溢れる感情が作り上げた2つの曲、THE ORAL CIGARETTES 成長の証
INTERVIEW

溢れる感情が作り上げた2つの曲、THE ORAL CIGARETTES 成長の証


記者:村上順一

撮影:

掲載:17年06月14日

読了時間:約15分

「ONE’S AGAIN」はMCをしている感じ

あきらかにあきら

――両A面のもう一曲、「ONE’S AGAIN」も感情むき出しでグッときますね。この曲が出来た背景は?

山中拓也 同じ時期に「トナリアウ」の歌詞を書いていて、そこから思うことの中で「トナリアウ」だけでは収めきれない部分を、もっと主観的に書きたいと思いました。「トナリアウ」は自分のこともけっこう俯瞰的にみています。ストーリーありきで付随しているので、それはそれで素敵な形で残っていますが、もっとややこしいものを取っ払って、この感情をそのまま自分達に落とし込んで、自分達のストーリーと絡ませたらどうなるのかというのを「ONE’S AGAIN」で作っていきました。

 「トナリアウ」はまだライブでやっていませんが、「ONE’S AGAIN」は先行してライブでどんどん伝えていっています。ライブではMCをしている感覚に近いですよね。メッセージ性を生で聴いて欲しいという思い、「トナリアウ」と「ONE’S AGAIN」は共通した思いがあるから両A面シングルにしたいということで今作の形に至りました。

――この2曲は曲調は違えど、統一感があるのはそういったところがあるからなのですね。

山中拓也 僕は「トナリアウ」からの延長線上で「ONE’S AGAIN」を作ったとはメンバーに言っていませんでした。でも、あきらが『「トナリアウ」と「ONE’S AGAIN」は一緒の曲だと思う』と言ってくれて。

あきらかにあきら 伝えたい本質が同じ所にあるという話をして、両A面で出すからその共通点をタイトルにも落とし込めたらいいと思いました。でも最終的に決断を下すのは拓也だなと思っていたので、「こういう考え方もありじゃない?」という言い方は確かにしました。

山中拓也 言ってないのに分かっていたのだなということをそこで気付けたので、両A面という決断をして良かったなと、その時思いました。「トナリアウ」と関連性を持っていることは知らないのだろうなと思っていたのですが、それをみんな普通に分かっていて。

――「ONE’S AGAIN」はMVがストーリー仕立てになっていますが、この着想は?

山中拓也 「ONE’S AGAIN」も「人に期待しないで自分自身で成長していきましょう」という曲です。ライブで「俺らに依存しないでほしい。でも答え合わせの場所にはしよう」という話をしています。自分自身でどんどん辛い物事を越えていく、ということをどうやったら表せるかと思った時に、キャストに極端にヤバい人達を集めたいなと思いました。

 その人達なりの人生があってという事は、そっちの方が分かりやすいと思いました。ちょっと危険な匂いがする方が逆に親近感が湧いたり、「俺、これをしてみたかったけど出来なかった人生だ」みたいな。その方が客観的に各々の人生が感じられると思います。自分とまるで一緒だと、共感し過ぎて感じにくいと思うのです。だから、振り切った色んな人を用意してほしいという話をしました。

――ドメスティックな表現もありますしね。

山中拓也 身体を売る人だったり、何かに悩んで髪を切ってしまう人とか、何かに犯されているとか、そういう振り切った人です。そういう人達を集めてほしいというのは、周りから見たらそれは正解ではないのかもしれないですけど、「個人なりの正解があるんだよ」というメッセージをそこに込めたくて、ああいうMVに仕上がりました。

THE ORAL CIGARETTESをもう一回やりたい

鈴木重伸

――変な質問かもしれませんが、『サクラダリセット』は“世界を最大3日分巻き戻す能力”、「リセット」できる話でもありますが、もし過去に戻れる、やり直せるとしたら、戻りたい時期はありますか?

鈴木重伸 僕は全くないですね。今の人生が奇跡みたいなものなので。

山中拓也 僕は「あの時のあの感情がほしいな」と思う事はあります。

――例えばどういう感情でしょうか?

山中拓也 小学校、幼稚園の頃の純真は、今はもう絶対ないですよね。まわりに気を遣うということもないじゃないですか? 言いたいことを言えていたし。そういう部分を取り戻さなければいけないなと感じたりもします。

――あきらさんはありますか?

あきらかにあきら ないですね。今が一番楽しいなと思うし、過去は過去として、それがあるから今があるなと思います。

――逆に未来には行きたい?

あきらかにあきら う〜ん、やっぱり今がいいです。未来に行ったとしても、また今に戻ってきたいくらいですね。

中西雅哉 僕は、この人生が終わったら、もう一回この同じ人生を歩めたら最高だなという人生にしたいと思っています。そういう意味では、やり直したいというよりは「THE ORAL CIGARETTESをもう一回やりたい」です。ここに来るまでの過程も、面白かったのでもう一回経験したいです。

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