ソウルフルでチョコレートのような甘い歌声でファンを魅了した雪乃

ソウルフルでチョコレートのような甘い歌声でファンを魅了した雪乃

 [ライブレポート、17日、南青山]12年に本格派女性ボーカリストとしてメジャーデビューした雪乃(24)が17日、自身3度目となるワンマンライブ『雪乃 Birthday Live GROOVIN' NIGHT』を東京・南青山Future SEVENで行った。バンド編成による年に一度のワンマンライブ。ゲストに、スガシカオのサポートをきっかけに結成したブラスセクションFIRE HORNSを迎え、代表曲「Ran TiKi」や80年代ヒット曲メドレー、更に雪乃が23役演じカバーした世界的名曲「‪We Are The World ~ひとりで23人~‬」など全28曲を熱唱、訪れたファンを魅了した。ミュージックヴォイスではこのワンマンライブの模様を以下にレポートする。  【取材・村上順一】

 ダンサブルなBGMが流れる中、ステージ正面のスクリーンには雪乃のミュージックビデオ(MV)が映し出されている。開演時間が近づくにつれて徐々に客席が埋まっていき、始まる直前には超満員となっていた。FIRE HORNSの「NO LIFE, NO MUSIC」がフェードアウトすると、バックバンドの演奏と同時に雪乃が黒いワンピースにハット、更にタオルを肩に掛けた姿で登場した。

雪乃の真骨頂

雪乃

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 雪乃の「Welcome to the party」の掛け声で始まったナンバーは、1枚目のアルバム『VOCALIZE』から「NEVER CRY」。スカのテイストに雪乃のパワフルな歌声とブラスセクションによるゴージャスな演奏で、一気にアーバンな世界に引き込んでいく。続けて、同アルバムから「豹-PANTHER-」を演奏。タイトなバンドサウンドに、雪乃のシャウトも合わさり客席から歓声が上がる。

 「盛り上がって行きましょう」のMCに続いて演奏されたのは、14年6月にリリースされたミニアルバムの表題曲「A-エース-」。洋邦のテイストが絶妙にブレンドされたサウンドが心地良い。ネオヴィンテージサウンドと称される同曲は、雪乃の真骨頂ともいえる。そして、配信限定で15年1月にリリースされた「Chocolate Love」を『GROOVIN' NIGHT』スペシャルバージョンで披露。ソウルフルでチョコレートのような甘い歌声にファンも耳を傾け楽曲を聴き入っていた。

 この日は、まだリリースされていない楽曲「God Heaven」も披露された。5月からパチスロ「ゴッドイーター」で使用されている楽曲で、パチスロとライブでしかフルバージョンが聴けないレア曲だ。今までの雪乃のスタイルと違い、ゴリゴリのへヴィロックナンバー。その存在感ある太い歌声でフロアを盛り上げる。

ルーツにはロック

雪乃

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 MCを挟みFIRE HORNSのファンキーなインストを2曲披露。雪乃も白と水色を基調とした、夏らしいさわやかな衣装にチェンジ。CSIのテーマではファンと一緒に西城秀樹のヤングマンを彷彿とさせる腕文字で楽しませた。それに加え、雪乃の何とも楽しそうな笑顔が印象に残る。

 そして、メドレーコーナーに突入。前回は70年代のカバーメドレーで盛り上がったが、今回は80年代の洋楽ヒット曲を披露。「盛り上がっちゃおうぜ。1.2.3.4」のカウントで始まったのはニューウェイブの草分け的バンドa-ha(アーハ)の「Take On Me」。他にもシンディローパーの「Girls Just Want To Have Fun」や幼少の頃から歌っていたというAerosmithの「Dude」など11曲を熱唱。ヒットソングメドレーに客席もスタンディングで盛り上がった。ソウルやジャズのイメージがある雪乃だが、このメドレーを聴いているとやはりルーツにはロックがあると記者は感じた。

 ここで、突如と「Happy Birthday to you」をバンドが生演奏。サプライズに感動したが、段取りがイマイチだったため途中で笑ってしまう雪乃。客席からの「ハッピーバースデー雪乃」の掛け声に合わせてFIRE HORNSサックスのJuny-aが花束をプレゼント。バースデーライブらしい演出でステージもフロアもお祝いモードで盛り上がった。

和製マリーナ・ショウ

雪乃

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 後半戦では、「極彩色トワイライト」、「Driveway」、そして、TV東京系アニメ『幕末義人伝 浪漫』のオープニングテーマ曲に起用され話題となった人気曲「Ran TiKi」を立て続けに演奏。「Ran TiKi」のアカペラのセクションではそのソウルフルな歌声に圧倒された。ライブ終盤になっても勢いは衰えない。そして、怒濤のセットリストでボルテージは最高潮に達し、最後は「Magic hour」を伸びやかに歌いきりステージから去った。

 アンコールの手拍子がフロアに鳴り響くと、再びバンドメンバーとステージに戻ってきた雪乃。今年の1月に雪乃が23人を歌い演じたUSA for Africaの「‪We Are The World ~ひとりで23人~‬」を披露。USA for Africaのオリジナルが発表されてから30年という節目にYou Tubeに公開した。雪乃は1人1人の特徴をよく捉えていて映像も含め非常に完成度が高い。そして、「盛り上がってくれなきゃ困っちゃうぞ」と最後に「恋はやめられない」を披露し、約2時間のステージの幕を閉じた。

 そのスモーキーでソウルフルな歌声は和製マリーナ・ショウのようだった。類い稀なる歌唱センスとパフォーマンスで終止観る者を惹き付ける。そして、笑顔からライブを純粋に楽しんでいる様が十二分に伝わってくるステージであった。MCでの愛嬌のあるキャラクターも、歌っている時とのギャップがあって好印象。この先どのようなシンガーに成長していくのか非常に楽しみだ。

セットリスト

1.Never Cry
2.豹-PANTHER-
3.A-エース-
4.マボロシノアイ
5.Chocolate Love
6.Boy for me~うわごとみたいに好きと言って~
7..恋しくて
8.Betty 
9.God Heaven 
10.SPEED (FIRE HORNS)
11.WHO ARE YOU (CSIのテーマ)(FIRE HORNS) 
12.80sメドレー Take On Me~Girl Just Want To Have Fun ~You Can't Harry Love~Venus~SATURDAY NIGHT~Don't Stop Me Now~The Power Of Love~Dude(Looks Like A Lady)~Born To Be Wild~Sir Duke~Get It On 
13.極彩色トワイライト
14.Driveway 
15.RanTiKi  
16.Magic hour [Encore]
17.We are the world 
18.恋はやめられない

メンバー

Vocal:雪乃
Drums:渡辺雄一 Bass:河東巧磨 Guitar:矢萩 暁 Keyboards:板倉真一
Brass:FIRE HORNS

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