宮本佳林、オーディションを落ち続けた時期を振り返る
INTERVIEW

宮本佳林、オーディションを落ち続けた時期を振り返る


記者:編集部

撮影:

掲載:16年01月27日

読了時間:約17分

対談を行った児玉雨子・吉田豪・宮本佳林・荻野可鈴。「コピンクス!」への想いを語った

対談を行った児玉雨子・吉田豪・宮本佳林・荻野可鈴。「コピンクス!」への想いを語った

 静岡朝日テレビで放送中の情報番組『ピンクス』と『コピンクス!』にゆかりのあるアイドルたちが集まるスペシャルライブが3月12日に、東京・ディファ有明で開催される。今や押しも押されもしない人気者の宮本佳林(Juice=Juice)をはじめ、荻野可鈴(夢みるアドレセンス)、浅川梨奈(SUPER☆GiRLS)、そして廣川奈々聖(わーすた)を輩出してきた『コピンクス!』は一旦その役割を終え、4月以降は内容をリニューアルした新番組として再スタートを切る。

 初代コピンクの宮本はそれまでオーディションに落ち続け、同番組によって見出されて才能が開花。その後はJuice=Juiceの結成メンバーとして活躍、日本レコード大賞優秀新人賞を獲得するまでになった。一方のクインセの声を演じた荻野はもともとモデルとして活動していたものの、番組がきっかけの楽曲制作などで注目を集め、今では夢アドのリーダー・アニメ声優としても活躍する。2人にとって同番組は故郷のようなもので、その後に待ち受けるシンデレラストーリーの一歩を踏んだ場でもある。

 今回は、番組開始当初からコピンク楽曲の歌詞を手掛けてきた作詞家の児玉雨子と、アイドルにも精通するプロインタビュアーの吉田豪、そして2人による特別対談を実施。当時の想いを回顧するとともに、ラストライブに込めた思いなどを語った。なお、この模様は2回に分けて紹介する。前編は、番組出演が決まった当時の心境や、2012年のAmazon・MP3ダウンロード上半期2位に輝いた「カリーナノッテ」を初めとするコピンク楽曲の想いなどを中心に。後編は、コピンク&クインセというキャラクターへの想い、そしてラストライブへの意気込みを語る。

 「ピンクス&コピンクス!ラストライブ」と裏話大会のイベント詳細はこちら

ハロプロの新メンバーオーディションに落ち続けている時期、コピンクがあったから心が折れずに頑張れた…宮本佳林

宮本佳林

宮本佳林

吉田豪 そもそもコピンクのプロジェクトはどういう流れで始まったんですか? おそらく楽曲制作に携わっている児玉さんが一番詳しいとは思いますけど。

児玉雨子 実はこの企画に携わったスタッフの中でも新参なんですよ。番組の企画やコピンクちゃんのビジュアルデザインが決まって、佳林ちゃんの「カリーナノッテ」という曲を作るというタイミングで、作詞として最後に関わったので。

吉田豪 その時点で既に宮本佳林さんが抜擢されるということは決まっていたんですね。

児玉雨子 そうですね、決まっていました。「佳林ちゃんだよ」と言われて。『三億円少女』(2010年)という舞台で初めて佳林ちゃんを拝んで(笑)。当時はまだ小学6年生で。ただ、その時はコピンク=宮本佳林ということは、大人の事情で一般的には言えない時で(笑)

宮本佳林 そうでしたね(笑)。

吉田豪 宮本さんはどういう流れで話を聞いたんですか。

宮本佳林 『三億円少女』の舞台公演期間中に、マネージャーさんから「静岡の番組でナレーションをやらせて頂ける仕事が決まったよ」と言われて。当時は「なんだろう」って思っていて。研修生はレッスンをいっぱいやっていて、定期的な公演や舞台にピックアップしてくれることはあったけど、ナレーションの仕事はやったことなかったから、嬉しいけど、よく分かってなくて。でも喜んだのは覚えています。

吉田豪 当時はオーディションに落ち続けていた時期?

宮本佳林

宮本佳林

宮本佳林 そうですね。当時はまだ小学6年生だったので。(モーニング娘。)9期メンバーオーディションが終わって、同じ年齢の鞘師里保さんと鈴木香音さんが加入して。その頃は同い年だなって思っているくらいで、小学生だったからかフワフワとした気持ちではありました。(初代コピンク)が決まってから曲を頂けるまでの間にもオーディションはいくつかあったけど…。だから、曲を頂けると聞いた時は本当にびっくりしましたね。私でいいのかなって。

吉田豪 いきなりソロデビューでしたもんね。

宮本佳林 (初めてのオリジナル曲が)いきなりのソロで。先輩方の曲をイベントとかで歌う機会はあったんですけど。宮本佳林ではなくコピンクではあるけど、まさか私の声で1曲丸々頂けるなんて。ハロプロ研修生の私で良いのかなって。でも、プレッシャーというよりも楽しみだなという気持ちの方が大きかったですね。

吉田豪 珍しいパターンでしたよね。ハロー!プロジェクトではなかなかない。

宮本佳林

宮本佳林

宮本佳林 ハロー!プロジェクトの楽曲ではないという事にびっくりしたというか、嬉しかった。実は、曲を頂けたあともずっとハロプロの新メンバーオーディションは落ち続けて。もしかしたらハロー!からデビューができないかもしれないなと自分のなかでは焦りもあって。そうしたなかでコピンク楽曲を何曲も頂けることができて。それがあったからこそ、更に頑張ろうという気持ちにもなれました。湧いてくる気力みたいなものは、やっぱりコピンク楽曲があったからかなあと思います。

吉田豪 コピンクのおかげで心が折れなかった?

