世界規模で行きたい、Qyoto メジャーデビューで目指す大きな夢
INTERVIEW

世界規模で行きたい、Qyoto メジャーデビューで目指す大きな夢


記者:村上順一

撮影:

掲載:17年08月23日

読了時間:約13分

TVアニメ『DIVE!!』のオープニング・テーマに起用された「太陽もひとりぼっち」でメジャーデビューしたQyoto

 6人組バンドのQyotoが23日に、1stシングル「太陽もひとりぼっち」でメジャーデビュー。バンドは2016年に結成され、メンバーは、中園勇樹(Vo)、HIROKI(Vn)、TSUCHIYA(Gt)、TAKUYA(Ba)、KENSUKE(Dr)、RYOTA.(Key、Sax)。今作はフジテレビ“ノイタミナ”TVアニメ『DIVE!!』のオープニング・テーマとなっている。京都の河原町でストリートライブを中園がおこなっていたところを、HIROKIがバンドに誘ったことがきっかけでメンバーが集まった。バンド名は地元でもあり、世界的に有名な京都という都市よりも、バンドが有名になるように名付けたという。HIROKIは「世界規模で行きたいという大きな夢があります」とデビュー前から抱く大志を熱く語る。バンドの中心人物である中園とHIROKIに、音楽のルーツからバンド結成までの経緯、今後の展望まで話を聞いた。

バンド結成までのいきさつ

「太陽もひとりぼっち」通常盤

――結成は2016年で、約1年でメジャーデビューとは凄いですね。バンド結成のいきさつは?

中園勇樹 僕が京都の河原町あたりでよくストリートライブをしていまして。

HIROKI 僕がそれを見かけて、彼の歌声に一目惚れして声をかけました。そこがスタートです。

中園勇樹 『京都学生祭典』にソロ部門があって、それに出てグランプリを頂きました。そのときに事務所の方が見ていてくれて声をかけられました。事務所に行くようになって、そこでHIROKI君も紹介して、という感じです。

――HIROKIさんに誘われたときは悩みました?

中園勇樹 そうですね。頭の中にはバンドという概念がなかったですから。HIROKI君に誘われたときに、まず「何の楽器をやっているの?」と聞いたらバイオリンだったので、そこに惹かれました。それでギターや他の楽器隊も集めていかないとね、という話になって。

HIROKI それで事務所で会ったミュージシャン達と意気投合して、バンドを組んでいこうという話になったんです。

――ということはメンバーとは初対面?

HIROKI 初対面でした。

中園勇樹 実は何人バンドにしようというのは決めていなくて。僕達でやっていこうかという中でみんなと出会い、意気投合し最終的に6人になりました。この編成になったのは自然な流れでした。

――曲はメンバーが揃ってから作り始めた?

HIROKI 最初はギターのTSUCHIYA君と僕らの3人だったのですが、そのときから曲はありました。

――6人編成バンドでやってみた感触は?

中園勇樹 バンドサウンドの中で歌ったことがなかったので、自分の声がバンドの音に負けないようにすることに必死でしたし、演奏がみんな上手いので歌もそれに負けないようにならないといけない、と強く思いました。

音楽との出会い

中園勇樹

――ちょっと遡ってお2人が音楽を始めたきっかけは?

中園勇樹 もともと音楽は好きで、僕はサッカーをしていたのですが、サッカーをやりながらも音楽をやりたいという憧れがずっとありました。高校生の文化祭のときに歌って、そこでいいなと思って、大学に入って何かできることはないかな、と思い立ってストリートを始めて、今に繋がっていきました。

――ストリートではギターを弾いていたのですか?

中園勇樹 友達に弾いてもらっていました。一人でやる日もあったり、その友達と2人でやる日もありました。その中でHIROKI君と出会って。

――HIROKIさんもストリートで?

HIROKI 僕はストリートではやっていませんでした。4歳くらいの頃からクラシックでバイオリンをやっていて、中学生のときにクラシックをやめて、ロックに目覚めました。

――当時どんなロックに出会いましたか?

