NHKで放送中の音楽コンテンツ『tiny desk concerts JAPAN』。来る6月30日午前0時25分(日曜深夜)、NHK総合で放送される回に、アーティスト・ちゃんみなが登場する。今回は、『tiny desk concerts JAPAN in schools ちゃんみな』と題し、番組史上初となるNHKオフィスを飛び出しての外ロケを敢行。会場となったのは、東京大学の情報学環・学際情報学府内にある「学環コモンズ」だ。そして今回、『tiny desk』では初となる観客からのQ&Aコーナーも実施され、ちゃんみなが東大生からの率直な質問に真摯に向き合った。

 【写真】東大で収録された「ちゃんみな」が出演する『tiny desk concerts JAPAN in schools』の模様

■『tiny desk concerts JAPAN』が東京大学に上陸

 「tiny desk concerts」は、米NPR(National Public Radio)が2008年にインターネット上でスタートさせた音楽コンテンツだ。“小さな机で行うライブ”というユニークな発想が瞬く間に世界中でブームを巻き起こし、テイラー・スウィフトやBTSといった世界的アーティストも数多く出演してきた。

 その「本家」のライセンスを受け、NHKでは2024年に『tiny desk concerts JAPAN』が始動。藤井風を皮切りに、B'zの稲葉浩志らが出演し、大きな反響を呼んだ。現在、2025年4月からはSeason2がスタートしており、ASKAや石川さゆりといったレジェンド級アーティストの登場も話題となっている。

 今回のライブ会場となった学環コモンズは、東京大学情報学環・学際情報学府の全メンバーが利用するコミュニティスペース。PAスピーカーを使用しない「生声」でのパフォーマンスという、まさに『tiny desk』のコンセプトを体現する稀有な体験が実現。約40人の東大生を観客に迎え、アーティストと観客の距離が極めて近いのもこのライブの大きな特色だ。

■「言葉」と「音」が織りなす、ちゃんみなの生音体験

 観客の拍手に迎えられるなか、ちゃんみなが登場。「生きててこんなことがあるだろうか」と東大生を前に喜びの声を漏らすちゃんみな。コンサートは「NG」幕を開けた。椅子に腰掛け、メッセージ性の強いリリックを届けていくちゃんみな。徐々に熱を帯びていくパフォーマンスは圧巻だ。今回のセットリストはメッセージが強い楽曲が選ばれており、さらに、今回の収録に合わせて施された特別なアレンジによって、それぞれの楽曲の新たな一面が引き出されていた。特にこの「NG」は、新しいアプローチに本人も発見があったようだ。

■東大生からのシビアな質問にも真摯に回答「このステージがいつも最後だと思いながら」

 ここで、本コンテンツでは初の試みとなるQ&Aコーナーが実施された。学生からのシビアな質問にも、ちゃんみなはシンガー、そして表現者としての揺るぎない姿勢で真摯に答えていく。表現することの意義、SNSやハラスメントの現状について語る彼女の言葉は、非常に充実した内容だった。「このステージがいつも最後だと思いながら歌っている」という言葉は、プロフェッショナルな覚悟を感じさせ、きっと学生たちにも響いたはずだ。

 机に置いてあったハサミと紙を手に取り、器用にハート型に切り抜くちゃんみな。そんな和やかなムードの中、恋をしている人たちに向けて歌われたのは5月30日にリリースされた「I hate this love song」。映画『か「」く「」し「」ご「」と「』の主題歌で、ちゃんみな自身の初恋の経験がベースになっているナンバーだ。目を閉じれば歌詞の情景が思い浮かんでくるようなラブソングに心をグッと掴まれるようだ。

 ちゃんみなは学生たちへ力強いメッセージを送った。「すごく楽しかったです。あなたたちがこれからの日本を救っていくんだろうな。頼りにしています。素晴らしいこの国をよろしくお願いします」。

 この言葉の真意について、収録後の取材で彼女はこう明かしてくれた。「いま何かを学んでいる方は、何かゴールがあって学んでいると思うのですが、自分のためだったものが、いつの日からか人のためになるタイミングが来ると思います。何かを真剣に学んでいる姿勢自体が、この日本だったり、未来を変えていく一つのツールだと思うので、そういった方を全力で応援したい」と。

■東大生が思う「努力」とは何か

 収録後にちゃんみなは囲み取材に応じた。

 歌唱を終えたちゃんみなは「楽しかったです。直接みんな(バンドメンバー)の音が聞けるのが新鮮。家で歌っているのに近かった」と、普段とは異なるコンサートの喜びを伝えた。

 東大生は自分にとって「雲の上の存在」と語るちゃんみな。実際に東大生と言葉を交わしてみて、「事前に考えて来てくれたのが伝わって来た」と嬉しそうに話す。

 そんな彼女が今、東大生が思う「努力」とは何か気になっているという。「勉強することに対して、どのように努力してきたのか。それに夢中になっているというのもあると思うが、そうした人たちが考える“努力”について聞いてみたい」と、好奇心を覗かせた。

 実は弁護士を目指していた時期もあったというちゃんみな。「もし東大に入れたら何を勉強してみたいか?」という問いに、「法律」と回答。口喧嘩が強い自分が法律を身につけたらどこまで強くなれるのか興味があるとちゃんみならしい理由を語った。他にも経営学や生物学にも関心があることを明かした。

 最後に、「私が出来ないことをやっていらっしゃる方々、すごく尊敬している方々なので、触れ合えることがとても光栄でした」と、東大生への敬意を込めて締めくくった。

<出演> 

Vo:ちゃんみな CHANMINA
Gt:岡村夏彦 Okamura Natsuhiko
Key:コイチ  Koichi
Ds:吉田雄介 Yoshida Yusuke
Bass:村田シゲ Murata Shige
Cho:ワタナベメイ Watanabe Mei
Cho:REJAY(読み:リジェ)

【tiny desk concerts JAPAN in schools ちゃんみな 放送予定】

▼国内放送
6月30日(月)0時25分-0時54分(日曜深夜)総合テレビ
※NHKプラスでの同時・1週間の見逃し配信あり

▼海外放送

6月29日(日)11時10分〜11時39分、19時10分〜19時39分 NHK WORLD JAPAN
6月30日(月)0時10分〜0時39分、6時10分〜6時39分 NHK WORLD JAPAN

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