先行上映会&トークショーをおこなったPeople In The Box

 CDデビュー10周年を迎えた3ピースバンドのPeople In The Boxが7月31日に、東京・ユーロライブで『「Cut Five」先行上映会&トークショー』をおこなった。8月2日にリリースされるライブDVD『Cut Five』を一足早く披露するというもの。1月27日に東京・めぐろパーシモンホールで開催されたライブ『空から降ってくる vol.9 劇場編』の模様を収録した同作品を抽選で選ばれた人たちが観覧し、上映後にメンバーによるトークショーでDVDの見処や波多野裕文の「ニヤケてるシーンはカットした」という裏話など。

 2007年6月6日にミニアルバム『Rabbit Hole』をリリースしてから10年。2017年は10周年イヤーとして精力的に活動中のPeople In The Box。10周年記念アルバム『Things Discovered』に続き、第2弾となるライブDVD『Cut Five』は、1月27日にめぐろパーシモンホールで開催されたライブ『空から降ってくる vol.9 劇場編』を全曲収録。今回の先行上映会はタワーレコード対象店で期間中、ライブDVD『Cut Five』を予約した人の中から抽選で招待されるというもの。

 開演定刻になり上映会が開始。シアターならではの大画面と音響でライブさながらの臨場感で『Cut Five』を堪能。「昏睡クラブ」での山口大吾(Dr)の押すとニワトリの声で鳴くおもちゃ「叫ぶ! びっくりチキン」を使用したシーンでは、会場から笑い声も。オープニングからエンドロールまで約2時間People In The Boxの世界観に浸った。

 ここでメンバーの波多野裕文(Vo、Gt)、福井健太(Ba)、山口大吾(Dr)がステージに登場し、トークコーナーへ。今回のDVDの感想を聞かれると波多野は「自分の演奏を見ると反省モードに入ってしまうので、案外純粋に楽しめない部分もあります。バンドとして俯瞰で見るとやっぱりカッコいいな。でも僕個人に関して(カッコよく)はないです(笑)」と自虐ネタ。山口から「編集の時に(波多野のシーンの)カット希望が多かったよね。MCシーンと(波多野が)ニヤケてるシーンはカットした」と話すと、波多野は「全霊で楽しんでる笑顔でも、後から見ると悪巧みしてるみたいに見えてしまって、そのギャップを解消したい」とニヤけに厳しいという一風変わった一面を見せた。

 ここで「昏睡クラブ」で山口が使用したニワトリを模したおもちゃ、「叫ぶ! びっくりチキン」の話題へ。撮影にあたりそのニワトリの吊り方や見え方にもこだわったという。100円ショップで吊るすための紐を探したが良いのが見つからず、当日スタッフに探して来てもらったというこだわりのエピソード。その甲斐もありイメージしていた、藁(ワラ)を編んだような紐を使用することが出来たことを話した。そのこだわり様から、「今作のジャケットに(ニワトリが)入ってないのがおかしいくらい」と盛り上がった。ちなみに今作のアーティスト写真は、人気漫画『東京喰種トーキョーグール』の石田スイ氏の書き下ろしとなっている。

 ここでライブ撮影の話へ。撮影が入る時と入らない時とのモチベーションに違いはあるのかという問いに、波多野は「始まってしまえば忘れてしまいます」と話し、福井は「ステージ上での角度を気にします」と映る角度へのこだわりも。そこに山口がDVDジャケットの福井の顔の角度についてツッコみ、会場の笑いを誘った。

記念撮影

 DVDでの演奏について聞かれると山口は「手応えはあったんですけど、課題が残りましたね。この日は初日だったので、会場の感じもまだ掴めていなくて...。あとは音作りですね」と、久しぶりのホール公演ということもあり、ホールならではのチューニングのシビアさを痛感したという。

 先ほどの「叫ぶ! びくっりチキン」についてもライブが1月で冬場だったため、硬くなってしまい演奏が難しかったことも明かした。硬さをほぐすため、吊るしてある時点でカイロを貼る案もあったが、見た目の問題で却下したという。波多野は「叫ぶ! びっくりチキン」について、「音が出るものは全部楽器になるという、もともとこういう発想が好きなんです」と自身のスタンスを述べた。

 続いて、演奏中に見せる笑顔について聞かれると波多野は、「だいたいニヤケてる場面はカットしたはずなんですけどね...」と答えると、山口が「チェックが甘かったみたいですね。チーム総動員で今後はチェックします(笑)」と再び笑顔への厳しい姿勢を見せ、会場を和ませた。

 そして、波多野は今作のポイントに新曲が入っていることだと語った。「音源化される前にライブDVDで聴けるというのは今までになかった」と話し、制作中の音源の方は「この時とはアレンジがまた変わっているので期待してほしい」と、新曲についても言及した。

 今作の見所を聞かれると波多野は特典映像の「『ダイゴマンが行く! 』ですね。蕎麦打ってるので」だと話し、福井は「やっぱり僕は角度と(ステージの)定位置から退くという引き際です」とマニアックな視点。山口は「前作の『Cut Four』よりも曲と曲のテンポ感が良いから、疲れないと思うので何度も観てください」と各々見処を述べ先行上映会の幕は閉じた。

(取材・撮影=村上順一)

この記事の写真

記事タグ 


コメントを書く(ユーザー登録不要)