全世界で20億冊以上出版され、「世界一売れた作家」として認定された“ミステリーの女王”アガサ・クリスティが生涯を通して書き続け、今もなお全世界で愛される“名探偵ポアロ”シリーズ。これまで『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』を手掛けてきた、アカデミー賞®脚本賞受賞歴を誇るケネス・ブラナー(監督・製作・主演)が贈る最新作『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』が9月15日に劇場公開。

 最新作で名探偵ポアロが挑むのは、亡霊の仕業としか説明のできない“人間には不可能”な殺人事件。これまでのシリーズでも、観客を物語の中へ引き込むため、巨大なセットを建設し撮影を行ってきたケネス。本作では、殺人事件が巻き起こる怪しげな巨大な屋敷を建設。ベネチアの屋敷の建築レイアウトから学び、ディテールに至るまで手を抜かず作り込む…など、一切妥協のないセット作りがケネスの意向で行われたことが判明。キャストのひとりであるティナ・フェイは、「ディズニーランドのアトラクションに乗っているかのよう」と、撮影時に圧倒されていたことを回想した。

(c) 2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

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 これまで、『オリエント急行殺人事件』では実物大の豪華列車オリエント急行、『ナイル殺人事件』では全長約 72 メートルの豪華客船カルナック号を実際に建設するなど、壮大な世界観を表現すべく、撮影セットにこだわり抜いてきたケネス。本作の事件の舞台は、ミステリアスで美しい水上の迷宮都市ベネチア。流浪の日々を送るポアロが、謎めいた霊能者の“超常現象”を見破るため、子供の亡霊が出現するという古びた屋敷で行われる降霊会に参加する。ケネスらは今回、その巨大な屋敷の建設に挑んだ。

 ケネスは製作陣とベネチアに綿密なリサーチロケを行い、パラッツォと呼ばれるイタリアの大邸宅と、その建築レイアウトについて学ぶことから始めたという。丁寧に学びを得たケネスらは、音楽室や貴賓室、客室、家族が暮らす部屋までも作り、水の都と呼ばれるほどに高潮が起こるベネチアの建築物と同様、水害にも耐えられるようなセットを作りあげた。

 ポアロの旧友であり作家のオリヴァを演じるティナ・フェイは、そのリアリティをとことん追求したセットについて、「セットのディテールのレベルは信じられないほど高くて印象的でした。映画を作るとき、大抵は1つのセットの中にいて、ドアを開けてもそこには何もないことが多いのですが、このセットは屋敷全体を歩き回ることができました。それにとても暗くて、ろうそくの灯りや炎があるセットは初めてでした!」と熱弁。細かいところまで表現されていたことに驚きを隠せない様子だ。

(c) 2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 そんな彼女は、初めて屋敷のセットへ足を踏み入れた時の心境も振り返り、「私はディズニーランドのダークライドアトラクションの大ファンなのですが、このセットはまるでディズニーランド。非常に美しく、高価で、完璧なアトラクションに乗り込み、降りるまでの一連の感覚を味わうほどの体験ができました」と熱を込めた。細部まで妥協を許さないケネスだからこそ創造することができた、壮大な世界観で贈る迷宮ミステリーの行方を、ぜひその目で確かめてほしい。

 これまで華麗な推理力で真相を解き明かしてきた世界一の名探偵さえも追い詰める状況下で解き明かすのは、“人間”による殺人事件か?それとも“亡霊”による超常現象か。『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』――そして満を持して贈る、“予測不能”な迷宮ミステリーの衝撃と結末を劇場で体験してほしい。

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