INTERVIEW

山﨑賢人×栁俊太郎

「阿吽の呼吸がある」映画「ゴールデンカムイ」網走監獄の極限に挑むストイックな役魂


記者:村上順一

写真:村上順一

掲載:26年03月19日

読了時間:約8分

 俳優の山﨑賢人と栁俊太郎が、映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』(3月13日公開)に出演。映画第2弾となる本作で描かれるのは、物語の最大級の山場「網走監獄襲撃編」。激動の物語を牽引する主人公・杉元佐一役の山﨑と、異様な執着心で彼を追う二階堂浩平役の栁――。劇中では凄まじい死闘を繰り広げる二人だが、その裏側にあるのは、長年の共演を経て築き上げた“剥き出しのリスペクト”だった。過酷を極めた撮影の舞台裏から、「阿吽の呼吸がある」と語る揺るぎない信頼関係、そしてマニアックな見どころまで、役者として共に走り続ける二人に話を聞いた。(取材・撮影=村上順一)

網走監獄での戦いは圧倒的な迫力に

山﨑賢人×栁俊太郎

――完成した映像をご覧になって、率直な感想はいかがですか?

山﨑賢人 とても面白かったです。前作からさらにパワーアップしており、コメディとシリアスの絶妙なバランスは、まさに『ゴールデンカムイ』の真骨頂だと改めて感じました。特に網走監獄での戦いは、そのクオリティと迫力に圧倒されました。

栁俊太郎 自分が出ていないシーンも客観的に楽しめました。特に冒頭の「ラッコ鍋」のシーンは、台本を読んで想像していた以上に「攻めたな」と驚きました(笑)。一方で、別のシーンではありますが、自分が参加した完成版で見る駆逐艦の巨大さには驚かされました。撮影時はグリーンバックだったので、あそこまで迫力が出るとは想像を超えていました。

――役作りについて伺います。シリーズを通して継続したこと、あるいは今作で新たに取り入れたことはありますか?

山﨑賢人 体作りは前作から継続していますが、今作ではこれまで以上に仕上げるつもりで準備しました。現場に入って杉元の顔の傷をつけ、あの衣装を纏うと、自然にスイッチが入る感覚があります。連続ドラマを経て、キャストやスタッフと「もっとこうしたい」と密に話し合ってきました。万全の準備で挑めたので、あらゆる面でパワーアップしていると思います。

栁俊太郎 僕は今回、二階堂がモルヒネに溺れ、衰弱していく過程を表現したいと考えました。そのため、目の下のクマを強調したり、彫りの雰囲気だったりと、メイクについても細かく相談しました。ただ、監督からは現場で「もっと何かないの?」と無茶振りされることも多くて(笑)。二階堂は普通のことは言わないキャラクターなので、必死に考えた結果、奇声をあげるくらいしか思いつきませんでした。

山﨑賢人 どんどん赤ちゃんになっていくよね(笑)。

――お二人の対決シーンは、前作以上の狂気を感じました。

山﨑賢人 二階堂との戦いは、とにかくトリッキーな動きが多いんです。栁くんとは「阿吽の呼吸」のようなものがありますが、それをどうリアルに見せるか。頭をフル回転させながら作り上げていきました。

栁俊太郎 賢人相手だと、変な遠慮が必要ないんです。他の役者さんなら躊躇してしまう場面でも、「当たったらごめん」というテンションで全力でぶつかっていける。その信頼関係は、撮影において大きな強みになりました。

山﨑賢人 実はあのシーン、撮影スケジュールがかなりタイトで、極限状態だったんです。その追い込まれた状況での集中力が、映像の迫力に繋がったのかもしれません。

賢人はどんどん「背中が大きくなっている」

山﨑賢人×栁俊太郎

――過去にも共演されているお二人ですが、出会った頃と今とで、印象の変化はありますか?

山﨑賢人 根本的な印象は変わりません。会う前はクールなイメージで「ちょっと怖い人なのかな?」と思っていましたが、実際は最初から優しくて、今の印象もその時のままです。とても話しやすい人です。

栁俊太郎 僕も印象はそんなに変わっていません。賢人がまだ10代の頃に出会って以来、関係性も当時のままですね。

――役者としての互いの印象はいかがですか?

山﨑賢人 二階堂がベッドの上で赤ん坊のように振る舞うシーンがあるのですが、あれは彼にしかできない表現だと思いました。栁くんが持つ、独特の「癖のある役」を自分のものにする振り幅は、本当にすごいと尊敬しています。

栁俊太郎 それを言うなら、賢人は会うたびに「背中が大きくなっている」と感じます。

山﨑賢人 筋トレしてるからかな?(笑)

栁俊太郎 物理的な意味ではなくて(笑)。もちろん身体的にも逞しくなりましたが、数々の大きな作品を経験してきたことによる存在感の変化を強く感じます。

――お互いにストイックだなと感じる部分はありますか?

