギターの弾き語りという、シンプルな構成で彼女の思い出や当時の苦悩と現在歌手として活動している自身を支えたハクモクレンの木が咲かせた満開の真っ白な花々のことを落とし込んだ歌詞を聴かせた。

 なお、結花乃は5月2日2ndシングル「糸電話」をリリース、5月20日に神奈川・Yokohama O-SITEでデビュー後初となるワンマンライブを開催する。【取材=松尾模糊】

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