MISIAが8月11日、12日の2日間行われた「RISING SUN ROCK FESTIVAL in 2023 EZO」に、同フェス12日のステージに登場した。

 夜9時過ぎ。打ち上げ花火が夜空を彩ったあとステージにMISIAが姿を現した瞬間、地鳴りのような歓声が響いた。「陽のあたる場所」「つつみ込むように…」「MELODY」と初期の名曲を立て続けに披露。「つつみ込むように…」での冒頭のホイッスルボイス、アウトロでのロングトーンでは驚きと歓喜に満ちた声がオーディエンスから上がり、会場は完全にMISIAの色に染まっていく。続く「Higher Love」では、アドリヴを交えてピアノと会話するように歌声をどこまでも高く遠くに届け、「あなたにスマイル:)」ではオーディエンスと共に歌う姿が印象的だった。

ⓒRISING SUN ROCK FESTIVAL/撮影:小川舞

 「ちょっとキーボードが運び込まれてますけど……」とMISIAも興奮を隠せない様子でゲストを呼び込んだ。「スペシャルで、スペシャルなこの方、矢野顕子さん!」。今回このステージだけで実現した特別なセッションだ。2人で最初に披露したのは、矢野顕子が2021年にリリースした45周年記念盤『音楽はおくりもの』に収録された同タイトル曲で、矢野の呼びかけでMISIAがコーラス参加した曲だ。お互いの声を慈しむように歌う2人からは純粋に音楽ができる喜びが伝わってきた。そしてそれを観て聴いて楽しめる場があるということに改めて感謝したい気持ちになった。コロナ禍を経て開催された「RISING SUN ROCK FESTIVAL in 2023 EZO」の来場者数は6.2万人を記録したという。

「このRISING SUNのステージでぜひ一緒に歌いたい歌があって。私はこのフェスに参加するのはちょうど10年ぶりなんです。それで矢野さんもRISING SUNには何度も出演されているんですけど、2002年には忌野清志郎さんとこの曲を歌ってらっしゃいました」(MISIA)

 「ずいぶん長い間皆さんに愛されている曲で、たぶん皆さんが生まれる前に書いた曲ですけど、MISIAが好きになってくれてうれしいです」(矢野)

「ひとつだけ」とタイトルコールがされると大きな拍手に迎えられて「RISING SUN ROCK FESTIVAL in 2023 EZO」のアニバーサリーにふさわしい珠玉のコラボレーションが実現した。矢野顕子と共に最後にパフォーマンスしたのは、矢野がMISIAに提供し昨年リリースしたシングル「希望のうた」。強い意志に貫かれた願いのような2人の歌声が会場に降り注いだ。

 MISIAのステージのラストを飾るべく、さらなるゲストが登場した。同じ日に出演していたRockon Social Clubだ。男闘呼組のメンバーを中心としたRockon Social Clubとのコラボレーションで9月1日(金)に配信リリースされる「傷だらけの王者」を披露した。「RISING SUN大好きだよー!」というMISIAの愛に溢れた歌声が、集まったオーディエンス一人ひとりにしっかり届いたパフォーマンスだった。

ⓒRISING SUN ROCK FESTIVAL/撮影:小川舞

この記事の写真

記事タグ 


コメントを書く(ユーザー登録不要)