俳優の味方良介が、ABCテレビ・テレビ朝日系「日10ドラマ」枠『50分間の恋人』(毎週日曜よる10時15分〜)に出演。ヒロイン・菜帆(松本穂香)の頼れる上司であり、優秀なキャラクターデザイナーの渋谷裕太を演じる。本作は、初共演となる伊野尾慧と松本穂香のW主演によるオリジナル脚本ドラマ。AIだけが親友の変わり者イケメンと、仕事に夢中な堅実女子――チグハグな二人の“ズレきゅんラブコメディ”だ。
味方は、舞台『熱海殺人事件』で5度の主演を務めるなど、演劇を自らの「軸」に据えつつ、近年はドラマ『教場』などの話題作で映像の世界でも頭角を現している。舞台で培った圧倒的な実力を持つ彼が、今作の「ズレきゅん」な世界観にどう挑んだのか。役作りから撮影現場での意外なアドリブ、そして俳優としての現在地を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

味方良介(撮影・村上順一)
あえて作り込まず、フラットな状態で臨んだ
――今回演じられる「渋谷裕太」という役どころについて、衣装合わせの段階ではどのようなアプローチを考えられたのでしょうか。
衣装合わせの際、監督やプロデューサーからは、伊野尾(慧)さん演じる晴流とは対照的な「通常だったらそっちを選ぶよね」と思われるような、王道で正統派のハンサムな上司像を作ってほしいというオーダーがありました。さらに「国民が憧れる上司になってください」とまで言われて(笑)。そんな人が本当にいるのかなと、最初はかなり頭を抱えました(笑)。
――「国民が憧れる上司」というのは、なかなか高いハードルですね。
そうなんです。自分の引き出しをいくら探しても、先輩はいても(会社勤めではないので)周りにそんな理想の上司はいなくて(笑)。考えた結果、あえて作り込まずに、一番肩の力を抜いた「フラットな状態」で演じることにしました。嫌味なくさらっと色々なことができる人間であれば、魅力的に映るのではないかと考えたんです。
――撮影にはどのような意識で臨みましたか?
基本的には台本を読み込み、どうすれば菜帆(松本穂香)を元気づけられるか、笑顔にできるかということだけを考えて現場に入り、あとは現場で松本さんと過ごす時間の中で、自然と形にしていきました。
――松本さんが制作発表会見で「味方さんがセリフの後に口笛を吹き出した」というエピソードを披露されていました。そのアドリブもその場で生まれたものですか。
あれは、シーンの中に流れる気まずい雰囲気をどうにか打破しようと思った瞬間に、ふと口笛が出てきたんです。本来はアドリブを連発するタイプではないのですが、松本さんが僕の芝居を面白がって、色々と引き出してくれる。それで「それならもっと行くよ!」という気持ちにさせられました(笑)。

味方良介(撮影・村上順一)
一つひとつの作品で得るべきものを得て爪痕を残していきたい
――今作は「ズレきゅんラブコメ」というポップな作風ですが、演じる上での「遊び」も多かったのでしょうか。
舞台のときは、稽古で構築したものを本番で変えずに演じることが多いのですが、映像作品はリハーサルが少ない分、その場の瞬発力が大事になります。今回は作品全体の空気がポップだったこともあり、繋がりを気にしすぎて守りに入るよりも、思い切って挑戦させてもらいました。スタッフさんには「(前後のカットと)繋がらないよ!」と迷惑をかけたかもしれませんが(笑)。ラブコメというジャンルだからこそ、できたことだと思います。
――味方さんでも、お芝居で迷うことはありますか?
終わった後に「あっ、そっちだったか」と思うときはたまにあります。ただ、その時はその時で自分の最善を尽くした結果なので、考えても仕方ないと割り切って次に進みます。ただ、そういった時間も大切です。すべてが順風満帆に進むわけではないからこそ、ちゃんと頭を使って深呼吸して立ち返る。自分にとって大切な時間だと思っています。

味方良介(撮影・村上順一)
――味方さんは、舞台『熱海殺人事件』で5度も主演を務めるなど、演劇を自らの軸に置いていらっしゃいます。舞台の経験で得たものとは何でしょうか。
毎年、自分が他で経験してきたこと――俳優としてはもちろん、プライベートでの経験なども含めて、年1回の『熱海殺人事件』に取り入れています。同じ役を演じても、年によって違うアプローチや発見があり、自分の引き出しが増えていく。すごく貴重な時間です。その引き出しはとても大切にしていますし、行き詰まったときに選択する「手札」として残っています。それがなかったら、たぶん仕事を続けられていないと思うので、本当にありがたい経験です。
――いま、俳優としての「現在地」をどう捉えていますか。
まだまだ登り始めた段階ですが、映像作品に携わるようになったこの数年で、一歩ずつステップアップできている実感はあります。その段がどれくらいあるのかは分かりませんし、自分の中でゴールを決めているわけでもありません。ただ、一つひとつの作品できちんと得るべきものを得て、爪痕を残していきたい。そのために、セルフプロデュースやマネジメントを意識しています。舞台という自分の「軸」を大切にしながら、映像での経験を肉付けして、最終的には舞台の世界も活性化させていければと思っています。

味方良介(撮影・村上順一)
(おわり)





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