若月佑美「人生の誇りにできる」二科展で特選賞 デザイン部で「会友推挙」
女優でモデルの若月佑美が「第106回 二科展」(デザイン部)に作品を出品し、「特選賞」を受賞。今回で通算9回の入選となり、自身初の入賞。さらに、二科会デザイン部では著名人初となる「会友推挙」も決定した。
二科展は、日本の美術家団体のひとつである公益社団法人二科会(にかかい、NIKA ASSOCIATION)が、毎年開催。絵画部・彫刻部(公益社団法人二科会)・デザイン部(一般社団法人二科会デザイン部)・写真部(一般社団法人二科会写真部)の4部門で構成されている。審査においては、氏名、県名は伏せておこなわれ、入選、受賞作品が選ばれるとのこと。
デザイン部ではA~Dの各部門で、入選作品の中から大賞1作品、特選賞3作品、奨励賞4作品が選ばれる。若月は、2012年(第97回二科展)に初出品し初入選。以降、2019年の第104回まで8年連続入選を果たした。2020年は、新型コロナウイルス感染拡大により、二科展の開催が中止に。2021年は出品せず、今回3年ぶりの出品となった。
受賞作品はA部門(自由テーマによるポスター表現)に出品されたB1サイズの作品。「愛と美、人生を魅了したい」(Love and Beauty、I want to captivate life)と題され、黒の背景に大輪の深紅のバラが描かれている。新聞のデザインからインスピレーションを受け、花びらや葉の中に文字をたくさん並べて一つのデザインにしたそうで、上の花びらには欲、自我など強い言葉が散りばめられ、下の葉には夢、慈愛などポジティブな文字が散りばめられている。
「どちらも人として持っているべきものなんですけど、そのバランスが崩れると人って善にも悪にもなるなって思って、上の方には制御して持っているべき人間の本質、下には自分の意志で出さないといけない人間の持っている夢とかそういう本質を描かせていただきました」と話す若月。今年6月に仕事の合間を縫って、少しづつ取り組み、2週間程で仕上げた作品は、原点回帰となるものだったと語る。
「いろいろなことを経験していく中で絵を描き、どういう作品が人に求められているか、どういう作品が評価されるのかというようなことを考え始め、絵を描くことを難しいと感じてしまう自分がいたので、今回は自分の描きたいものをただ描いてみようという作品にしました。その作品が特選という賞をいただけたことは、自分の中でもこれからの人生の誇りにできるなと思いましたし、もっと頑張りたいという励みにもなりました」と素直に喜ぶ。
また、実家にはたくさんの作品があるとのことで、「いつか個展で見ていただけたら」と展望も口にした。若月のこれまでの実績と今回の特選賞入賞により、審査会後の二科会デザイン部の理事会では「会友推挙」も決定。会友になるのは来年となるが、デザイン部としては著名人初の会友となる(絵画部には、工藤静香氏、岸ユキ氏が会友として在籍)。
今年の「第106回 二科展」は、19日まで国立新美術館で開催。その後、大阪展、東海展(名古屋展)、京都展、広島展、鹿児島展、福岡展と全国巡回展を2023年3月19日まで開催予定。