西野七瀬。目に光るものが

西野七瀬。目に光るものが

 乃木坂46の西野七瀬(23)、桜井玲香(23)、松村沙友理(25)、白石麻衣(25)、伊藤万理華(21)、生田絵梨花(20)が22日、女優の富田望生(17)、英勉監督とともに、都内でおこなわれた、映画『あさひなぐ』初日舞台挨拶に登壇。なぎなたの指導をおこなった恩師・吉井氏から寄せられた手紙で、西野は「人の頭を強く打つのは苦手」と面が打てなくなった時期もあったが対人稽古を耐え抜いて克服したことが明らかになった。

 『あさひなぐ』は第60回小学館漫画賞に輝いた、漫画家・こざき亜衣氏の人気コミックを実写化した映画作品。なぎなたに青春を賭けた女子高校生達の成長を、仲間達との友情やライバルとの対決を交えて描く。『ハンサム★スーツ』『ヒロイン失格』などを手掛けた英勉氏がメガホンを取り、西野が主人公でヒロインの東島旭役、白石がその先輩で憧れのエース・宮路真春役を演じる。

 この日は、西野、桜井、松村、白石、伊藤、生田、富田の7人が、映画で着用しているなぎなたの道着で登場。凛々しくも美しい、その姿に観客からは歓声が湧いていた。西野は久しぶりに道着を着用したことに関し「みんなで着替えながら、『久しぶりだね』って言ったり、『試合のシーンの撮影を思い出すね』って話してたりしてました」と懐かしさを込みあげていた。

 初日舞台挨拶をおこなった場所は新宿のTOHOシネマズの映画館。かなりの広さと観客の多さに桜井は「こんなに沢山の方が入って下さっていて、自分たちの映画を見てくれるんだ…! というのが凄く今になって緊張してきたというか…。こんな作品に出させて頂いたんだ! という実感を今ヒーヒー感じています」と心境を語った。一方で白石は「無事に公開初日を迎えて嬉しく思っています。一回だけじゃなく、何十回も何百回も見て頂けたら嬉しいです!」と映画の宣伝を大々的におこなった。

感極まる白石麻衣

 西野は同作の出演が決まるまで、なぎなたそのものを知らなかったという。「どれぐらい大変なのかも想像がつかなかったので、始めはふわーとしてました」と語り、それから原作も読んだという。「でも専門用語とかが多かったので、難しいなって。だから試合とかもこれは自分たちでやらんやろーなって思いながら読んでました(笑)」となぎなたへの難しさを明かしていた。

 そして富田は映画の撮影中に、乃木坂のメンバーから「インフルエンサー」のダンスを教えてもらったエピソードを明かし「本当に教えるのが上手なんですよ!」と乃木坂に太鼓判を押された。するとMCからの無茶振りで、実際に乃木坂のメンバーと富田で「インフルエンサー」の一部分を披露。これにはファンも黄色い歓声をあげ、拍手が飛び交っていた。

 生田はなぎなたが強い役。その撮影を振り返り「なぎなたを覚えるのも大変だし、覚えた後にスピード感をあげなきゃいけなくて。でも形も綺麗じゃないといけない。なぎなたは美しさが大事なので、常に何かを注意していなきゃいけないから大変でした」と苦労を話した。

 この日は特別に、『あさひなぐ』でなぎなたを指導した、「なぎなた連盟」の吉井氏からの手紙がMCによって代読された。

 旭の先輩・宮路真春役の白石には「一番強い役だから一番厳しく稽古しますよ! と最初からプレッシャーを与えてしまった真春ちゃん。重圧に押しつぶされることもなく、『自分の打突に納得できない』と積極的にアドバイスを求めてくる姿はとても頼もしく、凛々しく、地道な努力を積み重ねた結果、見事に強い真春を作り上げていきましたね」。

西野七瀬、桜井玲香、松村沙友理、白石麻衣、伊藤万理華、生田絵梨花ら

 八十村将子役の桜井には「なぎなたの中で、剣道の癖を表現しなければなかった将子ちゃん、持ち方、打ち方が逆の剣道スタイルを稽古し、その後になぎなたを覚えるという非常に複雑で混乱しそうな練習にもしっかり対応してくれ、その常に前向きな姿勢にはいつも感服していました」。

 紺野さくら役の松村には「とてもとても長い試合手順に苦労していたさくらちゃん、疲れ切っていても諦めず、粘り強く可愛らしい見かけからは想像もできないようなド根性を発揮して、最後までしっかりやり通してくれました」。

 野上えりを演じた伊藤には「難しい傾向に加え、リズムなぎなたを覚えたり、団体基本の指揮に必要な号令を覚えたり、他のメンバーとは違う事が多くて大変だったと思います。全てを完璧に覚え堂々号令をかけるえりちゃんの姿は、本当に素敵でした」。

 大倉文乃を演じた富田には「撮影現場をいつも心地良くさせてくれてましたね」。

 主人公のライバル・一同寧々を演じた生田には「忙しく十分な稽古時間が取れない中、一度に多くを収得できるよう危機感を持って、物凄く集中して鏡の前で一生懸命復習していた事を思い出します」。

右手前の桜井の頬には一筋の光るものが

 最後に主人公・東島旭役を演じた西野には「なぎなたに向いている柔らかい手の内が出来て、構えや、空間打突もちゃんと熟せる旭ちゃんが、ある日突然『面が打てないんです。人の頭を強く打つような事は苦手です』と泣き出したときには、本当に驚きました。そういえばスネやコテもすっと触るような、弱々しい打突だなと感じていました。厳しい試合稽古が多い中、優しい性格の旭ちゃんは本当に辛かったんでしょう」。

 続けて「しかし、主役という責任感からか、その後何度も繰り返した対人稽古にも耐え抜いて、しっかりした面を打てるようになった旭ちゃん。試写を見させて頂いたときには、生き生きと打突を繰り出す、まさに原作そのままの東島旭になっていました。立派ななぎなた剣士ですよ」とそれぞれへの想いが読み上げられると、乃木坂のメンバーは目に涙を浮かべていた。

 手紙に対し西野は「凄い嬉しいですね。吉井先生も一緒に映画を見て、凄い涙してくださっていたのが印象的で。本当に教えて頂いて、なぎなたを知ることが出来て凄く嬉しいなと思います」と心境を述べた。

 さらに、吉井氏となぎなたを指導した大学生の皆さんがステージに登場。乃木坂のメンバーは感極まった状態で、先生と大学生の皆さんから花束を受け取った。主役を務めた西野は「まさか、ここに来て頂けると思ってなかったので…。本当にサプライズをありがとうございます」と涙ぐみながら想いを述べた。【取材・撮影=橋本美波】

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