back number、体中から沸き起こる温かい思い 心の最高の贅沢
back number(撮影・山内洋枝)
<バズリズムLIVE 2016 2日目公演レポート>11月6日◇横浜アリーナ◇back number
とても美しい華やいだ音色が場内へスーッと染み渡ってゆく。その音色を聴き、嬌声を上げる大勢のファンたち。温かいアコギの演奏を受けながら、愛しい人へ想いを届けるように「クリスマスソング」が響きだした。
ひと足早いクリスマスプレゼントをback numberから受け取った気分。なんて澄み渡る温かい歌声と演奏だろう。その歌にずっとずっと心が魅了されていた。清水依与吏の歌う<君が好きだ♪>の言葉が、とても愛おしかった。
掻き鳴らすギターの音色が連れ出したのは「花束」だった。愛しい人へ想いを語りかけるように歌が紡がれてゆく。告白するような歌にギュッと抱きしめられている気分。真正面から本気の告白を受けたら、素直に想いを委ねたくなるのは当然だ。「花束」に触れながら、いろんな気持ちが交錯してゆく。でも、それはすべて温かい風景や想いばかり。幸せに溺れられるこの時間が、とてもとても大好きだ。
キラキラと、ときめきを放ちながら「SISTER」が駆け出した。心地好く走る演奏に、気持ちも身体も嬉しく揺れていた。高揚してゆくサビ歌に触れながら、彼らが見せてくれた光をその手で掴もうとするように、いつしか大勢の人たちが無邪気に飛び跳ねていた。何より、身体中から温かい想いが沸き上がるその感覚がとても嬉しかった。back numberの歌は心に昂りを与えてくれる、このまま熱に溺れそうだ。
ステップを踏むように軽やかに歌が弾んでゆく。大勢の人たちが「黒い猫の歌」に気持ちを預け、腕を振りなから舞台上に満面の笑顔を向けていた。この空間を支配していたのは、温かな想いに導かれ、幸せを咲かせた花(人)たちだ。back numberは、会場に咲いた無数の小さな一輪の花たちへ向け、力強くエールを送っていた。そんな明日を舞台上からback numberは注ぎ続けてくれた。
新曲の「ハッピーエンド」は、胸をキュッとセンチに疼かせるバラードナンバー。言葉を、想いをひと言ひと言を心の奥から引き出しては、ジンと沸き上がる感情に乗せて彼らは歌い奏でてきた。その歌は、気持ちに込み上げる潤いを与えていた。好きという変わらない気持ちが胸に渦巻いていることを告白するように清水依与吏は歌いあげてゆく。その真摯な想いが、心を切々と縛りつけていた。
美しい弦楽の音色が響きだした。重なりあうバンドの演奏。「お前ら、全員ジャンプな!!」、その声を合図にリズムは躍動を求めだした。昂る感情のままに歌う声へ導かれ、その場で跳ねてゆく観客たち。「高嶺の花子さん」を通してback numberは、場内に笑顔の熱狂を作りあげていった。
騒ぐのではない、心がはしゃぐ熱狂を感じれたことが何よりも幸せだった。それって、最高の心の贅沢じゃないか!!(取材・長澤智典)
セットリスト
01.クリスマスソング
02.花束
03.SISTER
04.黒い猫の歌
05.ハッピーエンド
06.高嶺の花子さん