「そんな素敵な時間は人生においてない」三浦風雅にとってのライブとは?
INTERVIEW

三浦風雅

「そんな素敵な時間は人生においてない」三浦風雅にとってのライブとは?


記者:村上順一

撮影:

掲載:22年03月02日

読了時間:約8分

 シンガーの三浦風雅が2月23日、4thシングル「未来話」をリリースした。三浦風雅は高校卒業時に歌った「100万回のI LOVE YOU」がSNSで拡散され、この動画をきっかけに音楽活動を開始。自身初のワンマンLIVEでは、100人を動員。 音楽活動を一時休止するも、音楽活動再開時のワンマンLIVEでは400人を動員。オーディションブランド「One in a Billion」で参加者約4000人の中からグランプリを獲得。 2021年7月に配信リリースされた「Start」でメジャーデビュー。その後もコンスタントにデジタルリリースし、今年1月にリリースされた「CANVAS」はフジテレビ系「奇跡体験!アンビリバボー」1月クール EDテーマとしてOA。今回リリースされた「未来話」は、この季節にぴったりな極上の恋愛バラード。三浦の表現力が存分に堪能できる1曲に仕上がった。インタビューでは「未来話」の制作背景から、路上ライブでのエピソード、ライブにかける想いなど多岐に亘り話を聞いた。【取材=村上順一】

環境がすごく変わって追いつけない時期もあった

――お名前、すごく格好良いですね。どんな想いが込められているのでしょうか。

 本名なんですけど、響きでつけた部分が大きかったみたいで、海外でも言いやすい名前というのを両親からは聞いています。大した意味合いではなくてすみません(笑)。

――海外で活躍して欲しいという願いがあるのかも知れないですね。ところで音楽に目覚めたきっかけは?

 高校までずっとスポーツをやっていたので、もともと音楽にはそんなに興味はなかったんです。音楽が好きな友人が出来て、コブクロさんが僕とその友人が共通して好きだったので、2人でカラオケに行ってハモったりしていました。それで卒業する時に思い出を残そうと、コブクロさんの曲とRakeさんの「100万回のI LOVE YOU」を歌いました。その時の様子を友人が撮っていたんですけど、それがネットで反響があったので、本格的に歌ってみようかなと思いました。

――スポーツは何を?

 中学までサッカーをやっていて、高校からハンドボールをやっていました。

――なぜ、ハンドボールに転向したんですか。

 友人との腕相撲で負けて入ることになって。「俺が勝ったらハンドボール部に入って欲しい」という賭けに負けたわけです(笑)。でも、ハンドボールは実際にやってみたら楽しくてハマってしまいましたね。

――シンガーとしてプロになりたい、と思ったのもネットでの反響から?

 まだその時はプロになりたい、という感じではなかったです。そこから徐々に動画を拡散していただいて「こんなに聴いてもらえるなら」と、歌をもっと勉強したいと思いました。そこから、自分の実力を知りたいというのもあり、ボーカルスクールに通って大学に行ってからプロというのを意識し始めました。

――メジャーデビューして半年が過ぎましたが、メジャーの空気感はいかがですか。

 これまでずっとフリーでやっていたので、環境がすごく変わって追いつけない時期もありました。デビュー曲の「Start」では、自分の意気込みを歌詞にしたんですけど、その後に「なぜ音楽をやっているのか」、みたいなところまで気持ちがいってしまい、自分らしさとは何なんだろう、というのも考えました。その気持ちが反映されているのが先月リリースした「CANVAS」という曲で、自分が作詞したものはリアルな気持ちを綴っているものが多いです。

――なぜ歌っているのか、その答えは出たのでしょうか?

 僕はコブクロさんの歌や曲から勇気や元気を沢山いただきました。僕もそういったものを与えられるような存在になりたいと思って、歌を始めたたので、改めてこの期間でそれに気付かされました。

――原点に戻ったんですね。心が沈んでしまった時、音楽以外ではどんな発散方法がありますか。

 僕は自然が好きなので、自然が豊かなところに出掛けることが多いです。その中で海にもよく行きます。神奈川出身ということもあってか、海を見るとすごく落ち着くんです。

――ちなみにドラマや映画は観ますか?

