梶浦由記、LiSAと“至近距離パフォ”「得難い体験でした」NHKオフィスで解き放つ“剥き出しの旋律”
tiny desk concerts Japan 梶浦由記(SPゲスト:LiSA)
梶浦由記&LiSA
作詞・作曲・編曲家の梶浦由記が、3月30日0時15分からNHK総合で放送される『tiny desk concerts』の日本版に登場。NHKオフィスの一角で、豪華ボーカリスト陣やスペシャルゲストのLiSAと共に「炎」、実力派ボーカリストたちと「蒼穹のファンファーレ」など全5曲を披露した。
【写真】「tiny desk concerts Japan 梶浦由記(SPゲスト:LiSA)」パフォーマンスの模様
「仕事であることを忘れる」ほどのパーソナルな空間
アメリカの公共放送NPRが火を付け、今や世界のトップアーティストが憧れる聖地となった「tiny desk concerts」。その日本版である『tiny desk concerts JAPAN』に、梶浦由記が出演する。
ステージとなるのは、きらびやかなホールではなく、実際に業務が行われているNHK放送センターのオフィスの一角だ。モニター用のスピーカーもなく、響くのはアーティストの「生声」と「生音」のみ。梶浦は「あまりにもクローズな空間なので、気を付けないとお客さんの存在を忘れそうになる」と語り、まるで自室でピアノを弾いているような、かつてないパーソナルな感覚に驚きを隠せなかった。
緻密な構築美から、あえて「不自由な音楽」へ
梶浦由記の音楽といえば、何層にも重なるコーラスや、完璧に構築されたアレンジが代名詞だ。今回の編成として、当初は3人程度の少人数構成も検討したというが、「ファンの皆さんが聴きたいであろう曲」を追求した結果、YUUKA、KAORI、YURIKO KAIDA、Joelle、LINO LEIA、EMIKOをボーカリストに迎え、弦楽器やパーカッションを含む豪華な布陣となった。
梶浦はこの日集まったミュージシャンたちを「自慢のメンバーだ」と胸を張る。慣れ親しんだメンバーとのセッションだが、オフィスの音響環境は「聴こえる音しか聴こえない」という特殊なもの。普段のライブではイヤモニ(インイヤーモニター)を使用して細部まで音を調整し、「最善の状況」を作る梶浦だが、今回は「調整できない不自由な環境」をあえて楽しむことに決めた。「仲間内で遊んでいるような感覚」で生まれたサウンドには、計算を超えた初期衝動のような歓喜が宿っていた。
また、アグレッシブな楽曲でも歌を真っ直ぐ届けるために、演奏をあえて削ぎ落としていったことも新鮮な体験だったという。「みんな、こんなに大人な演奏ができたんだ」という再発見や、軽快なアプローチによって「案外、これでもいけるんだ」と楽曲の新たな表情に気付かされたと振り返った。
LiSAとの共演:至近距離で感じた生身のブレス
今回のハイライトの一つが、スペシャルゲスト・LiSAとの共演だ。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌「炎」を、梶浦のピアノとLiSAの歌唱のみでパフォーマンス。LiSAはピアニッシモからフォルテッシモまでダイナミックに抑揚をつけ、情感豊かに歌い上げていく。オフィスに響き渡る剥き出しの歌声は、儚さと力強さ、そして希望を感じさせるものだった。歌唱後、LiSAは「梶浦さんと『炎』を歌わせていただく機会は何度かありましたが、今日が一番緊張した。どこを向いても人」と語り、至近距離を観客に囲まれる特別な緊張感を楽しんでいる様子だった。
何度か共演してきた二人だが、これほどの至近距離は稀だ。横を向いて演奏していた梶浦が、アップライトピアノの鏡面仕上げのボディに映るLiSAの表情を確認していたというエピソードも。「部屋にLiSAさんを招いて『じゃあ、やりましょうか』と始めるような感覚」と表現したセッションは、視聴者にとっても二人の魂の震えをダイレクトに感じる貴重な瞬間となるはずだ。
創作の源泉と、辿り着いた「ほがらかな境地」
劇伴作家として、常に作品に寄り添う音楽を作り続けてきた梶浦。彼女にとってのインスピレーションは常に「作品そのもの」であり、仕事こそが曲を生む原動力だと語る。
一方で、昨年還暦を迎えた自身の心境の変化についても率直に明かした。「若い頃は不平不満が曲になりやすかった」と振り返りつつ、年齢を重ねて物事を俯瞰で見られるようになった現在の自分を「ほがらかになった」と分析する。余計なものを削ぎ落とした、晴れ渡るような心地よさで音楽に向き合いたい――。「ほがらか」は、今の彼女を読み解くキーワードだ。楽曲「Parade」の歌詞には、これまでの歩みや音楽を楽しむ純粋な気持ちを投影できたと、確かな手応えを口にした。
番組でも披露される「Parade」では、多様な音が一体となり、唯一無二の世界観を構築。洗練された美しいハーモニーがNHKのオフィスに浸透していく光景に、観客も深く魅了されていた。
「初めまして」の人へ届ける、音楽の醍醐味
梶浦がコンサートにおいて最も大切にしているのは、「最後列にいる『初めまして』のお客さん」が楽しめるかどうかという視点だ。「私のことを知らない人がいたとして、その人が楽しんでくれたらいいな、というところから全てを始める」。その哲学は、音楽そのものが持つ「理屈抜きの力」を信じているからこそ。MCにおいても「皆さんに伝わらないことは喋らない」という徹底した美学を明かした。
世界160の国と地域へ届けられるこの番組。梶浦は「どんな形で演奏しても、歌は歌。素敵な歌い手とプレイヤーによる演奏を、純粋に楽しんでほしい」と、世界中のリスナーへメッセージを送った。
番組情報
『tiny desk concerts Japan 梶浦由記(SPゲスト:LiSA)』
<放送予定>
【国際放送】 <NHKワールドJAPAN>
3月29日(日) 11時10分-11時39分、19時10分-19時39分
3月30日(月) 0時10分-0時39分、6時10分-6時39分
【国内放送】 <総合>
3月30日(月) 0時15分〜0時44分 ※3月29日(日)深夜
<セットリスト>
「炎」(『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』主題歌)
「暁の車」(TVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』挿入歌)
「蒼穹のファンファーレ」(アニメ『ソードアート・オンライン』10周年記念テーマソング)
「アレルヤ」(劇場版『空の境界 未来福音』主題歌)
「Parade」
<出演>
梶浦由記
<Vocal>
KAORI、YURIKO KAIDA、Joelle、LINO LEIA、EMIKO、YUUKA
<MUSICIAN>
Pf:梶浦由記
EG:是永巧一
Dr:佐藤強一
Ba:高橋“Jr.”知治
Per:中島オバヲ
Strings:Vn.今野均 Vn.渡邉 栞 Va.小林知弘 Vc.西方正輝
<SPゲスト>
LiSA
- 1
- 2











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