新たな時代を生み出していく、マジカル・パンチライン 果敢な姿勢
INTERVIEW

新たな時代を生み出していく、マジカル・パンチライン 果敢な姿勢


記者:小池直也

撮影:

掲載:17年08月22日

読了時間:約12分

「新しい“アイドル戦国時代”を私達が生み出していければ」と語るマジカル・パンチライン(撮影=片山拓)

 アイドルグループのマジカル・パンチライン(通称マジパン)が9日に、1stシングル「パレードは続く」をリリース。デビュー1周年と、初めてのワンマンライブを経て、さらに成長した彼女たちが垣間見える力強い一作となっている。カップリングには異なるテイストを打ち出している「ミカガミ・ラビリンス」を収録。この1年で彼女たちが感じ、学んできた事とは一体何だったか、さらにこの夏以降の見ている先とはなど、メンバーに話を聞いた。その中で、リーダーのレナ(18)は「新しい“アイドル戦国時代”を私達が生み出していければ」と彼女たちがこれから果敢に攻める姿勢を示した。“アイドル戦国時代”の新しい局面に向かって走る、彼女たちの想いとは。

良い意味で「マジパンらしくない」

浅野杏奈

――デビュー1年、おめでとうございます。今の心境を教えてください。

アンナ 皆さんがツイッターなどで「おめでとう」と言ってくださって、考えてみると色々な事が思い出される濃い1年だったなと思います。

リーナ 本当にもう1年経ったのか、という感じです。ファンの皆さんと楽しい時間を過ごせていると思います。

レナ マジパンは若いファンの方が多いです。アイドリング!!!(2015年10月・卒業)の時は歴史の長いグループだったので、長い間推してくれているファンの方はいましたが、若い方は少なかったです。そういう意味で、この1年は対バンをするたびに新しいお客さんが来るので新鮮でした。

ヒマワリ 私はこの1年が、初めてアイドルになった年だったのです。それまで活動をした事がありませんでした。なので、初めてライブしたり、初めてCDを出させて頂いたり、あとは「応援される」という立場にあまり立った事がなかったので、不思議な気分でしたね。その「応援されて嬉しい」という気持ちも、この1年でどんどん大きくなっていきました。なので、もっと応援されるアイドルになれる様に頑張りたいです。

ユーナ この1年をSNSなどで文章を書きながら、思い出していました。周りの方の応援やサポート、支えがあった上で自分たちの努力で登っていくのがアイドルなのかなと。なので、周りの方々に改めて感謝です。それからアイドルや人間としても成長できたのかなと。色々と考え方が変わってきました。

――1stシングル「パレードは続く」がリリースされました。

リーナ 今回のシングルはいつものマジパンの曲とは少し違って、違う一面を見せられるのではないかな、と感じました。

ユーナ ミニアルバムを先に2枚出していますが、新しい一歩を踏み出すという意味でも、このタイミングに1stシングルを出せる事が嬉しいです。あと、これまではグループの世界観が強かった分、それに基づいた歌詞が多かったです。でも「パレードが続く」は元気が出る曲になっていると思います。

レナ 最初は「パレードは続く」と「ミカガミ・ラビリンス」を同時期に聴きました。「パレードは続く」は初めて聴いた時、良い意味で「マジパンらしくないな」と思いました。私は衣装もデザインしているので、今回は皆、統一された衣装にしようと閃きました。曲を聴いて、衣装のイメージが浮かんだのはこの曲が初めてですね。前は魔法感が強すぎて、衣裳を考えるのが凄く難しかったです(笑)。

アンナ 私自身も「パレードは続く」が推し曲です。でも歌っている時に考えさせられたのは「ミカガミ・ラビリンス」でした。パッと聴いた感じは全体的に暗い曲で、1つの灯りを目指して進んで行く様な曲です。でも、全編暗くは歌いたくなくて。全部暗く歌ってしまうと、それだけしか皆さんに残らないじゃないですか。なので自分の経験と照らし合わせて、悲しい事や悔しい気持ちを歌いながらも「前向きな気持ちを持っている」ということを想像しながら笑顔で歌いました。多分ステージではやらないと思います(笑)。

リリイベで起きた、マジパン・マジック

小山リーナ

――では、他に「パレードは続く」が推し曲の方は?

