INTERVIEW

馬場ふみか×佐藤瑠雅

“囲炉裏”がつなぐ年の差恋愛「アリスさんちの囲炉裏端」共演秘話


記者:村上順一

写真:村上順一

掲載:25年01月21日

読了時間:約10分

 俳優の馬場ふみかと佐藤瑠雅が、ドラマ『アリスさんちの囲炉裏端』(1月7日よりBS-TBS他で順次放送・Leminoで先行独占配信スタート)に出演。馬場ふみかは10年ぶりに東京から田舎に帰ってきて囲炉裏のある古民家に一人暮らしをする主人公・水瀬アリス、佐藤瑠雅はアリスとの久々の再会にドキドキしている幼馴染の高校生・森山晴海を演じる。本作はキナミブンタ氏の原作漫画を実写化した作品で、囲炉裏が繋ぐピュアな年の差恋愛と癒しと美味しさがたっぷり詰まったグルメドラマ。【グルメ】と【年の差恋愛】をテーマにした唯一無二の物語となっている。インタビューでは馬場ふみかと佐藤瑠雅の2人にお互いの印象から、どのように役へアプローチしたのか、撮影での思い出について話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

 【写真】馬場ふみか×佐藤瑠雅、撮り下ろしカット

予想していたアリスと違った

――出演が決まった時の心境は?

馬場ふみか これまでほのぼの系の作品をやってきていないので、展開が早い作品とか、人の黒い部分が見えるような作品が多かったので、今回のような作品のオファーが自分に来たのはすごく驚きました。また、お料理を作るシーンがあるので頑張らなければと思いました。そして、美味しいお料理がたくさん登場するので、それを撮影で食べられることがとても楽しみにしていました。

馬場ふみか

――プライベートで料理はされますか。

馬場ふみか しません(笑)。クランクイン前に、お料理を監修してくださる先生のご自宅で、今回作る料理を作ってみようとなり、第1話で登場するサンドイッチを作ったりしました。

――佐藤さんは出演が決まった時の心境は?

佐藤瑠雅 まず、主演が馬場ふみかさんで驚いて、23歳の僕が高校生役というのを聞いて、2度ビックリしました。出演が決まってから原作を拝見して、ほのぼのした環境で育つおじいちゃん子の高校生役を自分にできるかな? といった不安も少しありました。

――撮影で楽しみにしていたことは?

佐藤瑠雅 楽しみにしていたことは京都・綾部市での撮影です。撮影期間は1ヶ月弱ほどだったのですが、そういった撮影は初めてだったので、とても楽しみにしていました。

――初共演ですが、撮影をしていく中で、初めて会った時から印象が変わった部分はありましたか。

馬場ふみか 初めて会った時は少年っぽさが強くて、衣裳合わせの日に初めてお会いしたんですけど、「あっ、少年が入ってきた」みたいな感覚でした(笑)。それもあって最初に「20歳は超えていますか?」って聞いた気がします。

佐藤瑠雅 聞かれた気がします(笑)。

佐藤瑠雅

馬場ふみか その日はほとんど会話を交わさず、次に会ったのが撮影の日でした。いろいろしゃべりましたが、とても元気な人という印象でした。でも、役柄とは全然違う雰囲気だなと思いました。

――佐藤さんは馬場さんと初めて会った時の印象はいかがでした?

佐藤瑠雅 初めてお会いした時は、とてもかっこいい女性だと思いました。僕がちょっと人見知りなので、監督など皆さんがいるところで一番端っこに座ったんです。それを見た馬場さんが、「そんな遠くに座ってないで、こっちに来れば」と言ってくださってありがたかったです。

――導いてくださったんですね。撮影が始まってからはいかがでした?

佐藤瑠雅 原作を読んで撮影に臨んだのですが、僕が予想していたアリスとは違ったアリスを馬場さんは演じられていたのでビックリしました。僕は役者の経験があまりないので、馬場さんのお芝居を見て、学んでいけたらなと思いながら迎えた撮影初日でした。僕は馬場さんの佇まい、現場での在り方など、そういったものを盗みたいと思っていたので、ずっと観察していました。

――最初に想像したアリスはどんなイメージだったのでしょうか。

佐藤瑠雅 ふんわりした雰囲気で、大人の女性というよりは女の子みたいなイメージでした。親しみやすいお姉さんといったニュアンスです。いろんな経験を経て、高校生にはない独特な雰囲気の持つ女性で、ちょっと不思議なところも感じられたので、「そう来るか!」と思いました。アリスが家に帰ってくる時の歩き方も印象的でした。

――ただ温かいお姉さんというだけではない、何か背景がある雰囲気が馬場さんから醸し出されていました。原作とは少し違うアリスというのは監督と相談して調整された部分もあったのでしょうか。

馬場ふみか 自分で考えました。ただ、なぜアリスが囲炉裏端の家に帰ってきたのか、そういった背景など大事にしようというのは監督と話し合っていました。ただ田舎暮らしが楽しいから帰ってきたわけではなく、東京での生活やこれまでの人生みたいなものを大事に演じたいと考えていたので、自然とそういうアリスになったのかもしれないです。

――年上という役どころは意識されていましたか。

馬場ふみか 事実お姉さんであることに変わりないのですが、晴海とどのように接するのが正解なんだろう?と考えました。普通に振る舞っていてもお姉さんにはなるので、あえてお姉さんっぽくしようとはあまり意識していなかったです。

――佐藤さんは晴海を演じる中で、自分の役に入り込んでアリスに対してドギマギしてしまったりは?

