RIZE、20周年の歴史を刻んだ記念すべき日本武道館公演
Photo by RIZE IS BACK OFFICIAL
ロックバンドRIZEが12月20日に、東京・日本武道館でワンマンライブ『RIZE TOUR 2017 “RIZE IS BACK”』をおこなった。今年デビュー20周年を迎えたRIZEは、JESSE(ボーカル、ギター)、金子ノブアキ(ドラムス)、KenKen(ベース)の3人からなるグループ。JESSEと金子を中心に、幾度かのメンバーチェンジを経て金子の実弟であるKenKenがバンドに合流、現在は3人の正式メンバーと、“正式メンバー”と呼べるほどに3人から絶大な信頼を誇るギタリストRioをサポートに迎えた態勢で、活動をおこなっている。バンド初となる日本武道館では、市原隼人やDef Techなどゲストを招き全29曲を披露。衝撃的なロックサウンドで観客を熱狂させた。【取材=桂 伸也】
留まるところを知らないエネルギーにあふれたステージ
デビュー当時からロックシーンにセンセーションを起こし、今では日本を代表するロックバンドとして君臨するRIZEだが、2004年には“TIME OUT”と称しバンド活動を停止することもあるなど、様々な困難を経て現在の位置にいる彼ら。意外にも日本武道館のライブは今回が初めて。20周年という記念の年に、ツアータイトルでもある「“RIZE IS BACK”」という文言を持って来ているのも、非常に興味深いところ、またそのツアーファイナルを、ロックの聖地ともいえる日本武道館でおこなうというのも、深い意味を持ったものであるといえよう。
この日のフロアは、日本武道館のライブでは珍しく6つに区切られたスタンディング形式にて行われ、“今日も大暴れしてやる”と虎視眈々と意気込むRIZER(RIZEのファンの呼称)たちが、続々とフロアに押し寄せていた。
ステージの開始を皆が今か今かと待ち構える中、最初にステージに登場してきたのはJESSE一人だった。真っ暗な会場で、唯一スポットライトを当てられたJESSEが叫ぶ。「待たせたな!」その瞬間、フロアからは大きな歓声が。そしてファンキーなビートをバックに、思いのたけが言葉に飛び出す「帰ってきたサンダーボルト」で、ステージのスタートを告げた。「RIZE IS BACK!」JESSEの叫びに、いよいよステージは4人となり、嵐のようなステージが始まった。
疾走する16ビートがJESSEのラップを盛り上げ、そして気持ちを鼓舞していく「MUSIC」がオープニングナンバー。さらに強烈に気持ちを奪われる「Light Your Fire」、続いてゆったりとしたファンキービートの「Good Day」と、緩急の付け方も絶妙で、元X JAPANのギタリストHIDEの遺作をカバーした「ピンクスパイダー」まで、金子、KenKenの抜群のコンビネーションによる極上のリズムを背に、そのJESSEの吐き出す声は留まるところを知らない、強烈なエネルギーを生み出し続けた。
さらに中盤には、RIZEの20周年を祝うべく様々なゲストが登場。トップバッターとして現れた俳優の市原隼人は、「LAUGH IT OUT」にて、力強いステージパフォーマンスでRIZEの“声”をバックアップ。さらに「VIBRATION」を共に作ったDef Tech、「Break your self」ではゲストとして音源にも登場したラッパ我リヤ、「I CAN'T LIVE WITHOUT MY RADIO」を共作したZeebra、さらに「火事と喧嘩は江戸の華」音源発表時にはフィーチャリング参加したE.D.O.が登場。
そしてこの日発お披露目となった新曲ではFIRE BALLが、文字通り“合唱参加”など、日本のヒップホップシーンのトップアーティストがズラリと勢ぞろい。このパートだけでもかなりプレミアムなステージだったが、ステージを去る際には皆一堂にRIZE20周年記念をお祝い。RIZEとデビュー時期が近いアーティストたちだけに、その言葉自体もこの日のイベントをより深いものにしていた。
「“RIZE IS BACK”!」20年の歴史を経て、さらに広がるバンドの輪
様々なゲスト登場に湧き、さらに会場全体でそのキーワード「TKC」など、ステージで熱いエネルギーを放出し続けていたRIZE。E.D.Oとのセッションが終わると、少しクールダウンしJESSEはアコースティックギターを手にする。そして一つの、大切なことを告げた。「再婚しました。そして、子供が生まれました」その言葉に、また大きく沸く会場。幸せな気分をその表情にたたえたJESSE。その姿も、多くの苦労をこのバンドで背負ってきた歴史の一つ。改めて彼らがここで20周年を祝う意味を深めるような発表だった。その流れで披露された「missing you」は、まるで彼らが刻んだ歴史を、いとおしく指でたどるような、見ているだけで思いのあふれてくるような光景でもある。
ステージもいよいよ終盤。たっぷりと彼ら自身の思いを込めた「In or out」「heiwa」から、畳みかけるようにプレーは続く。激しさを増していくビートの中、フロアは尋常でない盛り上がりを見せる。方々で現れるモッシュピットに加え、彼らの目の前に出てこようと、フロアのスタンディング形式ダイブを続ける少年、少女たち。彼らの声、RIZEの声が、観客を奮い立たせる、そのパワーは、この時点でいよいよ最高点に達した。黙々と一心不乱にリズムを刻む金子、暴れるようにベースをプレーしながら、そのビートを厚くするKenKen、危険なほどのロックなカラーで、RIZEの音を彩るRio。JESSEの周りをそんな3人が囲み、力強く支える。そしてそんな彼らの衝撃的なステージも、猛烈な8ビートのロックナンバー「カミナリ」でエンディングとなった。
フロアからの大合唱とともに「カミナリ」をプレーし終わり、ステージを後にした4人。その光景は、RIZEとファンとの間にある絆を改めて気づかせてくれるものでもあった。そして、エンディング。「“RIZE IS BACK”!」冒頭でも贈られたその言葉を再び告げ、惜しみない拍手を受けていたJESSE。それでも飽き足らない観衆からの声に答え登場した彼らは、感謝の思いを曲に込めてプレーを再開。ラストは一転してリラックスムードを見せる「NAME」で終わりの時を迎えた。
また新たな道に歩みを進めた彼ら。果たして次はいずこで? しかし「“RIZE IS BACK”!」、戻ってきた彼らに死角は見当たらない。まだまだ成長の過程を止めないその歩みを、引き続き追っていきたいところだ。
- Photo by RIZE IS BACK OFFICIAL
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セットリスト
| 『RIZE TOUR 2017 “RIZE IS BACK”』
12月20日 日本武道館 01. 帰ってきたサンダーボルト encore |













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