レナ はい。私は好きです。振付に関しても、「旅をする」というイメージが強いのかなと。サビでも左右に大きく移動したり、今までで一番シンプルな皆一緒の振付なので、揃って見えて格好良いと思います。

――「ミカガミ・ラビリンス」はどうですか?

ヒマワリ はい! この曲はミステリアスじゃないですか。少し闇を含んだ感じなのですが、自分ではまだ光があると信じて進んで行くということが、結構自分達の心情と合うのではないかなと。それから、マジパンの中でハモリが出てくるのは初めてです。それも新鮮で、ドキドキ感があったのでこの曲を推しています。

アンナ 振付の先生がこの曲を「バラバラな感じにしたい」とおっしゃっていました。でも最後のサビは皆、同じ方向を向いて踊るので、「途中までバラバラで最後は一致団結する」という意味も含まれているのではないですかね。

レナ 歌詞的にも、自分にしかわからない様な闇を感じさせるので、そういう意味の「バラバラ」という表現なのかなと私は思いました。

――サンシャイン盤に収録されている「マジック(白抜き星マーク)ガール」はいかがですか?

リーナ はい! これはデビュー前に初めて皆がマジパンとして集まって、1番最初に仮レコーディングとして歌った曲です。

ユーナ 今まで音源化はされていなかったのですが、「この曲好き!」とスタッフさんに刷り込んでいたら、音源にしてもらえました。歌詞は書き換えて、新しい楽曲として頂きました。

 この曲は今回の中で魔法感が1番強い楽曲です。トラック自体はジャズっぽいアレンジになっていて、振付も他の2曲とは違う魔法をかける仕草とか、女の子っぽい動きが入っていたりしています。

レナ この新作は、アイドルに興味のない方でも楽しめると思います。私も最初に歌詞を見た時「アイドルっぽくないな」と感じました。良いバンドさんなども歌詞が良いじゃないですか。そんな感じで、今までで1番メッセージ性が強いので、アイドルを聴かない人でも「こういう曲もあるんだ」ということを分かって欲しいです。

ユーナ 「パレードは続く」と「ミカガミ・ラビリンス」を最初に聴かせてもらった時、歌詞を見たら「めっちゃ良いな」と思いました。私にとって歌詞は自分に照らし合わせて読むものなのですが、素敵な歌詞と楽曲で感動して、涙が止まらなくなってしまったことを覚えています。

――リリースイベントで、実際に披露してみた感触はいかがでしょう?

佐藤麗奈

ユーナ 最初はまずファンの皆さんは戸惑うみたいです。「なんかマジパンぽくない曲が来たな」という感じで。「『ミカガミ・ラビリンス』はどう乗ったら良いんだろう」みたいな。それがありつつも2回、3回とやっていくうちに、自分の乗り方というのを考えてきてくれて。

 「マジック・ガール」はワンマンの時に、レナが「『ふー!』って言って」とMCしました。そうしたら、次のリリイベでは自然に皆さんがそれを入れてくださるのです。だから、曲って自分たちが努力するものですが、乗り方も含めてファンの皆さんと作り上げていくものだな、と思います。これからも自分達なりの解釈と皆さんの解釈が合わさって良いパフォーマンスになっていくと思うと楽しみです。

――合いの手などは自然発生的な事も多いですよね?

