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WEST.の7人が主演を務める映画『裏社員。-スパイやらせてもろてます‐』が5月2日に公開。昨年行われた大阪松竹座の舞台『WEST. 10th Anniversary 大阪松竹座公演』の千穐楽で、WEST.7人全員が主演する映画の製作が発表されたのも記憶に新しい。本作は、『劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』を手がけたコメディの名手・瑠東東一郎氏が監督を務める。主演のWEST.の7人に加え、恒松祐里、森香澄、剛力彩芽、竹中直人ら盤石なキャスト陣が脇を固める。
表向きには解決できない問題を秘密裏に処理する「裏社員」と呼ばれる会社員たちが、複合商業施設建設のためシャッター商店街を取り壊すという社命のために奮闘する姿を描く痛快アクションコメディ。
インタビューでは、WEST.の桐山照史、重岡大毅、藤井流星の3人に、本作の撮影秘話、ウルフルズのトータス松本が手掛けた主題歌「ウェッサイソウル!」について、メンバーの仲の良さの秘訣を聞いた。
長く続けてこなければできないような作品に巡り合えた
――それぞれどんな役柄になっていますか。
桐山照史 僕が演じる阿川建設の裏社員・宴はあることをきっかけに、人を信用しなくなり、一匹狼になるところから物語はスタートします。一匹狼なのですが、7人の中では唯一のツッコミ役みたいなところがあって、“Go My Way”といった感じで、自分の道をつき進んでいく。一見クールに見えるのですが、ボケにはすぐにツッコむといったお笑い要素もある役で難しいところもありました。
藤井流星 僕は阿川建設とライバル関係にある川端建設の裏社員・チャラを演じました。名前の通りチャラチャラしているのですが、実はとてもまっすぐな人物です。割とパワー系の役で、現場ではノリ重視みたいなところが多かったです。
重岡大毅 僕が演じるのは商店街の住人・陽一郎です。陽一郎は“熱血男”みたいな感じなので、僕以外の6人もキャラが立っているので、パワー負けしないように、ガッツがあるところを大事に演じました。また、瑠東東一郎監督は僕のデビュー作の監督でもあり、いま僕が出演している『モモコのOH!ソレ!み~よ!』という番組で昔ディレクターをやられていて、一緒にロケにも行きました。信頼関係もあるなかでの撮影でした。
――今回7人一緒にやられてみて、それぞれの役をどのように感じていましたか。
桐山照史 流星はWEST.メンバーの中でそんなに口数は多くはない方なのですが、今回、底抜けに明るくてチャラチャラした役だったので、普段とのギャップがありました。また、(中間)淳太は普段ツッコミ側なんですけど、役ではボケキャラだったので、普段と違うなと思いながら見ていました。
重岡大毅 それぞれメンバーが持っているパーソナルな部分と、役柄がとても絶妙です。たとえば濵田(崇裕)演じる詳敷は言葉を選ばずに言うと、賢いところもあるけど、粛々とアホなんです(笑)。
桐山照史 監督が淡々とアホなことを言うみたいなことを、最初の本読みのときに言っていたのを覚えています。僕らは濵田と一緒にいすぎて、慣れてしまって麻痺しているのですが、他人から見たらそう見えているのかなと。ボソッと言うことが的を射ていないので、すごくおもしろいなと思いました。
藤井流星 それぞれ独立した関係性でしたが、僕はジン(中間淳太)とのコンビ感が強かったので、演じていて面白かったです。チャラはジンを崇拝しているところがあるのですが、普段淳太にリスペクトこそあるけど、崇拝したことはなかったので、新鮮で面白いなと思いました。
――7人全員で主演映画の意義など、いま皆さんはどんな風に感じられていますか。
桐山照史 僕らが小さい頃にV6さん、嵐さんがやられているのを見ていました。いま自分たちがその土俵に立っているというのは、とても感慨深いです。メンバー7人とファンのみなさんと10年、共に歩んできたからこそ出来た映画だと思いました。