HIROKI ザ・ビートルズと尾崎豊さんを聴いて、僕がやりたいのはクラシックではないと思って、ロックに転身しました。でも楽器はバイオリンしかできなかった。でも、エレキバイオリンの存在を知って、そこからロックバイオリンをやろうと思いました。高校は軽音楽部でしたし、大学も軽音楽サークルに入っていて、ポップスのストリングスパートを弾いたり、普通の曲の中で、自分で考えたバイオリンのパートを演奏していました。

――ロックバンド形態でバイオリンがいるのは珍しいですよね。

中園勇樹 カラオケに行って、僕が歌って、彼が葉加瀬太郎さんの「情熱大陸」バイオリンを弾いてくれたのですが、衝撃でした。

7時間くらい歌っていたことも

――作曲クレジットはバンド名義に加えて、O、K、+dという表記がありますが、これはどなたですか?

HIROKI 一緒に制作してくれているスタッフの方なども含まれています。デモは頂いているものがあるので、それを試行錯誤しながらバンドで制作していくという感じです。「太陽もひとりぼっち」のイメージとしては「ミスチル(ミスターチルドレン)さんみたいになりたい」というものがありました。老若男女どの世代にも受け入れてもられるような、分かりやすさ、歌詞のメッセージ性を大事にしました。僕達は尾崎豊さんが好きと言っているくらいなので、80年代や90年代の楽曲が好きです。山口百恵さんやプリンセスプリンセスさんも好きです。

――20代の方としては珍しいですね。

HIROKI ザ・ビートルズからロックに入ったくらいなので(笑)。

――今回の楽曲でこだわった部分は?

HIROKI 歌詞です。バンド内では歌詞を僕と勇樹君が担当しています。メロディが入っているデモを頂いて、2人でそれぞれ歌詞を書いてきたのですが、最初はけっこう似たようなイメージの世界観でした。それで話し合った結果、別々の世界観の方が面白いかなと思いまして、1番は僕、2番は勇樹君が書いたものがメインになっています。特にサビの後半の<響け!鼓動の音♪>と歌っているのに、2番は<ここだから見えない景色を♪>と、文章的にも全然違うんです。そういった多面性が一曲の中にある面白さがあります。

――良い意味で統一感をなくしてカラフルにしたのですね。イントロのコーラスはバンドメンバー全員で歌っているのですか?

中園勇樹 はい。みんなで録りました。みんなちゃんとハモれます。

――全員が歌えるというのも武器ですね。

HIROKI そうですね。テンポはゆっくりと始まって、1番はおとなしい感じで終わって、2番からテンポを上げて加速していく感じで、そのコントラストで疾走感を演出しています。夏の曲というのを意識して、書き下ろした訳ではなくて、先に楽曲制作に取り組んでいて、その後にアニメ『DIVE!!』のタイアップのお話を頂いたのです。

――1番はHIROKIさんの歌詞がもとになっているとのことですが、<教科書は過去の真実>など、学校が嫌だったんだろうなと思ってしまいました(笑)。

HIROKI 僕は中身が完全に尾崎豊さんだと思っているので(笑)。反体制好きというか。僕は実際に中学校に行っていない時期が1年半くらいあったので、そういうところが出ているのかもしれません。

――2番の中園さんの歌詞の部分はロマンチックな感じがしますね。

HIROKI 勇樹君が書いてくる歌詞はそういうイメージですね。尾崎豊さんでも「I LOVE YOU」などでみられるキラキラした感じです。

中園勇樹 メロディを聴いたときに「碧い海を飛んでいるな」と思いました。そこから入って、情景が浮かんできました。

――導入部分はロマンチックに入っていって、最終的には問いを投げかける、インテリジェンスな感じですね。タイトルの「太陽もひとりぼっち」も切ない感じが良いですね。

中園勇樹 タイトルが決まってから組み立てていきました。「太陽もひとりぼっち」の“も”に意味があります。「自分もひとりぼっちなんだけど、みんなもひとりぼっちだよね」という意味を込めて、“も”を入れました。孤独な戦いで切なさがあるけど、強さを持って未来に行きたいというか。

HIROKI それはタイアップをちょっと意識したよね。

――今作は歌詞がストレートに入ってくるという印象があります。サウンド面についてですが、レコーディングはどうでしたか?