ヒマワリ 誰かが考えたら、その人がツイッターなどで呟いてくださって。それを広め合って段々知れ渡っていく、という感じではないですかね。

リーナ 現場でファンの方を見て真似する人もいます。

アンナ あと、リリイベについては皆さんお仕事も忙しい中、そして梅雨の時期で序盤は雨が続いてしまっても、来てくださって。凄く印象深いのは、野外でのパフォーマンスの時に「パレードは続く」を歌った後に晴れたことです。なので、これからもそういう“マジパン・マジック”の様なものが起きていくのではないかと。

アンナ 私、実はリーナ推しです。今回「ミカガミ・ラビリンス」の振りなど歌で絡む事が多くて、ファンの方に「何か根回しした?」訊かれましたね。

リーナ 正直、ちょっとダルいです(笑)。でも普通に嬉しいですよ。仲良しこよしが好きなので。

レナ 私はUVERworldさんがとても好きですね。6月にも個人的にライブに行きました。あまり新しい音楽を探したりしないので、同じような曲を良く聴いています。あとはONE OK ROCKさんも良く聴きます。

 バンドが好きなので、以前はドラムを練習していました。これからはアコースティックギターを練習したいなと思っています。そうしたらユーナもアコギを始めると言い始めました(笑)。

ユーナ そう。全く同じタイミングでギターを手に入れて。2人でいつか何かやりたいですね。

レナ そうしたらドラムやる!

ユーナ え、何でいきなり変わったの?(笑)

レナ ギターだけよりも色々な楽器があった方が良くない?

アイドル戦国時代の新しい局面へ

清水ひまわり

――先日初めてのワンマンライブ『マジカル・パンチライン 1stワンマンライブ “World’s End Wonderland: Episode I”』も終えましたね。こちらはいかがでしたか?

リーナ 最後の定期公演でそのワンマンライブがサプライズ発表されました。その時は「本当にお客さん来てくれるのかな」と不安や緊張がありました。当日はチケットもありがたい事にソールドアウトで、こんなにも沢山の方がマジパンの事を好きでいてくれると思うと、本当に嬉しくて。ステージに入った時もお客さんが一杯で凄かったです。ペンライトの海もきれいで、アイドルしか見ることができない景色だと思います。今でも思い返しています。

レナ ワンマンのセットリストは1stミニアルバムから順番に披露していきました。その曲の合間には、ラジオドラマみたいな、ちょっとした声だけのストーリーが挟まれる演出になっていて。それを聴いて、自分達の曲に物語があるという事に改めてメンバーも、ファンの方も気付けたのではないかと思います。普段のライブは、曲の繋ぎもストーリー性も関係なくバンバン繋げていくので、今回のワンマンはマジパンを一から説明するものになったのではないでしょうか。

アンナ ステージの袖にいても、ファンの人の熱量がマグマみたいに感じられました(笑)。いざステージに立った時に、今までは緊張していると視線が怖かったりしたのですが、ファンの皆さんは家族みたいなものなので凄く落ち着いた環境でライブができました。本当に感謝です。

ヒマワリ 私はメンバーの中で1番体力が無いです。ファンの方にも「ワンマン大丈夫?」と心配されていて。でも実際にステージが始まったら、もうあっという間でした。アンコールを頂いた時もめっちゃテンションが上がりましたね。疲れている筈なのに、まだまだやる気がありました。最終的に完全燃焼できました。最後にTシャツでライブしたのは初めてで「めっちゃアイドル楽しんでる! イエイ!」みたいなハイテンションでやりきった感じです。

――では、この夏の目標などありましたら教えてください。

マジカル・パンチライン

ユーナ 夏はアイドルのイベントが多いじゃないですか。マジパンもデビュー2年目を迎えて、皆さんの期待値も上がっていると思います。ファンの方にも、対バンで観て少し興味があるという方にも、もっと良く思ってもらう為の勝負の夏になるのではないかなと感じています。より気を引き締めていきたいです。

レナ 私は夏が嫌いで、好きなのは冬です(笑)。野外イベントが多いのは仕方ないのですが、実際野外の方が盛り上がるし、炎天下でよくわからなくなって「わー!」と盛り上がることが楽しいです。この2年目は他のアイドルさんと違う路線で行きたいですね。

 新しい事をやって挑戦していける夏になったらと思います。失敗したら失敗したで、成功したら成功したで。マジパンは強いコンセプトがあるので、そのガチガチの魔法を上手く使って独自に歩んでいきたいです。

 “アイドル戦国時代”と長く言われていますが、個人的には2年前がピークかなと思っていて。今は売れているグループは解散や、メンバー卒業などが相次いで、またアイドルの世界が変わってきているなと。最近はAKB48さんも「次世代頑張る」と発言されている様に、新しい“アイドル戦国時代”を私達が生み出していければ良いですね。

リーナ 確かに今はアイドルさん多いですから、「他のグループと被りたくない」という気持ちはあります。魔法をコンセプトにしているアイドルはあまりいないのではないかなと思うので、パフォーマンス力を磨いていきたいです。

――最近凝っている事などありますか?

