SWEEP、由縁の地で多彩なゲストと共に盛大なアニバーサリー
東京・渋谷VUENOSで『VUENOS 19 th Anniversary × GOOD VIBES』を開催したSWEEP
シンガーのSWEEPが6日に、東京・渋谷VUENOSで『VUENOS 19 th Anniversary × GOOD VIBES』を開催した。約8年前からSWEEPが渋谷VUENOSにておこなっているイベント『GOOD BIVES』で、VUENOSのアニバーサリースペシャル企画として一夜限りのカバーライブを開催。昨年よりその内容を拡張し、自身の領域であるR&Bだけでなく様々なジャンルに挑戦、過去にはL'Arc-en-Cielの楽曲なども披露していたという。今回はAI ECO INA、未来、青野紗穂、草ケ谷遥海、KODAI、スズキ、Lydia、kyte、KAIKIらシンガーを招き、様々な楽曲でステージを盛り上げた。SWEEPは9月27日にリリースした新曲「if…」をライブ初披露した。
この日はステージ序盤の第1節に「陽のあたる場所」「Time goes by」「Automatic」「つつみ込むように…」「夜空ノムコウ」といった98年頃のJ-POPナンバーを、続いて第2節にはこの春に日本でも公開されたアニメ映画『SING/シング』で使われた楽曲からの選曲でステージは進行した。特に『SING/シング』からの選曲は、R&B色の強い楽曲も多く、SWEEPがこの日招いた実力派シンガーは伸び伸びとその力量を発揮、ネイティブなプロシンガーと見まがうほどの圧倒的なパフォーマンスで、会場を大いに盛り上げた。
さらに続く第3節では、ディズニー映画からのヒットナンバーを連発。こうして楽曲をプレーする姿を見ると、改めてこのシリーズのナンバーは、これまでいかに優れたが名を連ね、その実力を発揮して名曲を残してきたかがよくわかる。それとともに、逆にそれらのナンバーをオリジナルのシンガーに劣らぬほどの完成度で歌い上げた、この日のシンガーたちの実力も非常に高いものと感じる。
もちろん実力とは、歌のメロディを歌いきるセンスなどもあるが、言葉の一つ一つを明確に発声し、歌の伝えたい部分をちゃんとアピールできるというのは、生半可で歌が上手いというレベルではできない。この日登場したシンガーは皆、“コピーしている”“カバーをしている”ということを全く感じさせず、しっかりと自身の歌を、確かな実力でアピールしていた。
そして最後の第4節では、近年のヒットナンバーを披露。ここではさらに自身の領分とばかりに、その実力をさらに発揮してきたシンガーたち。その中で、この日は第2節で披露された「Faith」や、第3節の「Beauty and Beast」で登場し印象的なステージを披露していたSWEEPが、中盤に新曲「if…」を披露。この楽曲は、SWEEPの単身の作品としては4年半ぶりという久々のリリース楽曲。R&Bと括ってしまうには、あまりにもクールなハーモニーと、グルーヴィーなリズムで構成されており、その中にSWEEPのボーカルが入ると情熱的な空気が会場に注ぎ込まれ、この日のイベントの、一つの大きな見せ場を作る。
高らかに響く彼の声とその身振りに、観衆はすっかり身を浸し心から気持ちよさそうに彼のプレーを楽しんでいた。そして楽しい宴のラストは、この日の出場者全員で、マイケル・ジャクソンの「Heal the World」をセッション。単に楽しいだけでなく、歌それぞれに思いを込めたこの日のステージに、幕を閉じた。
それぞれのシンガーの、実力の高さも際立ったイベントだったが、SWEEPのショーマンシップも非常に印象的だった。シンガーが入れ替わり立ち替わりでおこなわれるイベントだけに、転換時には予測もできないハプニングもあったように見受けられたが、SWEEPがそういう部分にツッコミを入れると、それだけでその時が楽しくも感じられた。単に音源だけではその懐の中までを推し量ることのできない、非常に大きな器を持っていると感じられたこの日のイベントだった。
【取材=桂 伸也】
■セットリスト
01. 陽のあたる場所(AI ECO INA) ■ライブ情報 SWEEP「if...」MV ■SWEEP RELEASE INFOMATION |