山﨑賢人 僕と共演する時、栁くんは髪の毛がない役が多い気がしているのですが、「役のためなら髪の毛なんてくれてやる」という役への意気込みは、非常にストイックだと思います。

栁俊太郎 賢人と食事に行った帰り、「タンパク質を摂らなきゃ」とプロテインを気にしている姿を見て、その徹底ぶりには「勝てないな」と思いました。あと、ストイックとは少し違うかもしれませんが、現場で皆が演じやすい空気を作る才能は、賢人ならではの強みだと思います。

――本作の撮影中のエピソードで、特に印象に残っているシーンを教えてください。

山﨑賢人 網走監獄の正門を突破する際に「俺は不死身の杉元だ!」と叫ぶのですが、実はあのシチュエーションは原作にはないんです。シリーズを通して役を積み上げてきたからこそ、「杉元ならここでこう言うはずだ」と自然に生まれた表現でした。これまでの言い方とはまた違う、新しいニュアンスを込められたと思っています。また、のっぺら坊にアシリパ(演・山田杏奈)さんへの思いをぶつけるシーンや、アイヌの小刀「マキリ」を使ったやりとりも映画独自の表現として印象に残っています。(※アシリパの「リ」は小文字)

栁俊太郎 僕は、やっと第七師団の一員として戦えたことが嬉しかったです。ただ、いざ始まったら匍匐(ほふく)前進だったので「まだ戦わせてくれないのか!」とも思いましたが(笑)。囚人たちとの戦いでは、軍の一員としてようやく実力を発揮できたので、非常に気合が入りました。

――これから映画を楽しみにされている方へ「マニアックな注目ポイント」を教えてください。

山﨑賢人 作戦会議のシーンで、白石(演:矢本悠馬)が指で「ピュウ☆」とする動きがあるのですが、網走監獄に到着して杉元が白石に舎房の場所を尋ねる場面で、彼はアドリブでそれをやっているんです。台本では普通のセリフだったのですが、試写で見て思わず笑ってしまいました。原作とは違った細かな表現も多々あるので、そういった部分を探すのも見どころだと思います。また、ラッコ鍋のシーンで谷垣(演:大谷亮平)が突っ込んでくる際、キロランケ(演:池内博之)と白石が「おいで」と誘う動きも現場のノリから生まれたもので、非常に面白かったです。

栁俊太郎 鶴見中尉が機関銃を乱射している横で、月島軍曹(演:工藤阿須加)が弾帯を支えている時の表情です。あの絶妙なシュールさは見逃さないでほしいですね。他のキャストの方々も面白い表情をされているので、細部まで注目していただきたいです。

――最後にメッセージをお願いします。

山﨑賢人 野田サトル先生が描く『ゴールデンカムイ』の「闇鍋ウエスタン」というものを、みんなで大事にして、作ってきたのが「網走監獄襲撃編」だと思っています。きっと皆さんが楽しんでいただける映像になったと思っているので、ぜひ劇場に足を運んでもらえたら嬉しいです。

(おわり)

山﨑賢人×栁俊太郎

山﨑賢人
ヘアメイク スタイリスト 永瀬多壱(vanites)
伊藤省吾(sitor)

栁俊太郎
ヘアメイク スタイリスト 八十島優吾
伊藤省吾(sitor)

映画情報

©野田サトル/集英社 ©2026 映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

タイトル: 『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』
公開日:3月13日
出演者:
山﨑賢人
山田杏奈 眞栄田郷敦 工藤阿須加 栁俊太郎 塩野瑛久 稲葉友 / 矢本悠馬
大谷亮平 高橋メアリージュン / 桜井ユキ 勝矢
中川大志 ・ 北村一輝 ・ 國村隼
池内博之 木場勝己 和田聰宏 杉本哲太 / 井浦新
玉木宏 ・ 舘ひろし
原作: 野田サトル「ゴールデンカムイ」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
監督: 片桐健滋 ※片は旧字が正式
脚本: 黒岩勉
音楽: やまだ豊 出羽良彰
主題歌: 10-FEET「壊れて消えるまで」(UNIVERSAL MUSIC / BADASS)
アイヌ語・文化監修: 中川裕 秋辺デボ
製作幹事: WOWOW・集英社
制作プロダクション: CREDEUS
配給: 東宝
©野田サトル/集英社 ©2026 映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

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村上順一

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