佐藤瑠雅 ドギマギというのはなかったのですが、こういった恋愛作品に出演するのは初めてだったので、アリスと距離が近くなるシーンはとても緊張しました。僕は普段緊張とか表に出ないタイプなのですが、そういったシーンでは助監督から「緊張してるのか?」といじられることはありました(笑)。

隠れた見どころは自然豊かな風景や緑の美しさ

馬場ふみか×佐藤瑠雅

――食事シーンでの表情づくりなど意識されていたことは?

馬場ふみか とにかく美味しく見える食べ方を大事にしていたのですが、登場するお料理は全て美味しいので、自然と笑顔になれました。ただ、第2話で、食べながら泣くシーンがあり、そこは難しかったです

――ちなみに食と恋愛の相性はどのように感じましたか。

馬場ふみか 誰かとご飯を一緒に食べるというのは、すごく大きくなことだと思っていて、家族や仲がいい友達など、ある程度関係性がある人になると思います。現場ではみんなとお弁当を食べたりしますが、しっかり会話をしながら食事をすることも一つのコミュニケーションで、そこから恋愛にもつながるところはあるのかなと思いました。

――人間関係にいい影響がありますよね。佐藤さんはいかがですか。

佐藤瑠雅 美味しそうに食べる方の印象はいいかもしれないです。ご飯を食べている時にしか見られない、普段は見せない表情もあると思います。

――さて、隠れた見どころや注目ポイントなどあれば教えてください。

佐藤瑠雅 僕が演じる晴海はおじいちゃん子で、加藤雅也さん演じる晴信の影響を少なからず受けているんじゃないかと思いました。なんとなくしている仕草だったり、癖をずっと見て育っているので、ちょっと晴海もそういった癖があるのでは?と思い、実はちょっとずつ加藤さんの仕草から取り入れたりしているので、そこは隠れた見どころの一つかもしれません。

――加藤さんと佐藤さんの仕草に注目ですね。馬場さんはいかがですか。

馬場ふみか 今回、京都の綾部市というところで撮影をしたのですが、一般的に皆さんが想像する京都とは全然違う雰囲気の場所なんです。山の中みたいなところで撮影をしていたので、自然豊かな風景や緑の美しさはみどころの一つだと思います。

馬場ふみか

――自然に囲まれて印象的だったことは?

馬場ふみか 鹿がたくさんいたことです。車で山をちょっと登ったところが撮影現場なのですが、鹿が普通に目の前を横切るので、そういった体験もすごく新鮮でした。

――さて、LUV K RAFTが歌うOP主題歌「Alice」を聴いてどんなことを感じましたか。

馬場ふみか 書き下ろし曲なので、このドラマに本当にぴったりだなと思いました。音楽を聴いただけで、作品のことが伝わってくる素敵な楽曲だなと思いました。

――馬場さんは普段どのような音楽を聴いていますか。

馬場ふみか 睡眠用のBGMを普段から聴いています。その理由は、仕事でセリフを覚えるのに、歌詞が入っているとその言葉が頭に入ってきてしまいます。私は頭の中でセリフを言っていたりするので、あえて歌詞のない楽曲を好んで選んでいます。

――佐藤さん、舟津真翔さんが歌うエンディング主題歌「アロエ」を聴いていかがでした?

佐藤瑠雅 「アロエ」は晴海のことを歌っている曲で、すごくいい曲だなと思いました。僕の場合プレイリストに入れる曲は、自分が歌ってみたい、覚えたい曲を入れているのですが、初めてこの曲を聴いたときに「アロエ」がリリースされたら絶対プレイリストに入れたいと思いました。また、舟津さんのことは昔から知っていて、舟津さんの曲をプレイリストに入れているくらい好きなので、どこかのタイミングでお会いできたら嬉しいです。

佐藤瑠雅

――本作の撮影を経て、ご自身の糧になったことは?

佐藤瑠雅 経験豊富な俳優さんたちとご一緒できたことです。どこの現場でもそうなのですが、経験の少ない僕にとっては1つ1つの現場で、そういう方達と共演できるということは貴重な経験になりますし、いろんなことが学べます。

――加藤さんのお芝居は相当刺激を受けたのでは?

佐藤瑠雅 刺激になりました。いまの僕が演じられるような役柄ではないので、僕が雅也さんくらいの年齢になった時に、今回の撮影を思い出してできたらと思いました。

――馬場さんはいかがですか。

馬場ふみか 本作のような作品への出演は本当に少なくて、参加すること自体が大きな糧になりました。2024年は多くの作品に参加しましたが、ほとんどがハードな作品で、今回この作品にチャレンジできたことはすごく大きかったです。いつもとは違う私を見ていただけたら嬉しいです。

(おわり)

馬場ふみか×佐藤瑠雅

【番組情報】

『アリスさんちの囲炉裏端』

2025年1月7日(火) BS-TBS(毎週火曜よる9時00分~)他で順次放送 Leminoで先行独占配信スタート

出演:馬場ふみか 佐藤瑠雅 角心菜 南琴奈 てつじ(シャンプーハット) /片山萌美/加藤雅也 ほか
原作:「アリスさんちの囲炉裏端」キナミブンタ(集英社 ヤングジャンプ コミックス・ウルトラ刊)
監督:篠原哲雄、富田未来、高階貴法
脚本:今西祐子
制作プロダクション:キャンター
製作著作:「アリスさんちの囲炉裏端」製作委員会
コピーライト:©キナミブンタ/集英社・「アリスさんちの囲炉裏端」製作委員会

<STORY>

10年ぶりに東京から地元に帰ってきて、囲炉裏のある古民家にひとりで暮らすアリスさん。久しぶりの再会にドキドキしていた幼馴染の男子高校生・晴海くん。年の差がある幼馴染のふたりをつなぐのは、アリスさんが 住む古民家の囲炉裏端。アリスさんと囲む囲炉裏端は昔と同じようにあったかくて―。

この記事の写真
村上順一

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事