「パリピ孔明」名だたるアーティストが手掛けたドラマの名曲たちを振り返る
累計発行部数240万部突破の漫画(講談社「ヤングマガジン」連載中)を実写化したテレビドラマ「パリピ孔明」の映画化『パリピ孔明 THE MOVIE』が4月25日に公開される。
三国志の天才軍師・諸葛孔明(向井理)が、なぜか現代の渋谷に転生。アマチュアシンガー月見英子(上白石萌歌)の歌声に心奪われた孔明は、英子とともに音楽の力で<天下泰平>を目指す。そんな中、日本を代表する3大音楽レーベルが頂点を競う、史上最大の音楽バトルフェスの開幕が決定し、孔明と英子も参戦することに。だが、二人の前に三国時代の孔明の最大のライバル司馬懿の末裔・司馬潤(神尾楓珠)とshin(詩羽)の兄妹が立ちはだかる―。
ドラマ放送当時、登場人物たちのキャラの濃さや本格的な楽曲とライブシーンが話題を集め、最終話ではSNSトレンド1位を獲得するなど大きな反響を呼んだ。今回は、放送されるたびに注目を浴びたドラマの名曲たちを振り返る。
■上白石演じる英子の代表曲「DREAMER」と「Time Capsule」
「DREAMER」はシンガーソングライター幾田りらが書き下ろし、上白石と幾田の初のタッグが実現した楽曲。孔明の策略により、超大型音楽フェス「サマーソニア」に出演するためのビックチャンスを掴み取った英子。しかし、出演する条件はSNSで「10万イイネ」をもらうこと。周りからの助言もあり、出演権を獲得するために自作曲を手掛けることにした英子だが、レコーディングスタジオで長岡亮介演じる世界的な編曲家・スティーブ・キドから“君の歌から君が伝わってこない”と言われてしまい途方に暮れてしまう。そこで英子は同じく音楽活動をする八木莉可子演じる久遠七海に悩みを打ち明け、自分以外にも苦悩や葛藤と向き合いながら、それでも希望を抱き、夢を追い続ける人がいることを知る。そこから英子は自分らしく楽しく歌うことの大切さに気づき、楽曲を完成させ、孔明や周りの支えもあって見事「サマーソニア」の出場権を獲得することに成功した。
そして、英子の2曲目のオリジナル曲となる「Time Capsule」は、作詞・作曲を4人組ロックバンド・andropのボーカル兼ギターの内澤崇仁、編曲をandropが担当。大切な誰かとの出会いを歌った前向きになれる歌詞と心地よいメロディーが優しく包み込むような、心に響くポップチューンに仕上っている。英子はミュージシャンの父が夢を掴むために家を出たことで、英子の歌手になる夢も反対していた母と関係が悪くなってしまい、家出した過去があった。英子は過去と向き合うため、地元へ帰省し、幼い頃に埋めたタイムカプセルを見つけることに。苦戦しながらも探し出したタイムカプセルの中には一本のカセットが。そこには、英子が歌手になることを応援していた母の声が残されていた。英子は湧き出る家族への想いを歌に乗せ、「Time Capsule」という楽曲が生まれた。
■女王蜂のアヴちゃん演じるマリア・ディーゼルの代表曲「I'm still alive today」
「I'm still alive today」の作曲は、安室奈美恵や三浦大知など、人気アーティストに楽曲提供をしてきた作曲家兼音楽プロデューサーの今井了介。ドラマのためにアヴちゃん自らが作詞を書き下ろした。ドラマ初出演のアヴちゃんが好演した、世界的なシンガーのマリア・ディーゼルは、人生に悩んでいた高校時代の英子を歌声で魅了し、英子にとって生きる活力を与えてくれた憧れの人物となる。同曲はマリア・ディーゼルが力強く歌唱するほか、英子、久遠七海、そして最終回にはマリア・ディーゼルと英子がデュエットして歌うなど、ドラマでも重要な楽曲として役割を果たした。
■関口メンディー演じる前園ケイジの代表曲「SO SO」
