髙橋海人©️2025「君の顔では泣けない」製作委員会

 芳根京子と髙橋海人(King & Prince)が10日、実写映画『君の顔では泣けない』(11月14日全国公開)の公開直前トークイベントに登壇。「芸能にご利益がある」として有名な赤城神社で開催された。水村まなみ役を演じた髙橋は、人生が入れ替わるという難題に対し、撮影中は自身の役作りに没頭し続けた苦悩を明かした。

 【写真】芳根京子&髙橋海人、映画『君の顔では泣けない』 大ヒット祈願!公開直前トークイベントの模様

 本作は、君嶋彼方氏のデビュー作が原作で、15年間、男性の体(陸)に女性の心(まなみ)が、女性の体(まなみ)に男性の心(陸)が入り込んだまま、成長していくという異色の「入れ替わりもの」。

 性別の違うキャラクターに15年間没入した髙橋は、撮影が終わるまでは「果たして自分のアプローチは合ってるのかと怖かった」と回想。その不安を乗り越えるために、髙橋は独自の基準を設定していたという。「芳根ちゃんの表情を見て引き出せたと思ったら自分的には合格にしました。そんな感覚を信じて演じていました」と、共演者である芳根の反応を、自身の演技の正解とするというプロフェッショナルな姿勢を明かした。

 髙橋は、難役と真摯に向き合っていたため、「撮影中は自分の役に対して向き合い散らかしていたので、脳みそのほとんどをまなみに取られる感覚があった」と告白。撮影が終了して取材で芳根さんと話す機会が増え、「やっと芳根ちゃんと人間としてお話が出来る、という感覚がある!」と喜びを表現した。これに対し、芳根は「撮影中はここまで不思議な方だとは思わなかった…」と、撮影後の髙橋の印象激変を明かし、場を和ませた。

 また、髙橋は『君の顔では泣けない』というタイトルに深く共鳴。「理解しやすいようで実は難解なタイトル。この言葉がどんな意味を持つのか、それを探る作業が楽しかった」と語り、15年間をサバイブする二人の姿を描いた本作に対し、生半可な覚悟では出演できないと感じたと話す。

 劇中の重要な舞台である喫茶店「異邦人」のセットでの撮影は、髙橋にとっても集中を要する難所だった。「仕草一つとっても集中しなければ隙が生まれる空間でバランスが難しかった。力を入れ過ぎるとやり過ぎだし、抜きすぎると残せない気がして。思い出しただけでもゾクゾクする…」と、見どころの場面として挙げた。

 多くのPR活動を共にしてきた芳根とはすっかり仲良しで、髙橋は「芳根ちゃんがいると元気が出るし、前日からワクワクする。明日芳根ちゃんDAYだ!と思って」と、共演への愛着をにじませた。

 本作の経験は、髙橋の価値観にも変化をもたらした。かつて「大喜利的要素があった」という「誰と入れ替わりたいか?」という質問に対し、今ではその重みを深く捉えてしまうようになったと話す。「完成した映画を観た時に陸のまなみ二人の表情を見た上で、誰かと入れ替わる可能性を考えた時に『ここは奪われたくない』と思うことこそが素敵なことで、自分の人生を生きられている証拠なのかもしれない」と、深い実感を込めて語った。

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