HIROKI レコーディングは初めての試みで、ブースに入るのも初めてでした。いつもは生の音を聴きながらやっているので、ヘッドホンをしてやることに慣れなくて、何度も録り直しをして大変でした。家でもアンプに繋いでエレキバイオリンを弾いていたので、ヘッドホンに慣れることが最初は大変でした。

――緊張しました?

中園勇樹 最初は緊張しました。モニターの調整もわからなくて、最初はあまり上手く歌えなかった。何度も録り直して、「太陽もひとりぼっち」というフレーズはどう歌ったらカッコ良く伝わるか、という点に集中して取り組みました。

――歌唱で大変だったことは?

中園勇樹 僕自身は今まであまりアップテンポの曲を歌ってきませんでした。バラードばかり聴いていたということもあって、この曲自体に慣れることがまず大変でした。切なさのなかに明るさがある曲を、どういった声でどういったテンションで歌ったら良いか、ということに苦戦しました。レコーディングも何回もやり直しました。

――何度も歌ったとのことですが、喉は強い方ですか?

中園勇樹 歌い過ぎて喉を痛めるということは、あまりないです。ストリートライブでも僕は7時間くらい歌っていたこともあります(笑)。歌い続けているときの人の流れはそのときだけのものだから、1曲1曲で流れる人が全然違ってくるので、歩いている人を止めるのに必死でした。

――それだけ歌っても大丈夫というのは、発声方法が上手いのだと思います。

中園勇樹 でもボイストレーニングをやり始めたのが大学時代からなので、発声をそんなに意識をしたことがないです。

HIROKI 天性のものだね。

「To Love You More」を意識した「My Diamond」

「太陽もひとりぼっち」初回盤

――「My Diamond」の歌詞で、途中で<マイダイアモンド>と英語と片仮名使い分けていますが、これにはどのような違いが?

中園勇樹 言葉を見たときに印象的にするためです。狙いにハマってくれましたね(笑)。

――なるほど、見事にハマってしまいました(笑)。この楽曲の歌詞も2人で分けて書いた?

HIROKI デモを頂いたときのイメージが大きいのですが、最初に「ラララ」で入っている部分が「『マイダイヤモンド♪』って聴こえるよね?」となって、そこは共通の認識で空耳的にそうなりました。

――この曲を録ったのはいつごろ?

HIROKI 2カ月くらい前です。「太陽もひとりぼっち」よりも後に録りました。

――ということはこの曲のレコーディングは慣れた感じで?

中園勇樹 はい。曲調もバラードだったので、僕が得意ということもあり最初よりは慣れた感じで進めました。

HIROKI 僕もそうですね。ゆっくりな曲で聴かせるのが好きです。葉加瀬太郎さんをリスペクトしているのですが、セリーヌ・ディオンさんと一緒に葉加瀬さんが弾いている「To Love You More」という楽曲があって。僕の中ではそういう曲をやりたいという野望があります。バイオリンもしっかり弾いているけど、歌を食っていない、お互いに高め合えて引き立つようなものがやりたいと思っています。なのでバラードなどの聴かせるような楽曲は意識しています。

――ライブは最近いかがですか?

中園勇樹 僕らはライブ経験少ないですね。『DIVE!!』のイベントが先月あったのですが、6人でのライブはそれに出させて頂いたくらいで…。

HIROKI 高校のときの頃や、大学のサークルでやったくらいです。ソロではないのですが、ギタリストと2人でやったことは大学の頃にあります。

――中園さんは洋楽は聴きますか?

中園勇樹 洋楽はあまり聴いてこなかったです。親の影響もあってか、90年代の邦楽がよく車の中で流れていました。父がTUBEさんが好きで、その年代の曲がよく流れていました。車の中で聴くうちに、歌うようになって好きになっていきました。

――ご家族から歌を褒められたりしますか?

中園勇樹 いや、けなされるばっかりです(笑)。でも「うまくなったんじゃない?」とは言われます。親は歌が上手いので。

「Kyoto」よりも「Qyoto」が世界に知られたら

HIROKI

――Qyotoというバンド名は出身の地名をストレートに表した名前ですね。

HIROKI そうです。“シンプル・イズ・ベスト”です。バンド名がQyotoなのは、世界的に有名な都市「Kyoto」よりも「Qyoto」が世界に知られたら…という思いもあるので、世界規模で行きたいという大きな夢があります。でも、まだ新人で実力もまだまだというところなので、まずは実力を上げてたくさんの方にQyotoを知ってもらえたらいいなと思います。

――名前ですが、中園さんはメンバーの中で何故一人だけ漢字表記にしたのでしょうか?

