結木滉星

 芥川賞作家・村田沙耶香のベストセラー小説「消滅世界」が、今秋に実写映画化される。MTV出身の気鋭の映像ディレクター、川村誠が初監督・初脚本を手掛ける本作で、俳優の結木滉星が、主人公・雨音(蒔田彩珠)と同じ高校の同級生・水内を演じる。

■「日本の未来を予言する小説」が待望の映画化

 原作の「消滅世界」は、累計170万部を突破した「コンビニ人間」直前に発表された長編小説だ。超少子化が進み、「性」が消えゆく世界を舞台に、激動する「恋愛」「結婚」「家族」のあり方に翻弄される若者たちの姿を描いている。各メディアで「日本の未来を予言する小説」として大きな話題を呼んだ本作を、川村誠監督が独自の映像センスとオリジナリティ溢れる演出で描き出す。

■結木滉星、恋愛対象が二次元の役に挑戦

 主人公・雨音役を蒔田彩珠が、その夫である朔役を栁俊太郎が演じるほか、豪華キャストが名を連ねる本作。その中で結木滉星は、雨音と同じ高校の同級生・水内(みずうち)を演じる。水内は、恋愛対象として二次元のキャラクターに好意を抱くという、非常に難しい役どころだ。

 結木滉星は、今回の役柄について以下のようにコメント。

 原作を読ませていただき、作品の世界観に強く引き込まれたのを覚えています。同時にそう遠くない未来、このような世界になるのかもしれないなと少し恐怖に近い感覚も覚えました。僕が演じた水内という役は恋愛対象が人ではなく2次元のキャラクターで、この世界に一番順応している役どころだと感じました。僕自身とは凄くギャップのある役柄で何度も原作を読ませていただき、水内に寄り添えるよう努めました。

 個人的に何の違和感も抱かずその世界に適応していく水内が実は一番「異常」なのかもしれないと思いながらも、水内にとっての「正常」を追い求めて撮影に臨みました。色んな解釈ができる作品だと思います。是非、劇場でご覧いただきたいです。

■個性豊かなキャスト陣が織りなす「消滅世界」

 雨音の親友・樹里役を恒松祐里、樹里の夫・水人役を富田健太郎、雨音の元夫・正信役を清水尚弥が演じ、物語に深みを与える。さらに、雨音の母・雫役には霧島れいか、朔の彼女・深雪役には松浦りょう、実験都市エデンで生殖を司る医師役には山中崇、エデンの管理人役には眞島秀和、謎の少年役には岩田奏といった実力派俳優陣が集結。それぞれが「消滅世界」の住人として、独特の存在感を放ち、物語をより一層盛り上げる。

 映画「消滅世界」は、この秋全国公開予定。

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