INTERVIEW

津田健次郎

惹かれる喜劇は『テルマエ・ロマエ ノヴァエ』にも:ルシウス役


記者:木村武雄

写真:木村武雄

掲載:22年03月28日

読了時間:約5分

 津田健次郎が、Netflixシリーズ「テルマエ・ロマエ ノヴァエ」で主人公・ルシウスの声を演じる。阿部寛主演で映画化され大ヒットしたヤマザキマリ氏による『テルマエ・ロマエ』コミックのアニメ化。古代ローマ帝国の浴場技師・ルシウスがタイムスリップした現代日本から入浴文化を自国に取り入れていく浴場コメディ。津田が作品に惹かれる「喜劇」はこの作品にもあった。【取材・撮影=木村武雄】

Netflixシリーズ「テルマエ・ロマエ ノヴァエ」

ルシウスの声

――どのような事を意識されてルシウスの声を演じられたのでしょうか。

 あまり僕がやってこなかったタイプの役でした。真っ直ぐで実直で心で考えたり、感じたものがそのまま行動に出るストレートなキャラクターでしたので、そのストレートな表現を濃くエネルギッシュにというのが一番大事なんだろうなと思い、それを意識しました。

――劇中では古代ラテン語も話されますがいかがでしたか。

 正直、大変でした(笑)。でもスタッフさんが配慮して言語の先生をつけてくださいました。最初は先生が吹き込んでくださった音声を参考に発音やニュアンスを作っていきましたが、どこで切るのが正解なのか、どの日本語に該当するのかなど分からないことが多くて、やってみたもののどんどん不安になってしまいました。そうしたら、スタッフさんが現場に先生を呼んでくださって。先生に確認いただきながら臨むという贅沢なことをさせていただいたと感謝しています。先生いわく、いわゆる古代ラテン語はラテン語とも違うので正解は分からないです、だから大丈夫です、と(笑)。その言葉も助けになって、最終的には自信をもって臨むことができましたので、結果的に楽しい時間を過ごさせていただきました。

――言葉が通じなくてもルシウスの実直さは伝わってきました。その分、気持ちの部分もかなり作り込まれたのではないかと思いますがいかがでしたか。

 キャラクターの実直さや生真面目なところはとても大事だと思いましたので、気持ちの部分も意識しました。例えば、眉間にシワが寄るところは、どういう言葉でも大事に表現しないといけないと思っていました。

津田健次郎

本作にも「喜劇」要素

――ルシウスは実直で、周りが見えなくなるほど物事に熱中するタイプですが、ご自身に共通する点はありますか?

 自分の仕事やクリエイティブな部分にすごく情熱があり、そこを突き詰めようとするのはとてもリスペクトできるところですし、自分もそうありたいと思います。ルシウスは、エネルギーがすごく強くて常に何かと格闘しているんですよね。こういうお風呂でいいんだろうかとか、難題をクリアするためにはどうすればいいんだろうかと。とても情熱を傾けているので、見ていて共感できますし、清々しくてとてもいいなと思います。

――その生真面目さが時に面白く見えるのですが、それは『極主夫道』の取材で津田さんが惹かれる要素として話されていた、真面目であるが故の滑稽さ、「悲劇」と「喜劇」の要素がこの作品にもありますね。

 まさにそうだと思います。ルシウス本人は真面目に取り組んで、例えば失敗したり驚いたりしても、本人は大真面目にそれを感じているんですけど、一歩引いた時にそれがコメディーになっているという非常にストレートなコメディーの構図ですので面白いと思います。

タイムスリップするなら…?

――ところで、タイムスリップできるとしたらいつの時代に行かれたいですか?

 いろんな時代に行きたいです。日本に限定しても、歴史に名を残している方はどんな人だったんだろうとすごく興味があります。各時代にスターがいるのでみなさんに片っ端から会っていきたい気持ちです(笑)。本当に史実どおりなのか、容姿だったり言動を含めて見たいです。僕は欲張りなので各時代に行きたいですね(笑)。

――その中でもしいて挙げるとしたらいつの時代ですか?

 戦国時代とか、幕末あたりはスターの数が多いので行ってみたいです。でもその時代は“ヤバイ人”が多いので怖いんですけどね、でも見てみたいです(笑)。文化的な側面で見た場合は、日本のルネッサンス的な文化が花開いた室町時代は興味があります。例えば能楽や世阿弥(ぜあみ)、お茶だったり。世界に通用するクリエイターとお話してみたいです。

――幕末あたりは津田さんがいらっしゃっても志士として溶け込んでいるような気もします。

 刀を持って走り回っていますかね?(笑)

――ルシウスはタイムスリップしたときに何かしら持って帰りますが、もし幕末や戦国時代から持って帰れるとしたら何を持って帰りたいですか。

 本物の刀一本くらい持って帰ってきたいですね。飾っておきたいです。

津田健次郎

想像できていなかった

――デビュー当時の自分に言葉をかけるとしたらどんな言葉でしょうか?

 表現の世界は深いですし広い。自由度が「お前が思っている以上にあるぞ」と。「だからもっと大胆にむちゃくちゃやったらいいよ」と言いたい気持ちがあります。

――今現在のご自身の姿は、当時のご自身は思い描いていましたか?

 全然思い描いていなかったです。人生は面白いですね。いろんなことが起きて。ただ、あっという間ですので、過去の自分にもう一言かけるなら「もっとスピードを上げて密度濃くやっていこうぜ」と言いたいです。

ポジティブに

――世の中はコロナという未曽有の時代を想像できていなかったわけですが、こういうご時世だからこそマインドを整える、津田さん流のリラックス方法がありましたら教えてください。

 お風呂に入ればいろんなことが溶けていってくれるのではないかと思います。本当にいろんなことがありますし、ネガティブなこともありますけど、今生きていること自体がとても素敵なことですし、もちろんしんどい思いをされている方もいっぱいいると思いますが、意外と何とかなることも多いなと思ったりもしています。何ともならないこともあるけど、自分の身の丈の中で最大限できることは、実はいっぱいあるんだなと改めて感じています。

――そのなんとかならないことも最終的にはプラスになっていきますか?

 プラスにできるといいなとは思います。ポジティブに捉えられるようになることはとても素敵だなと思います。

――改めて本作はご自身にとってどういう作品になりましたか。

 コメディー代表作の一つとして数えていただけるような作品になっていると思います。とても独自性の強いオリジナリティーの高い作品で、しかも同時配信で全世界で観て頂けるというのは、わくわくしますね。「日本の文化を世界に」という思いで、リアクションがすごく楽しみです。

津田健次郎

(おわり)

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