中園勇樹 ストリート時代に応援してくれている方々がいたのですが、その方々にもわかりやすいようにという理由です。

HIROKI フロントマンなのでわかりやすい方がいいですよね。

――お2人からみてメンバーの皆さんはどんな方でしょうか?

HIROKI TSUCHIYAさんは僕らの中で最年長で、お兄さん的な存在です。優しくて冷静で温かいお兄さんです。ベースのTAKUYA君はミステリアスな感じですね! 多趣味で、料理も得意なんです。魚がさばけます。あとバイクいじりも出来るみたいで。「一体何者なんだろう?」という感じです(笑)。それと彼はギターもできるし、何でもできるマルチな才能を持っています。

中園勇樹 見た目もカッコいいし。

HIROKI ドラムのKENSUKE君はツッコミ役ですね。僕とKENSUKE君が喋っていて、僕がボケて彼が突っ込むみたいな。

中園勇樹 キーボード・サックス担当のRYOTA.君は最後に加入したので、僕らもまだ知らない部分が多いです。今わかっていることだと、彼はサブカルチャーが好きみたいで、アニメや漫画に凄く詳しいです。ボカロの曲を歌うとも言っていました。Qyotoは“6人6色”なんです。

――では『DIVE!!』のタイアップが付いてRYOTA.さん喜んでいたのでは?

HIROKI 確かに彼が一番喜んでいました。

――デビュー曲でいきなりアニメのタイアップが付いたことについてはいかがですか?

中園勇樹 自分が歌を始めたときに、こんな短期間でアニメの主題歌を歌わせてもらうことになるとは考えてもいなかったので、嬉しいしありがたいという気持ちと、更に頑張っていかないといけないという気持ちが両方あります。不安もあるのですが、この6人ならもっと上を目指して行けると思うので頑張って行きたいと思います。

HIROKI 『DIVE!!』の原作を読んだのが小学校の頃だったと思います。その『DIVE!!』の主題歌を担当させて頂くということが凄く光栄で、「まさか自分が」という思いが同じくあります。『DIVE!!』のイベントのとき、司会の方にコメントをお願いされたのですが、僕達が緊張で全然喋れなくて。

 それを見かねて横にいらした声優の中村悠一さんが僕達のメンバーになりきってイジる形でフォローをしてくださいました(笑)。それがLINE LIVEでちょっと話題になりまして、Qyotoの名前が広がるきっかけになりました。本当に『DIVE!!』と中村さんには感謝しかないです。

――最後にメジャーデビューしてやってみたいことは?

中園勇樹 やっぱりライブです。

HIROKI さいたまスーパーアリーナをお客さんいっぱいで埋められるくらいになりたいです。

中園勇樹 あと、やっぱり日本武道館でやりたいです。あとは平安神宮での『京都学生祭典』、そこが自分の始まりだったので、Qyotoとしてそこに戻って凱旋ライブをしたいです。

【取材=村上順一】

作品情報

◆1st single「太陽もひとりぼっち」商品概要

[初回生産限定盤]

品番 BVCL830-1 / 価格 1400円(+税)

[CD]
M-1「太陽もひとりぼっち」
M-2「My Diamond」
M-3「太陽もひとりぼっち」(instrumental)

[DVD]
「太陽もひとりぼっち」ミュージックビデオ収録
[通常盤]

品番 BVCL-832 価格1000円(+税)

[CD]
M-1「太陽もひとりぼっち」
M-2「My Diamond」
M-3「太陽もひとりぼっち」(instrumental)

[期間生産限定盤]

品番 BVCL833-4 価格 1500円(+税)

[CD]
M-1「太陽もひとりぼっち」
M-2「太陽もひとりぼっち」(TV size)
M-3「DIVE!!」ボイスドラマ「strange world」「fighting spirit」

[DVD]

「太陽もひとりぼっち」ミュージックビデオ(アニメversion)
※フジテレビ“ノイタミナ”TVアニメ「DIVE!!」描き下ろしイラストデジパック仕様

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