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19歳のシンガー・三阪咲が11月17日、ニューデジタルシングル「Singing for the night sky」をリリース。幼少の頃から、ダンス・ピアノ・ギターを習い始め、11歳・小学5年生の時に歌手を目指す。2019年に史上最年少で担当した第98回全国高校サッカー選手権大会の応援歌「繋げ!」やABEMA『今日、好きになりました。』の主題歌「私を好きになってくれませんか」をリリース。2021年11月にデジタルEP 『I am ME』 でメジャーデビューし、2022年の3月にはKT Zepp Yokohamaでワンマンを成功させた。現在、SNSを中心に10代から最も注目を集める次世代シンガーだ。
メジャーデビューから約1年ぶりのリリースとなった「Singing for the night sky」は、三阪本人が作詞を担当。今を渦巻く閉塞感や過ぎ去った過去に囚われず自分らしく進んで行こう、というメッセージを込めた楽曲に仕上がった。インタビューでは、「Singing for the night sky」 の制作背景から、自分らしく生きるためにやっていること、いま追求していることまで話を聞いた。
メジャーデビューして1年、もう一度自分で歌詞を書いてみたい
――2022年を振り返るとどんな1年でしたか。
ライブを通してたくさんの方に歌を届けることができたと感じる1年でした。その中でも大きかったことは高校を卒業してZeppのステージに初めて立てたということが、今年一番大きかったです。またサーキットイベントやフェスにも参加させていただき、一緒になったアーティストの方々から刺激をたくさんもらいました。出会いの1年でもあったと感じます。
――会えて嬉しかった人も?
何人もいるのですが、長崎で開催された『LOVE FES 2022』でご一緒したflumpoolさんです。flumpoolさんは中学生の時にバンドでコピーさせていただいたこともあるくらい好きなんです。憧れのバンドさんにお会いできたのは嬉しかったです。
――充実していたんですね。さて、新曲「Singing for the night sky」が完成しましたが、作詞は三阪さんが担当されています。
作詞をしたのが去年の夏にリリースした「キミに会いたくなるんだよ」以来なんです。前々から次にリリースする曲は自分で作詞をしたいと思っていて。まずテーマを決め楽曲を作っていただき、イメージが固まったところで作詞をしました。
――久しぶりの作詞で考えていたことは?
1年半ぶりに作詞をしたんですが、これまでの自分のスタイルは応援歌や、恋愛ソングだったり相手にフォーカスした作品が多かったんです。でも、今回は自分にもアンテナを向けて書いてみようと思ったんです。ネガティブなことを歌詞にするのはあまり好きではなかったのですが、みんなが共通認識として感じていること、新型コロナが出てきたことで、私が今感じていることはきっとみんなも同じ気持ちじゃないのかなって思って歌詞を書き始めました。
――メジャーデビュー時、なぜご自身で作詞をされなかったのでしょうか。
小中学校の時はカバー曲をよく歌っていました。誰かが作った曲を自分の中に取り込んで感じて歌うというのが好きだったんです。メジャーデビューのタイミングでもう一度それをやってみたいと思って。でも今回はもう一度自分で歌詞を書いてみたいという気持ちが生まれました。自分の中で歌詞にしたい言葉があったので。
――幼少期は様々な楽曲を歌われていたと思うのですが、三阪さんのルーツというのはどこにあるのでしょうか。
幼稚園の時から歌うことが好きだったのですが、Superflyさんや、宇多田ヒカルさん。父の影響で椎名林檎さん、コブクロさんもルーツにあります。洋楽ではレディー・ガガさんやアリシア・キーズさん、ジェシー・Jさんもよく聴いていました。
――歌を聞かせていただいて、洋楽のテイストもすごく感じたのですが、そういったところから影響を受けていたんですね。
洋楽は大好きですね。ダンスを習っていたことも影響しているかもしれないです。
――さて、「Singing for the night sky」を制作するにあたって苦労されたところは?
