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「アイドルを知らない人にもなんかキニなってもらう」をコンセプトとした造語からなる、なんキニ!が3月25日、1stアルバム『Growing!!』をリリース。2019年8月、TOKYO IDOL FESTIVALで、唐澤ひかり、仁科茉彩、永野澪緒、坂下雅、小野寺綾音、馳川侑奈、高橋瑞希(※高ははしごだか)の7人組として新体制なんキニ!でデビュー。2020年1月29日にビクターエンターテインメントから「なないろダイアリー/トマドイオーバチュア」の両A面シングルでメジャーデビュー。『Growing!!』は先行配信された「聖なる夜のシンデレラ」、「僕を未来へ運ぶ列車」、「アオハル」など結成からの成長が感じられる全13曲を収録した。インタビューでは7人に成長したと思う部分を聞くとともに、3月31日に卒業公演を控える馳川侑奈に、メンバーひとり一人にメッセージを送ってもらった。【取材・撮影=村上順一】
それぞれの“Growing!!”
――『Growing!!』は成長という意味があると思いますが、皆さんはこの約2年半で静養したと感じているところはありますか。
唐澤ひかり 成長したと自分で思うところはライブ中の表情とか、人としゃべることが以前よりも出来るようになったことかなと思っています。
――そんなにしゃべるのが苦手だったんですか。
唐澤ひかり はい。人としゃべるのがすごく苦手で中学、高校時代ではみんなからいつも真顔だよね、と言われていて...。アイドルグループに入って表情をすごく気にするようになったので、そこは凄く変化した部分じゃないかなと思います。
――表情が変わると人生も変わりそうですよね。
唐澤ひかり すごく変わりました!
仁科茉彩 私も人の目を見てちゃんと話せるようになりました! もともと友達を作るのが得意ではなかったのですが、この2年で心を開けるようになれたと思っています。
――どんなきっかけで変われたんですか。
仁科茉彩 ファンの方たちが私のことを見ていてくれて、こんなにも自分のこと好きになってくれるんだ! というのを知ったことが大きかったです。それもあって私のことを気にしてくれる人たちからのアドバイスに対しても「そうかも」と、素直に思えるようになりました。
永野澪緒 実は私も人としゃべるのは得意ではなくて、それこそ笑うこともほとんどなかったんです。なので、けっこう真顔でステージに立っていたんですけど、いつからか少しずつ笑えるようになってきました。ダンスも歌も苦手だったのですが、それも昔と比べたら成長出来たんじゃないかなと思います。
――結成当時の映像を見たら真顔の永野さんが見れる?
永野澪緒 見れますが、黒歴史なのであまり見ないで欲しい(笑)。
――(笑)。坂下さんの成長は?
坂下雅 自分を取り繕うのをやめたことです。以前は素の自分だとみんなに受け入れられないんじゃないか、と思っていて、アイドルらしさを出すために声を高くしてみたり、外側だけ意識していた感じでした。でも、それだとだんだん疲れちゃうんですよね。この2年半の活動の中で本当の自分、素の自分を出せるようになったことが成長したところだと感じています。
――ナチュラルな坂下さんを今は観れているわけですね。では、小野寺さんの成長ポイントは?
小野寺綾音 自分や人の気持ちにちゃんと向き合えるようになってきたことです。特典会などでファンの方と話す場面ってあるじゃないですか? その中でわかったことがあってアイドルが好き、ということだけでも、それぞれの考え方があって、いろんな考えの人がいることに気づけました。
――その気付きから向き合えるように?
小野寺綾音 言葉の受け取り方も違いますし、自分も上手く表現することができず、それで悩んだことがありました。私の発言をプラスに捉える方もいれば、マイナスに捉える方もいる。私もファンの方の言葉を変に捉えてしまったりしたこともありました。この2年半でそれがわかったことで、いろんな立場で物事を考えられるようになったことは、成長だと感じています。
――それはすごく大きなことですね! 馳川さんはいかがですか。
馳川侑奈 ファンの方の年齢の幅も広いので、生活環境や考え方が違って、言葉ひとつとってもすごく気をつけなければいけないことに気づいて。だからといって全員に対して合わせ過ぎてしまうと自分がなくなってしまうなとも思いました。私はまだ成長中みたいなところがありますが、視野が広くなったと思いますし、挫折も経験して思いやりを持つことも出来るようになった2年半でした。
――どんな挫折だったんですか?
馳川侑奈 昔は(ライブで)最前が良いとか、沢山“チェキを積む”こととかファンの方の気持ちが、自分がそういうタイプではなかったので、あまり理解できなかったんです。それで、ぽろっと出てしまった私の言葉でファンの方が暗い顔で帰られてしまったこともあって…。でもメンバーにそのことを相談したらすごくいい言葉を返してくれて、自分は思いやりがある方だと過信していたけど、メンバーみんなの方が全然すごいなと思いました。
――自分のこともよく知れたわけですね。、高橋さんの成長したと感じている部分は?
