シンガーの宮田悟志が、フジテレビ系ドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』のエンディングテーマ「サンサーラ」を歌う。「サンサーラ」は、これまで異なるシンガーによって歌い継がれてきた曲である。宮田はプロ野球選手を目指しながら、ケガによって夢を絶たれ、その後、歌の道へと進み、昨年まで2人組ユニットBREATHEのメンバーとして活躍していた。苦難を乗り越えながら生きる人々の姿を描いた同番組と、彼の生きざまは重なる部分が多く、今回の抜擢につながったという。これまでの道のり、そして「サンサーラ」にどのように向き合ったのか、話を聞いた。
「歌いたい」思いを伝えチャンスをつかむ
――7月2日から『ザ・ノンフィクション』のエンディングテーマ「サンサーラ」が配信されます。
もともと『ザ・ノンフィクション』のファンで、以前に番組のナレーションもやらさせて頂きました。当時は瀬川あやかさんが歌われていて、その歌にものすごく感動しまして。それで番組プロデューサーの張江泰之さんに「ぜひ機会があれば、僕も歌えないでしょうか?」とお話ししました。まさかこんなにも早く実現するとは思っていなかったのですが、結果、想いを伝え続けてきてよかったなあと思います。
――「サンサーラ」を歌うことが決まった心境は?
とても嬉しいと同時に、どのように自分の「サンサーラ」を作っていこうか、すごく考えました。歴代の楽曲も聴かせていただく中で、直近での歌う方は女性が続いていたので、男性に変わったときのインパクトはすごく大事になると思いました。
――歴代の人の歌も、自分自身の中でしみついていた、と。
一ファンとして今まで歌われた方々のイメージが凄くあったので、最初はそれを崩しちゃいけないというところから入りました。でも制作を進めていくうちに「こういうアプローチもいいんじゃないか」というアイデアがたくさん出てきて、張江さんに相談させていただきました。最初はピアノバージョンや、静かでシンプルなアレンジに挑戦しましたが、やはり男が歌う「サンサーラ」は生き様というか、魂から出てくるものであるべきだと話をしていて。「宮田悟志が歌う、また新しい『サンサーラ』でいいんじゃないか」「それなら男っぽいのがいい」というやりとりを繰り返しながら、最終的に80s’のロック調で、かなり男臭さのあるアレンジになりました。
女性が2人続いた後の男性ということで、インパクトが欲しいという話もあったので。そういう意味では、僕は普段バラードが多くてしっとりした曲が多いですが、今までのイメージをいい意味で覆すアレンジになったのではないかと思います。
――泥くささというか、今までの宮田さんのボーカルとまた違って聴こえました。
オリジナルを歌っているときよりも、よりソウルフルというか、今感じている気持ちを出すことに意識を集中させたので。細かく分けて録るより「ここからここまで一気にいっちゃいましょう」といった感じで、気持ちが途切れないところまで録っていきました。僕も新しくチャレンジをさせていただいた形でしたが、それが功を奏したのではないかと思います。
――プロデューサーさんが宮田さんを起用した理由の一つに、宮田さんの生き方に感銘を受けたそうですね。
プロデューサーさんとは飲みながら自分のことを話しました。やっぱり飲むと本音が飛び交いますから。ザ・ノンフィクション』のファンだということはずっと話していたのですが、自分の過去の人生も知ってくださった上で選んで頂いたということが、一番嬉しかったですね。