重岡大毅 とてもありがたいお話で、7人一緒というのはNetflixのオリジナルドラマ以来です。松竹さんにもとてもお世話になっていて、ぜひ!という気持ちでした。
藤井流星 しかも瑠東東一郎監督で、僕らが小さい頃からお世話になっていて、この作品とは出会うべく出会ったんじゃないかなと思います。
重岡大毅 長く続けてこなければ、できないような作品に巡り合えて本当に嬉しかったです。WEST.になじみのない人たちにも楽しんでいただける映画にしたい、と思いながら撮影していました。
藤井流星 また、初めて僕らのことを観た人にも伝わる、7人のいい空気感、7人だからこそのやり取りも楽しんでもらえたら嬉しいです。
メンバーが帰るの早かった(笑)
――メンバーと共演して新たな発見はありましたか。
桐山照史 みんな個々にいろいろなところで揉まれてきて、久々にメンバーで会ったとき小瀧のスタンバイが誰よりも早いことに気づきました。まだスタッフさんとカメラマンさんが決めている段階でも小瀧は自分の位置で待っている。それは彼のポリシーだと思うのですが、人一倍真面目な部分が見えたのは発見でした。
藤井流星 僕は淳太のアクションです。今回、淳太が演じたジンは、登場人物の中でもかなり強い位置づけの役です。しかも強さの方向がフルパワーで殴るとかそうではなくて、テクニカルでプロフェッショナルな殺陣といった感じでした。僕はそんな強さのある淳太を初めて見ましたし、ファンのみんなもきっと新鮮だと思います。
――撮影で印象的だったことは?
桐山照史 宴がライバルとバトルをするシーンがあって、僕以外は夕方ぐらいに終わったんです。僕はそのあとも深夜の2時、3時まで撮影することになっていたので、もしかしたらメンバーの誰かちょっと残ってくれるのかな? と期待していたのですが、みんなさっさと帰りました(笑)。
藤井流星 気を遣わずに帰れてしまうのも、7人のいい空気感がなせることだと思います(笑)。
トータス松本さんの渋さに少しでも近づけていけたら嬉しい
――さて、主題歌の「ウェッサイソウル!」はトータス松本さんが作詞・作曲、ウルフルズがサウンドプロデュースですが、曲を聴いていかがでした?
重岡大毅 最高でした。ウルフルズさんは僕も好きですし、メンバーも好きなんです。よく覚えているのが、主題歌について教えに来たときのスタッフさんの顔がウルフルズさんの、「ウル…」まで出ている顔で(笑)。
桐山照史 もう、早く言いたすぎて、顔に出てしまっているみたいな(笑)。スタッフさんも「やった!」と喜んでいたんじゃないかと思います。
重岡大毅 どんな楽曲なんだろうと、とてもワクワクしていました。僕らの男っぽい感じと、ファンキーなトータスさんの曲が最高なので、早くみんなにも聴いてほしいです。
――レコーディングはいかがでした?
桐山照史 最初仮歌を聴いて歌うのですが、この仮歌もトータスさんが入れてくださっていて、それも最高でした。同じように歌いたいのに歌えないんです。トータスさんの渋さとソウル感がすごすぎて真似できない。
藤井流星 ただ、WEST.の声になった時に、トータスさんとは少し違う角度で、僕らは明るくパワフルみたいなところがあるんだ、とレコーディングした歌を聴いて思いました。また、この曲を歌い続けていくうちに、トータスさんの渋さに少しでも近づけていけたら嬉しいです。
重岡大毅 サウンドプロデュースはウルフルズさんなのですが、完全にウルフルズさんにトラックはお任せだったようで、サンコンJr.さん、ジョンBさん、ウルフルズさんのメンバーが弾いたトラックに、僕ら7人が歌えたというのも最高でした。
桐山照史 また、トータスさんは映画にも出演してくださっていて、そのとき僕がご一緒したんですけど、撮影していたら、何かひらめいたのか「わかった!」とそこからまた楽曲をブラッシュアップしてくださって。撮影で何か掴んだ様子で、「これは絶対にいいのができる」と仰っていたのが、とても印象に残っています。
重岡大毅 かっこいい!