「SO SO」はSnow ManやJO1、BE:FIRSTをはじめ、多数の作品を手掛けてきた日韓プロデューサーユニット・PURPLE NIGHTが作詞・作曲を、米津玄師やMISIAの振り付けを手がけた辻本知彦がダンスの振り付けを担当した。アップテンポでポップな曲でありながら、強めなビートが特徴的だ。メンディー演じる前園ケイジは、作詞・作曲・振り付けまで、全てを自らこなし、抜群の歌唱力とクールな踊りで多くのファンを魅了するスーパーアーティスト。同曲では“王者の風格”を表すような、パワフルで圧倒的なダンスパフォーマンスも披露しており、圧倒的な存在感を放っている。「サマーソニア」に向けて準備をする孔明と英子の前に立ちはだかり妨害を図るが、孔明の計略によってゴーストライターを雇っていることが世間にバレてしまい業界から干されてしまう羽目に…。
■八木莉可子演じる久遠七海が率いるアイドルユニット、AZALEAの代表曲「No Future But Go To Future」
「No Future But Go To Future」の作詞・作曲は、浜崎あゆみやDREAMS COME TRUEなど多数のアーティストのサウンドプロデュースを手がけるCMJK、ダンスの振り付けは同曲でも辻本が担当した。ポップで耳に残るループ・ソングに加え、シンプルな振り付けのロボットダンスや音楽に乗りやすいリズムのステップが特徴的なダンスを披露している。八木演じる久遠七海は、路上ライブで英子と出会い、デュエットするほどに仲良くなるが、実は英子と同様に「サマーソニア」への出演を目指す「AZALEA」のベースボーカルという別の顔を持っていた。もともと三人組のバンドとして活動していたものの芽が出ることはなく、売れるためにある音楽プロデューサーの誘いに乗り、仮面アイドルユニットとして活動を開始。同曲の発売で一躍話題になる。しかし久遠は、自分たちのやりたい音楽が出来ずに悩んでおり、英子の歌声に救われることに―。
■森崎ウィン演じるRYOが率いる3人組のインディーズバンド、JETJACKETの代表曲「MID DAY」
「MID DAY」の作詞・作曲は、RIP SLYMEなど様々なアーティスト作品に参加し、Kenta Dedachiのサウンドプロデュースも手掛けるKOSENが担当。森崎演じるRYOは、「JET JACKET」のギターボーカルを務め、責任感が強く、負けず嫌いで特に音楽に対して熱い男。持ち前のハイトーンボイスを生かし、疾走感溢れるナンバーに仕上がった同曲が、インディーズながら動画サイトで500万回再生を記録し、人気バンドの仲間入りとなる。英子とはアートフェスライブで対バンをすることになり、孔明の見事な策略に翻弄されてしまう…。
■菅原小春演じるミア西表の代表曲「Running out」
「Running out」の作曲は、Friday Night Plansへの楽曲提供や御厨響一さん(鋭児)とのユニット・鯱としての活動でも知られるトラックメーカー・Dr.Pay、作詞はデビュー曲『Gyal Drill』で話題を集めた新鋭シンガー/ラッパーのMEZZが担当。世界的ダンサーとして知られ、振付師としても活躍している菅原が演じるミアは、ハイレベルなダンスパフォーマンスと歌唱で注目を集め、SNSフォロワー数10万人超えの人気シンガー。同曲は、ミアのライフスタイルを感じさせる楽曲となり、大都会に生きるタフでクールな女性のプライドと欲望をエッジなビートに乗せている。孔明と英子とは同曲を披露したライブハウスで出会う。ミアは視察に訪れた英子を、自身が出演する週末イベントに誘うが、同じタイムテーブルでセッティングすることで当て馬に利用しようとしていた。しかし、孔明の策で逆に英子の踏み台にされてしまう…。
劇場版にはレギュラーキャストが引き続き出演し、英子が歌う3人組ロックバンド「Saucy Dog」のボーカル・石原慎也が作詞・作曲を手掛けた「Count on me」など、さらなるオリジナル曲を披露している。舞台となる【ミュージックバトルアワーズ2025】では、9人組グローバルグループの&TEAMや、三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのメンバーでソロとしての活動も話題の岩田剛典、22年連続でNHK紅白歌合戦に出演の人気演歌歌手の水森かおりも参戦し、総勢50名以上の多彩なアーティストが大集結し、かつてないスケールの<フェス映画>が爆誕する。