初エッセイを発売したNMB48山本彩

初エッセイを発売したNMB48山本彩

 NMB48山本彩(23)が3日、自身初のエッセイ『すべての理由』(3月29日発売、幻冬舎)の刊行を記念して、都内で記念イベントをおこなった。囲み取材では、6月17日に沖縄で開催される『AKB48 49thシングル 選抜総選挙』への出馬を辞退した経緯などを改めて振り返り「総選挙という場所においてのテッペンは考えなくなった」とも。指原莉乃との対抗馬として期待もあったが「(指原は)次元が違うところにいる」と尊敬の念を語った。

 昨年の総選挙で自身最高の4位になった山本だが、今年3月31日に自身のツイッターアカウントで総選挙への出馬辞退を報告した。この件はもともと、ファンにも昨年の時点で報告をしており「その覚悟で去年出馬し、あの結果がいただけたことを光栄に思っています、だからその約束というかそのままの気持ちで、今回は辞退させていただきました」と経緯を説明、本音としては直前まで悩んでいたことを明かした。

 一方で「総選挙という場所においてのテッペンについては、考えなくなりました。それだけじゃないということが考えられるようにもなったし、違う舞台でも、もっと自分を高められるようになりたいと思っています」と、新たな指針を持った様子も見せた。

 昨年末の『NHK紅白歌合戦』における「AKB48紅白選抜」で1位になり、今回は、2年連続で選抜総選挙1位の指原莉乃の対抗馬として十分、目されるという評価を得ているが「そもそも指原さんとは人間性も違うので、比較すること自体が違うなと思っています」と新境地を見せた。

 しかし、そうしたなかでも1位を目指したいと思った気持ちは「無くはないですね」と正直に明かしながらも、指原という“天王山”に「今までも何度も総選挙という場において、指原さんはエゲツないな、と。毎年いるのにその年ごとに(記録を)更新されて、次元が違うところにおられる。その意味でも比較というのは違うなと思います」と、尊敬の念を語った。

 なお、卒業に関しては「現時点では全然そのつもりは。(逆に)辞退という選択が、また成長させてくれるのではと思っています。ただ、選挙で皆さんの気持ちが離れないよう、この期間は自分ができることを形としてしていかなければと思います」と新たな決意をコメント。

 今後の新しく目指していることも具体的なことは語らなかったが「あります。自分が将来もやっていきたいという方面のことで。それも形にする予定なので、楽しみにしておいてください」と期待を匂わせるコメントをした。

 そして、改めてNMB48というグループを「今となっては1人で仕事をすることもあるけど、改めて返ってみると『みんながいるだけでこんなにも居心地がいいんだ』『こんなにもみんなに助けられていたんだ』って、家庭みたいなところだと思っています」と顧みた。

山本彩の「今」を綴ったエッセイ

初エッセイを発売したNMB48山本彩

 エッセイ『すべての理由』については、「自分に自信は無いんだけれど、自分にめっちゃ期待はしてる」と自身を語る山本の、「今」を綴ったエッセイ集。家族、音楽との出会い、NMB48の仲間たち、ソロ活動、選挙、センター、キャプテン、そして卒業についてなど、知られざる本音を、7万字にもおよぶテキストで告白しており、合わせて撮り下ろしグラビアやリハーサル中のオフショットなども満載している。

 本書の内容に関しては「アイドルって、普段はキラキラした明るい部分を見てもらっているけど、そうでない暗い部分を出すというのは結構、勇気のいることだな、と。そういうことを(普段)言葉や文にするようなタイプではないので、その分、考えながら書きました」と執筆に真摯に向き合った様子を明かした。

 また「自分という人間を自分が改めて理解できたと思うし、結構ほかの人のことを考えることが多かったので、これまでは案外、自分と向き合えていなかったなと思いました。悔しいことは悔しいと自分の中で気づいて、口に出すことも大事なんだって」と本書を描いたことで自身に気づいたことを明かした。

 更に「周りにたくさん刺激してくれる人がいるんですけど、そういう人に刺激されながらも流されたり、刺激され過ぎたりしてはいけない、やっぱり向き合うのは自分自身、負けない相手は自分だということを忘れないでいたい。それはメンバーとか人々に教えてもらったことだと思います」と自身が大切にしている思いを語った。

 大の阪神タイガースファンとしても知られる山本は、3連戦を1勝2敗と負け越しの結果に「今年は期待できると思うし、実践を経てみんながパワーアップしてもらいたいと思います」とエールを送っていた。(取材・撮影=桂 伸也)

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