藤井流星 現場の空気感から何か感じてもらえたところがあったのかな?
桐山照史 おそらくそうだと思う。「絶対にいいのができる」という言葉を聞いたとき、すごく嬉しかったです。
いい距離感から生まれる空気感
――大阪を初めいろいろな地方でロケをされていたとのことですが、印象に残っていることはありますか。
重岡大毅 大阪と東京では街の人たちの雰囲気が全然違いました。大阪は撮影しているとすごく喋りかけてきます。撮影は東京のスタッフさんが多かったのですが、大阪の人たちがあまりにもグイグイ来るので、スタッフさん、若干引いてましたから(笑)。
藤井流星 僕はランチが印象に残っています。7人で撮っているので、時間が空くときが結構あり、ランチにゆっくり行けることもありました。当時いい定食屋さんを見つけるのが趣味になっていて、変わった魚がある定食屋さんとか良かったです。
桐山照史 そうそう。あと撮影現場の裏に担々麺屋さんがあって、みんなが美味いと言っていたので僕も行ってみました。前に行ったメンバーの誰かがお店のご主人と仲良くなっていたのか、僕をそのメンバーと間違えているみたいで、すごい喋りかけてきて(笑)。おもしろかったのが、担々麺を頼んでご主人が、「わかった!」と言ってから、なぜか本を読みはじめて、料理が来ない(笑)。撮影の時間が迫ってきて焦ったのですが、味はとても美味しかったです。
――さて、7人がとても仲が良いのが伝わってきますが、最後にチーム円満の秘訣があれば教えてください。
桐山照史 僕はいい距離感かなと思います。すごくくっつくわけでもなく、離れるわけでもない絶妙な距離感。デビューして11年ですが、もっと前から知っているメンバーもいて、長い人だと20年ほど一緒だからこそできる空気感かも知れないです。
藤井流星 やっぱり10年以上も一緒にいるとわかる何かがあります。逆にプライベートではみんなが何をしているかほとんど知らないのですが、仕事で会うことも多いですし、楽屋でもたくさん喋るので、そういうところなのかなと思います。
重岡大毅 言葉にできない距離感。まさに監督はWEST.のそういうところを撮ろうとしてくださっていました。台本とは全く違う会話劇になっていたりするところもあって、台本にはない部分もたくさん増えました。
桐山照史 昨年の舞台『WEST. 10th Anniversary 大阪松竹座公演』を監督が観にきてくださって、その時のMCが自分たちもおもしろかったんです。監督はそれを撮りたかったと仰っていめ、僕らはそういうのは得意なので、「任してください」と自信満々だったのですが、いざカメラが回ったら全然できなくて(笑)。
一同 爆笑
桐山照史 監督も「なんか違うなあ?」って。僕らも何か違うのはわかっていて、WEST.は野放しがいいのかもしれませんね。
(おわり)
作品概要
・タイトル:「裏社員。-スパイやらせてもろてます‐」
公開日:2025年5月2日(金)
監督:瑠東東一郎
脚本:我人祥太、モラル
制作:松竹撮影所
配給:松竹
主演:WEST.(重岡大毅、桐山照史、中間淳太、神山智洋、藤井流星、濵田崇裕、小瀧望)
出演:恒松祐里、森香澄、剛力彩芽、藤原紀香、竹中直人、赤井英和、田中美央、有野晋哉(よゐこ)、永田裕志(新日本プロレス)、ハイヒールモモコ、トータス松本(ウルフルズ)
主題歌:WEST.「ウェッサイソウル!」 (作詞・作曲:トータス松本 サウンドプロデュース:ウルフルズ)
コピーライト:©2025「裏社員。-スパイやらせてもろてます‐」製作委員会
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