高橋瑞希 成長というのかわからないんですけど、お金の使い方が上手くなった、価値観が昔と変わりました。学生の時はアルバイトとかしたことがなくて、両親からもらうお小遣いで生活していたんですけど、自分で働いてお金を得るようになってから、その大切さを実感しました。使いどきを見定められるようになってきたので、余裕もできたので昔と比べるとリッチな生活ができるようになってきて。
――いまリッチなんですか。
高橋瑞希 お金持ちというわけではないんですけど、満足した暮らしが送れるようになったことが、成長したことかなと思います。
馳川侑奈 なんキニ!のお金事情には積極的に意見を出してくれるんです。
高橋瑞希 運営さんと対峙する時は先陣を切るようにしています。もっと給料をあげませんかとか(笑)。
「Dreamer」はメンバーを表しているような曲
――頼もしいですね! アルバムに収録されている曲で、この曲はメンバーの誰っぽいとかありますか。
馳川侑奈 「僕を未来へ運ぶ列車」が唐澤ひかりちゃんっぽいなと思いました。この歌は明るいイメージ、前向きにさせてくれる曲なんですけど、ファンの人にこの曲のどこが好きなのかを聞いたことがあるんですけど、「この曲を聴くと心が浄化される」と話してくれて。それが私の中の唐澤ひかりちゃんのイメージとすごく重なるところがありました。なんて表現したらいいのか難しいんですけど、女神みたいな。
唐澤ひかり 嬉しいけど、照れる(笑)。
馳川侑奈 自分を導いてくれるような、引っ張ってくれるような感じなんです。
坂下雅 「Dreamer」はメンバー全員、なんキニ!を表しているような曲だと思いました。歌詞にある<期待と不安の跡は日記の中で乾いた涙>というところが、特にそう感じました。デビューした時はみんな不安しかないところから始まって、メジャー1stシングル「なないろダイアリー」という曲をいただいて、この「Dreamer」で“日記”という言葉が出てくるのも印象的でした。<僕らの未来 続く道のりは>は「僕を未来へ運ぶ列車」のことを想起させたり、みんなが成長していく姿を表現した1曲だと思いました。
――歌詞をじっくりと読むといろいろ発見がありそうですね。リード曲の「Smile for me」のMVは羽田空港で撮影されたみたいですね。
小野寺綾音 なんと言っても空港に人がいないという状況がすごく新鮮で、今後もしかしたら一生経験できないんじゃないか、と思いました。現場では飛行機が見える大きな窓があって、そこからの景色がすごく綺麗で、「絶対いいミュージックビデオになるんだろうな」と思いながら撮影していました。そして、完成したミュージックビデオを観たんですけど、最初から最後まで全てが見どころ、まだ観ていない方はぜひ全部観てください!
永野澪緒 その後、橋の下で夕日を撮影することになって、空港からレインボーブリッジに移動するまでの話です。普通に向かったら10分ぐらいで着く距離なんですけど、高速道路に乗って道を間違えてしまったらしく、スタッフさんの焦ったのか、ちょっと運転が荒くて怖かったという思い出があります(笑)。
馳川侑奈からメンバーへメッセージ
――馳川さんは3月31日のライブをもって卒業されてしまいますが、メンバーの皆さんそれぞれに一言いかがですか。
馳川侑奈 え〜逆パターンはあったんですけど、これは初めてです。
唐澤ひかり なんて言ってくれるのか楽しみ!
馳川侑奈 ではメッセージカードを書くような感じで(笑)。
雅ちゃんはいつも私に気を使ってくれます。細かいところにすごく気づいてくれて、いつもそばで私を支えてくれてありがとう!
ひかりちゃんは本当にすごく良い子で、グループのセンターも多くて、グループの中心がひかりちゃんだったからこそ、なんキニ!が良い雰囲気でいられると思っています。いつもありがとう。
澪緒ちゃんは私が気付かない視点で話をしてくれます。私が「これはいいや」と投げ出してしまうことも、ダメだよと注意してくれるんです(笑)。その言葉でハッとさせられることが多かったので、私の『Growing!!』にも繋がった大切な存在です!
瑞希ちゃんはグループのことを常に考えていて、ちゃんとそれを発言できるメンバーです。それは私にはなかった視点で、瑞希ちゃんのような人は絶対になんキニ!に必要だと思いました。あと、雰囲気が暗い時には何か面白いことをやってくれて、ユーモアでグループを支えてくれてありがとう。
茉彩ちゃんはファン想いのところが誰よりもあって、その話を聞いていると、すごく気づかせてくれるところがあります。茉彩ちゃんの考え方と優しさは私には足りなかったところで、私の『Growing!!』に繋がる存在でした。感謝しています。
綾音ちゃんはいつも楽屋でキャピキャピしているけど、その雰囲気がいつも楽屋を照らしてくれて、私たちも明るくなれていたと思います。ただ、寝起きが不機嫌なので、そこだけ直してもらえたら完璧です(笑)。
(おわり)
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