音楽バンド「L⇔R」の元メンバーでミュージシャンの黒沢健一さんが5日午前3時52分、逝去された。公式サイトが伝えた。10月3日に脳腫瘍を患っていることを明かしていたが、実弟の黒沢秀樹は「安らかに眠るような最期を迎えることが出来ました」と家族が見守る中で永眠したことをコメントしている。

 10月3日に公式サイトで、脳腫瘍を患い、入退院を繰り返していることを明かしていた黒沢さん。今月7日に公式サイトで、「病気治療のため入院しておりました黒沢健一は12月5日午前3時52分、脳腫瘍のため永眠いたしました。ここに故人のご冥福をお祈りし謹んでお知らせ申し上げます」と逝去されたことが伝えられ、「L⇔R」の元メンバーの追悼メッセージを発表した。

 黒沢さんの実弟である黒沢秀樹は「家族の見守る中、安らかに眠るような最期を迎えることが出来ました」と報告し、家族を代表して感謝のメッセージを寄せる。兄・健一さんの強い希望でもあった武道館ライブのDVDを年明けにリリースできることを嬉しく思う心境を伝えた。

 さらに、「デビューから25年という節目の年にこのような報告をしなくてはならないことはとても悲しく残念なことですが、黒沢健一の音楽はこれからもずっと、聴く人の心に響き続けてくれると信じています」としたため、「兄の遺してくれた作品が、一人でも多くの人の悲しみや絶望を癒し、希望の糧となってくれることを心から願っています」と追悼した。

 ベースの木下裕晴は「L⇔R」のメンバー4人で音楽業界に挑み、20余年を経過した中でも、「この4人の活動が僕の原点になっています」とグループへの深い愛情を綴り、黒沢さんの旅立ちを迎えた中で、「健一は自分の近くに長く一緒にいてくれた友人でもあります。よく会っていましたし、ソロの活動にも参加させてもらっていました。昨日亡くなった本人に会いましたが、寝ているくらいにしか思えず、未だに全く実感が湧きません」と率直な心境を寄せた。

 木下は黒沢さんに語り掛けるように文章を締めくくる。「この先、寂しくなるな。『健ちゃん、[grow]が滲みるよ、ベース入ってない曲だけど。笑 新曲はしばらく聴けそうにないけど、いつか聴けることを楽しみにしてるよ!』と追悼のメッセージをしたためた。

 キーボードの嶺川貴子は「私の健一君に対する印象は、天才的天然少年。話を膨らませるのが面白かったし、スプーン曲げが上手だった」と、黒沢さんに抱いていた心境を打ち明けた。

 さらに、「3年前久しぶりの再会をした時、健一君はぜんぜん変わっていなくて、笑顔で優しかった」と思い出を振り返りながら、「短い時間だったけど、あの時再会できてよかった。発見された、健一君が描いた“いけんを言うもも”の絵は、本当に私に似ていますね。大事にします。ありがとう」と感謝の言葉に哀悼の気持ちをこめた。

 1991年に「L⇔R」のボーカルでデビューした黒沢さん。多くの人に強く残る楽曲は、1995年に発表したシングル「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」だ。江口洋介が主演を務め、フジテレビ系の“月9”枠で放送された『僕らに愛を!』の主題歌で、オリコン1位を獲得するなど大ヒットを飛ばした。

 また、黒沢さんは森高千里の21枚目シングル「気分爽快」などの楽曲提供でも知られる。L⇔Rは1997年に活動休止、その後はソロやグループで精力的な活動を続けていた。

 10月3日には脳腫瘍を患っていることを公式サイトで報告していた黒沢さん。「皆様にお知らせすることで、不安や心配をかけてしまうことを心苦しく思うと同時に、お知らせしないこともまた逆に無用な憶測を呼びかねない事を考え、今、皆様に報告することを決めました」と公表することにした経緯を説明し、闘病生活への意気込みを伝えていたが、48歳の早すぎる旅立ちとなった。

 黒沢さんの通夜及び葬儀は近親者のみで執り行われ、後日「お別れの会」をおこなう予定で、公式サイトで発表される。

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