宮本佳林 はい。折れている暇もなかったくらい曲を頂けたので、そこに向き合っていけました。

吉田豪 児玉さんはどうでしたか。コピンクを通じてご自身の書いた詞が曲になって。

児玉雨子 それまであまりアイドルは知らなかったんです。佳林ちゃんとご一緒させてもらって、まさかそのあとに作詞で夢アドさんからもお話が頂けるなんて、今はJuice=Juiceの佳林ちゃんとしてまたアルバム曲でご一緒させてもらったりとか。すごいなって。人生分からないものだなって思いました(笑)

吉田豪 児玉さんは完全にコピンクによって世間に見つけられた感じでしたからね。

児玉雨子 その時は高校3年生で、普通に大学に行って就職しようという気持ちしかなかったので、こうなるとは思ってもいなかったというかびっくりしました。

児玉雨子

児玉雨子

吉田豪 知らない間に作詞家になって。

児玉雨子 そうですね。知らない間に(笑)

吉田豪 しかし、そのとき高校生と小学生だったというのは単純にすごい話ですよね。

宮本佳林 そうですね!

児玉雨子 レコーディングも制服で行っていました。

宮本佳林 そうでしたね。

児玉雨子 佳林ちゃんも今やJuice=Juiceとしてね。そして大きな(荻野)可鈴もね。もともと彼女はティーンモデルとして活躍していたんですけど、アイドルとしても夢みるアドレセンスで活躍されていて、すごく嬉しいですね。夢アドさんとご一緒させて頂いたのは発足直後の時で、今はメジャーで色んなところで頑張っているのをみると、私にも(歌詞を)書かさせて頂けないかなと(笑)

荻野可鈴 ははは(笑)

吉田豪 メジャーになってから私に仕事の話がないんじゃないか、と(笑)

児玉雨子 最近ないなって(笑)

荻野可鈴

荻野可鈴

吉田豪 荻野可鈴さんはどうだったんですか。この話を頂いた時は。

荻野可鈴 そうですね。最初に事務所の方から、こういう番組があるんだけど、と言われて、それで番組を見て、その後に宮本佳林ちゃんから受け継いでやらせて頂くと聞いて。ナレーションは私も初体験だったんですけど、不安という気持ちよりかは楽しみだなということの方が大きかった。それと、佳林ちゃんを映像で見た時にフレッシュというか、私よりかはぜんぜん若かったので、その時の私も若いんですけど(笑)、その姿が元気だったので私で大丈夫かなというのはありました。佳林ちゃんの後はだいぶプレッシャーがかかりますね。

吉田豪 タイプがだいぶ違いますもんね。

荻野可鈴 そうなんですよ。ぜんぜん違うから。

吉田豪 名前が一緒なだけで(笑)。

児玉雨子 「だけ」って(笑)

荻野可鈴 そうですね。でも発音が違うんですよ。

児玉雨子 かりんとかりん。(編注=宮本佳林は「か」、荻野可鈴は「り」にアクセント)

荻野可鈴 大丈夫かなという不安もありましたけど、やっぱり楽しみだなという気持ちの方が大きかったですね。

吉田豪 プレッシャーは相当あったんだと思うんですよ。

荻野可鈴

荻野可鈴

荻野可鈴 ありました。だって佳林ちゃんの後ですもん。

吉田豪 宮本さんは歌もうまいし。

荻野可鈴 そう。大変でしたよ(笑)

宮本佳林 でも小さい頃から、可鈴ちゃんを雑誌や映像などで見ていて、その頃から可鈴ちゃんの様になりたいな、モデルさんは素敵だなって思っていて。この業界に入る前から知っていたので、会えるの!? 会える!! みたいにびっくりしました。会った時は本物がいるみたいな(笑)

吉田豪 荻野さんはそれぐらいのモードだったことは気づいていた?

荻野可鈴 初対面の時に「ずっと見ていました」と言ってもらって恥ずかしかったですね。私、しゃべらない方がいいから、イメージ壊しちゃうかなって。でも、そう言ってもらえるのは嬉しいですね。

吉田豪 タイプが違うから仲良くなれるのかなとボンヤリ思ってたんですけど。

宮本佳林

宮本佳林

荻野可鈴 仲良くなれないことはないですよ。

児玉雨子 でも単純に歳の差がありますからね。

荻野可鈴 私今20歳なんです。佳林ちゃんは?

宮本佳林 17歳ですね。

荻野可鈴 3つの歳の差はあるけど大丈夫だと思う。でも私の一方通行かもしれない。

宮本佳林 いえいえ、私も! 遊びに行こうねと話しながらもなかなか行けないですね。

吉田豪 そういう約束はしているんですね?

荻野可鈴 でもね。私はなな(浅川梨奈=SUPER☆GiRLS)ちゃんと2人でいるのを見かけた気がする(笑)

宮本佳林 実は写真を撮っただけでまだ行けてないんですよ。

荻野可鈴 そうなんだ。なんかストーカーみたいに見えちゃうね(笑)

吉田豪 私とは遊んでいないのにあの子とは遊んでるんだ、的な(笑)。

一同 笑い

宮本佳林 でも3人とも行こうねという話もしていて。

荻野可鈴 そうそう。でも予定合わないしね。

宮本佳林 そうですね。なかなか合わないなって。

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