レナ 最近『ゴシップガール』(2007年から2012年まで放送された、米テレビドラマ)にめっちゃハマっています。シーズン6まであるシリーズをもう何回も観ています。今は4周目のシーズン2です。『ハリーポッター』もそうなのですが、ハマったら「今日はハリーの目線で観よう」という感じで、色々なキャラの立場から観たくなってしまいます。『ゴシップガール』も登場人物が多いので、あと4回位観れるかなと(笑)。視点を変えると全然見え方が違います。『ハリーポッター』も「ここでこうしたから、こうなったんだな」と理解できると凄く楽しいです。

ユーナ 夜寝むれないときがあるじゃないですか。そういう時に、色々哲学するのが日課になっています。「人間って何でこうなんだろう?」など(笑)。そういう事を考えると新しいアイディアが閃く事があるので。そういうのが楽しいので、お勧めです。

ヒマワリ 私は眠れない時にゲーム実況の動画を観ますね。最近は「マインクラフト」(ブロックで建造物等を作っていくゲーム)というゲームの実況を観ています。実況者さんによって全然作る街が違います。それを比べながら「もし自分が作るんだったら」というのを想像していると、いつの間にか寝てしまう(笑)。

アンナ 可愛い物を身に付けるのが大好きです。小籠包のヘアゴムを付けたり、ウサギのぬいぐるみのリュックを背負ったり。人と違う個性的な物が最近好きですね。

――皆さんは、ファッションのこだわりなどあるのですか?

沖口優奈

レナ 今日も「ジャージなのかな?」と思われるくらい、ジャージみたいな恰好で来ました。一度衣裳で着たメンズのシャツがあって。これが普通に可愛くて、これとジャージっぽいパンツのコーディネートですね。全然、(メンバーカラ―の)紫じゃないです。紫の服は持ってないです(笑)。クローゼットは白・黒・ピンクですね。

ヒマワリ 私は今日の(レナの)服好きだよ。生地が。ツルツルが好きです。ベロアみたいな。

レナ 私、ファッション誌も読まないです。今流行っているものは街を歩いたり、お店でチェックする感じです。私はずっと昔から同じようなものを着ているのでブレないですね。マジパンの衣裳デザインは自分が着たい物を考えて作ります。

アンナ 美容室に行った時に『ViVi』は読んでいますよ。あとは、ユーチューバーさんもチェックしています。

ユーナ ネットのアプリで髪型やネイル、メイクを見ることができるものがあるので、それで結構見ますね。

――最後に読者にメッセージをお願いします。

アンナ これを機に、マジパンワールドに踏み込んで頂けると嬉しいです。是非「パレードは続く」を聴いてください。

リーナ この記事を読んで、マジパンの事が気になった方がいたら、是非マジパンの事を調べてみて欲しいなと思います。

レナ 凄く個性的なグループだと思うので、アイドルに興味が無い方にも見て欲しいです。ミュージックビデオでも何でもいいので。それから良いなと思ったら、ライブに遊びに来て欲しいです。

ヒマワリ このシングルは可愛いというより、歌詞を伝える感じになっています。是非MVを観たり聴いたりして頂ければと思います。

ユーナ マジパンの世界観は、ゲームが好きな方も入りやすかったり、各方面から興味を持ちやすいと思います。いきなり現場というのは難しいと思うので、是非一度マジパンのホームぺージにある私たちの世界観を表す『マジペディア』を見て欲しいです。

【取材=小池直哉/撮影=片山 拓】

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