BEGIN、25周年ツアー最終 泡盛から始まった“両国音楽祭”
沖縄の風を感じながら
比嘉は冒頭で「フェスのように」と語っていたが、その通りに、多彩な楽曲と想い出、そして多くのゲスト出演者が登場して、お祭り騒ぎの様相で賑やかに盛り上がった。ハワイアン音楽の「Blessing Rain」や、「一五一会」という楽器演奏者とその生徒による同楽器の実演。そして、そのまま「笑顔のまんま」を全員で熱唱した。
ブラジルの大御所ミュージシャンと競演を果たしたという話を挟んでの後半は、沖縄色が色濃く出た。さながらこの地が沖縄であるかのような、飲めや歌えや踊れやといった雰囲気だった。アロハシャツ姿で再登場したBEGIN。「アロハの花」では、フラチーム「サンディーズフラスタジオ」が参加して華やかに舞った。15曲目の「涙そうそう」では、石垣島時代、テレビで見ていた憧れの人、サンディーが登場。比嘉はサンディーの滑らか且つ柔らかなフラの動きに合わせるように、心を澄ませ歌い上げた。
「ウルマメロディー」からは、前記のフラチームに、エイサーの琉球國祭り太鼓のメンバーが加わる。琉球祭り太鼓や「セヤ!」「セヤササ!」と琉球民謡独特の掛け声が飛び交い、一方でウクレレのサウンドが軽快に鳴り響く。沖縄音楽とハワイアンミュージックが融合したステージに心を躍らせた。
酒は、時に本音をこぼさせる。比嘉は「三線が両国で弾けて歌えるのは嬉しい。三線を弾けるのは先輩のおかげ。THE BOOMが解散してね。宮沢さんね。島唄をポップにしてくれて。同じものを背負っていたからね。解散したなら、早くも再結成してね。もどってこいー!」と叫んだ。
オリオンビールでマックスに
フラチームを送り出した後、エイサー隊が更に加わり打ち手36人と旗持ち10人、計46人の大所帯による「三線の花」に続き、「オジー自慢のオリオンビール」ではテンションマックス。観客が手持ちの缶を上げたり下げたりを上機嫌に繰り返し、なかにはエイサー踊りをするものもいた。「かりゆしの夜」では、比嘉の「カチャーシー踊りますか!」の呼びかけで客席は総立ち、カチャーシーを踊りで両国国技館が一気に沖縄化する。
宮城姉妹・サンバチーム「ブロコ・アハスタォン」との共演による「マルシャ」コーナーでは、自身の曲の他、サザンオールスターズの「勝手にシンドバット」、比嘉のギターソロが唸り会場を沸かせた DEEP PURPLE「Smoke on the Water」などカヴァーも織り込み、25分のノンストップメドレー。観客は息を切らせながらも表情は明るかった。
そして本編最後には「明日から26年目が始まるにあたり発表する事があります!」と島袋からは4月から沖縄・RBCiラジオでレギュラー番組がスタートすること、上地からはソロアルバムをリリースする事をそれぞれ発表。「だからといって僕たちのBEGINのライブが無くなるわけではありません!どんどんやっていきますよ!」と26年目も積極的に活動して行く意気込みをみせた。
BEGINの人柄が表れたツアーファイナル
本編最後は「子供が生まれる時お腹の羊水は海水と同じ成分なんだ、だから僕らは生まれながらにサーファーなんだ」というMCと共に「サーファーに傘は要らないのさ」を歌って大盛り上がりのなか終了。
大歓声に迎えられてのアンコールでは「ボトル2本とチョコレート」を披露。客席をバックに記念撮影をおこなったあと「もう一曲やろうぜ!」と今日の出演者全員を呼び込み総勢127人の「島人ぬ宝」で会場のボルテージは最高潮。大団円を迎えた。ちなみに、この「島人ぬ宝」は来年でリリースしてから15年が経つことになる。
そして「みなさんお元気で! また同窓会で会いましょう! さようなら!」というMCのあと、東京を舞台にした曲「ハンドル」を歌い捧げた。最初から最後まで、アットフォームの雰囲気で、メリハリの利いたトークと歌に、BEGINの3人の人柄が表れたステージに、観客は気取らず心の底から楽しんでいるようだった。BEGINの25周年イヤーはこうして終了した。(取材・木村陽仁)
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