出会いが景色を作る、Lenny code fiction 言葉と音のギャップ感
INTERVIEW

出会いが景色を作る、Lenny code fiction 言葉と音のギャップ感


記者:榑林史章

撮影:

掲載:17年04月12日

読了時間:約10分

メンバーから見て片桐は、赤のイメージ

――今回の表題曲「Colors」は、アニメ『パズドラクロス』のオープニングテーマ。歌から始まって、転調して爽快なロックになっていきますね。

片桐 航 大元の曲は、高校生時代に作ったんです。それを何度かアレンジをし直して、今回メロディはそのままを残しつつ、いくつもあるアレンジパターンから、それぞれの良いところを引っ張ってきました。だから、これまでに培ってきた経験やアイデアを総動員して完成させた感じです。

kazu 高校生のときは、まだ若かったこともあって、もっとパンキッシュと言うか、メロコアっぽい雰囲気のアレンジだったんです。それから5年くらい経ち、今回ソラがすごくこの曲を推してくれて。あらためてフラットな気持ちで聴いたとき、メロディの良さを再確認した感じでした。

KANDAI それで今回は、プロデューサーのakkinさんと相談しつつでしたけど、リズムをどんどん変えていくアレンジにしたら面白いんじゃないかって。でもサビはどっしりとしていて、2ビートを使ったりとか、押すところと引くところでのリズムの起伏を大事に考えましたね。

――ソラさんは、どうしてそんなにこの曲をプッシュしたのですか?

ソラ 航の作った250曲以上あるデモの中でも、「これをやらないで何をやるの?」っていうくらい、一歩抜きんでている曲だと感じたんです。具体的なリードギターのフレーズがすぐ頭に浮かんだし、メロディもキャッチーで聴きやすいし、絶対にこの曲だろう、と。それで、「じゃあ一度曲を詰めよう」となって、やり始めたら、みんなの意識もどんどん上がっていって。そんな経過の中で、『パズドラクロス』のタイアップのお話もいただいてという流れでした。

kazu ソラが押してくれなかったら、きっと埋もれたままになっていたと思いますね。

――「Colors」というタイトルは、ゲームに出て来る「パズルドロップ」のこととかけていて?

片桐 航 実は、高校生で書いたときから、すでに「Colors」というタイトルなんです。だから、期せずして繋がったと言うか。

 歌詞の冒頭に「茜色だった足元」というフレーズが出てくるんですけど、それは実際に僕の地元に存在する道のことなんです。赤く塗装してあって、毎日学校へ行くときそこを通っていて。雨の翌日に通ったとき、水たまりに青い空が写って、すごくきれいだったことがあって。雨ってネガティブなイメージもあるけど、他のいろいろな色と混じり合うことで、すごく明るくてきれいな景色が生まれるというところから曲を作り始めました。それを僕が作って来た人生の色と、聴く人が作って来た人生の色が混じって、両者の出会いが新しい景色を作ってくれる。そういう人と人との出会いの曲として歌っています。

――そういう歌詞の背景にあるノスタルジックな部分が、ソリッドな曲調とのギャップを生んでいて、そのミスマッチ感が良いですね。

片桐 航 そうですね。そういうギャップは、僕らの音楽では常に大切にしている部分です。がっつりしたロックなのに、歌詞では美しい風景を歌っていたり、自分が思うすてきな部分を歌っているというのが、Lenny code fictionらしさの一つになっています。

――ちなみに、メンバーそれぞれを色に例えると?

片桐 航 かんちゃん(KANDAI)は、黄色で、kazuが紺色。

KANDAI どうして黄色?

片桐 航 かんちゃんは、明るくてワチャワチャして、アクティブなイメージだから。kazuは、マジメなんで。紺って、制服とかリクルートスーツとか、マジメなイメージじゃないですか。

kazu 確かに高校時代の制服は、紺のブレザーだった(笑)。

片桐 航 ソラは、オレンジと白の2色。バンドでいるときは超ムードメーカーで、そのときはオレンジ。でも一人のときは、いろいろ考えていて、でも何を考えているのか分からないという部分で、白かなと。

――では、メンバーから見て片桐さんは何色ですか?

KANDAI 赤。

kazu 俺も赤。

――青とか、もっとクールな色のイメージかと思いましたけど。

ソラ もちろん曲作りのときとか、理論的に組み立てて行くクールな部分もあるけど、その根本には自分の内にあるものを表現したいという情熱を持っているんです。だから、僕らの中では赤というイメージを持っています。あとライブ中は、完全に赤ですね。

片桐 航 言い換えると、静と動が両方あるみたいな感じなのかな。実際に楽曲も、赤か青に分けているし。

ソラ ライブ感とか男らしさが出ている曲は赤で、歌詞とかサウンドの世界観で組み立てられている曲は、青という感じで。アレンジするときも、いちばん最初に決めるのが、赤か青かという方向性ですからね。そういう意味で今回のシングルのカップリング曲は、2曲ともライブを意識しているので、赤一色という感じですね。

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