今回、書きたいことがたくさんありました。自分自身の気持ちを正直に書いた曲が「Singing for the night sky」です。自分は今どういう気持ちなんだろうとか、辛い、苦しいといったネガティブなことを自分はどう思っているのかと考えた時に、この曲調に対して悲しすぎない歌詞というのがすごくいいなと思いましたし、みんなも一度は同じ気持ちになったことがあるんじゃないかなと思いながら制作していきました。
――三阪さん、すごく明るいイメージがありますから。
私はそんな完璧な人間ではないし、いつも明るいわけではないのですが、この1年間で私が感じた素直な気持ちを歌詞にしたいなと思いましたしこの曲が皆さんに寄り添える曲になっていたら嬉しいです。
――ネガティブな部分も曝け出すということは、辛いことも思い出さなければいけないと思うのですが、そこはしんどくないですか。
みんな辛いことは思い出したくはないですよね。でもそんな時しっかりと自分と向き合うことで解決されていくこともあると思うんです私の場合どんな出来事も音楽に繋がっていて、「Singing for the night sky」をみなさんに届けることができました。
――還元できるところがあるんですね。さて、タイトルはどのタイミング付けられたんですか。
サビの<Singing for the night sky>と歌っているところの歌詞がなかなか決まらなくて。でも、なんとなくここにハマる言葉が曲のタイトルになるんだろうなと思っていたので、一番悩んだところでした。この言葉に辿り着いたのは、ネガティブなこともあるけど、私はどんなことがあっても歌って前に進んでいきたいんだなと思いました。
ネガティブなことも音楽に還元
――この曲を聴いて心の支えになる人もいると思います。三阪さんが「この曲に助けれた」という音楽はありますか。
ライブを観て「私もあのステージに立ってみたい!」とか、失恋したら失恋ソングを聴いたり、その時の気持ちに寄り添った曲に助けられているなと思います。でも大好きな音楽なのに、歌うことが嫌になってしまう時期もあったりするんです。そんな中でも誰かのライブを観たり音楽は聴いていてやっぱり歌が大好きなんですよね。
――どんな時に歌いたくないという気持ちになってしまうんですか。
自分でもよくわかっていないんです。言葉にしたことはないのですが、そう思う瞬間はあって。そんな中でも自分で知らない間に整理してその気持ちを曲にしたり、やっぱり音楽に繋がっているんですよね。
――真の部分はなかなか人にも相談できないですよね。
シンガー同士で話をしていると、悩むところは一緒で、どこか孤独を感じているんだなと。でも、そんな時間も大切だなと思ったり。
――その孤独というところで言うと、あるシンガーさんがライブをやっている時も孤独だと言うんです。私の中ではあんなにファンの方に囲まれているのに? と衝撃を受けたんですけど。
わかる気がします。私もそれに近いことをマネージャーさんに話したことがありました。ライブをしていくということは、色んな人に支えてもらい成り立っていて仲間がそばにいるのもわかってはいるのですが、私の歌を聴きに来てくださったと思うとよりよい歌を届けたいという気持ちになって少しプレッシャーを感じてしまうこともあったりします。本当は考えすぎない方がいいのかもしれないですけど。
――バンドやグループだとまた変わってきますよね。
グループの大変さももちろんあると思うのですが憧れますよね。同じステージで横に並ぶ仲間がいるというのは、すごく心強いと思います。
――ソロならではの良さももちろんあって。
自分が思い描いていることだったりを周りスタッフの方達と形にしていくのはソロならではの魅力だと感じています。
――嘘偽りない今やりたいことをアウトプットできている、というのは嬉しいですよね。
いつでも自分に正直に、等身大の自分をまっすぐ伝えていきたいと思っています。
――レコーディングはいかがでしたか?
レコーディングでは私が考えてきたことをやってみたうえで、新たなエッセンスを加えてみたり、ディレクションして下さった方々が、私だけではできなかったことや、新しい引き出しを見つけてくださったので、自分自身の成長に繋がったと思います。
――新しい引き出しはどの部分に濃く反映されていますか。
特にサビです。シンプルに聴こえるかもしれないのですが、実はすごく引っ張って歌っていたり、リズム感がないと難しいメロディになっています。表現することがすごく難しかったのですが、私の歌にすごく肯定的で、お互いでアイディアを出し合ってできた歌になっていると思います。
――褒め上手なディレクション?
そんなに褒めてはくれないんですけど、逆に私はそれがすごく良くて。褒められすぎると「本当かなあ」とちょっと疑ってしまうんです(笑)。
――でも、レコーディングはスムーズだったんですね。
時間はかかりましたけど、私の中ではスムーズでした。というのもこれまでの私は歌のレコーディングに12時間以上かけていたので、その半分だと考えると短いなって。これまでは自分が100%出した上で、周りの方に客観的に聴いていただいて、セレクトする方が自分はいいなと思っていたんですけど、今回は1回に気持ちを込めて集中しレコーディングしました。初めての収録方法だったので私にとって新鮮でした。
いま追求していることは読書
――ありのままの自分を届けるというのも「Singing for the night sky」のテーマにあると思うのですが、三阪さんがありのまま、自分らしさを保つためにやられていることはありますか。
自分の軸がブレることがあまりないんですよね。自分の考えと逆の意見があったとしたら、そういう考えもあるんだと受け入れることも大事だと思っています。自分が全て正しいわけではないですしね。
――昔からそのスタンスは変わらない?
ここ1年で少しずつですけど、考え方が大人になってきたかなと思います。自分の気持ちを大切にしつつも、周りの方の意見は自分を成長させるために言って下さっていると思うので。
――自分を信じるところから全ては始まりますよね。
自信は努力や、自分自身を信じてあげることで湧いてくるんじゃないかなと思います。私の場合は自信を持つことで、聴いて下さる方に曲を通してより気持ちを伝えられるかなと思っていて、失くしてしまいそうになることもありますけど、ちゃんと自分を持って進んでいきたいなと思います。
――そんな三阪さんがいま追求されていることは?
最近、本を読むようになりました。これまであまり読むことはなかったんです。アニメやドラマ、映画は観るのが好きなので、毎日5~6時間くらい観ている日もありました。歌詞を書くにあたって本からインスピレーションを感じることがあるなと思って、今から本をたくさん読みたいと思っています。
――ちなみに映画だとお好きな作品は?
『ヘアスプレー』は昔から好きな映画です。『ディア・エヴァン・ハンセン』もすごくよくて。曲もめちゃくちゃいいんですよ。『ディア・エヴァン・ハンセン』はもう号泣でした。悪いことをしていても、その人にとってはすごく正義だったりすることってあるじゃないですか。そこの面白さもありますし、お母さんってどんな時でも味方でいてくれるんだなって。
――最後に今後の展望は?
半年後に20歳になるので、自分の中で19歳はこんな年だったといえるようなことができたらと思っています。来年もライブ通してたくさんの方に音楽を届けられる1年にしたいと思います。
(おわり)
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