 観ます。僕はフィクション系はそんなに好みではなくて、9.11のテロ事件を映像化したものや、『ホテル・ムンバイ』、ドラマですけど『新聞記者』など、リアルにあった作品が好きです。

夢は自分がブレないために敢えて人に話す

「未来話」ジャケ写

――だから歌詞を書かれるときはリアルなものが多いんですね。さて、今作「未来話」はバラードですが、最初聴いた時はいかがでした?

 デモを聞いた時にピアノが語りかけてくるような曲だと思いました。僕もこういった恋愛の楽曲を歌ってみたいなと前から思っていたので、嬉しかったです。でも、ただの恋愛としては終わらず、男の弱さだったり、相手のことを強く思う気持ちが歌詞に込められているなと感じて、それを歌でも表現したいなと思いました。

――ピアノは菊池亮太さんが弾いていますね。

 はい。目の前でピアノを弾いていただいたんですけど、その場でバンドのメンバーさんやスタッフさんも交えて、色々試しながらオケをレコーディングしていきました。その後に皆さんがいる中で歌を録ったんですけど、めちゃくちゃ緊張しました。でも、その空気感が歌にもうまく繋がったテイクになったんじゃないかなと感じています。

――歌詞はどんな印象が?

 歌詞は明るい感じ、切ない感じ、どちらとも取れる歌詞だと思いました。これからの未来を一緒に歩んでいこうみたいな。その中で、儚い感じを大事にしようと思いました。幸せな期間があって、すれ違いがあって、最後は別れてしまう。それでも相手のことは思い続けている男性というのが見えたので、それをイメージして歌わせていただきました。

――印象的な歌詞のフレーズはありますか。

 <俺の未来話には いつも横に君がいて>というワードは、自分にとってはファンの方と重なる部分があったので、すごく印象的でした。

――“君”の対象はそれぞれありますよね。さて、皆さんがこの曲をカラオケで歌いたい場合、どんなアドバイスを送りますか。

 自分もこの曲はごまかしが一切効かないので本当に難しいです。アドバイスになるのかわからないですが、僕は歌詞に負けないような感情の入れ方を常に意識していました。最後は感情を曝け出すように歌っているのですが、完成したものを聴いた時「これで良かった」と思えました。

――三浦さんは未来のお話を誰かにすることはけっこうあります?

 自分の夢や目標については話すこともありますが、あまり自分のことを語るのは得意じゃないかもしれないです。くだらないことはよく話しちゃうんですけど(笑)。夢は自分がブレないために敢えて人に話すことは多いです。

――いま語るとしたらどんな夢?

 沢山あるんですけど、まずは4月23日にSHIBUYA PLEASURE PLEASUREで開催するワンマンライブ『MIURA FUGA LIVE 「Call my name」〜Oath episode4〜』をソールドアウトさせたいですし、ツアーをやったり、まだまだ先になると思いますがZeppのステージに立ちたいです。その後もホールツアーや日本武道館とか、夢は尽きないです。

――全部ライブですね!

 本当にライブが好きなんです。来てくださった方と一つになれる空間で、僕とお客さんだけというそんな素敵な時間は人生においてないだろうと思っていて。

路上ライブの思い出

――YouTubeで拝見したのですが、雪が降ったときにも路上ライブをやっていたので、本当にライブが好きなんだろうなと思いました。

 ライブハウスで出来なかった期間が長かったので、いてもたってもいられず路上ライブをしてしまいまして。雪が降っても聴きに来てくれた方がいれば、その人たちのために歌ってしまうんです。

――路上ライブではハプニングも付き物だと思うのですが、これまでどんなハプニングがありますか。

 僕はけっこうおっちょこちょいで、マイクを忘れてしまったこともありました。それで最初アカペラでやってみたのですが、全然声が届かなくて…。それで、近くの楽器屋さんでマイクを購入したのですが、そのマイクが僕のアンプでは使えなくて。

――電源が必要なタイプのマイクだったんですね。

 そうなんです。店員さんに「とりあえず良いマイクを下さい」と話して買ったんですけど、それがコンデンサーマイクで。僕の知識がなかったのがいけないんですけど、それでどうにもならなくて返品しにいったことがありました(笑)。あとは、仕事帰りのサラリーマンの方に「邪魔だ」と、アンプを蹴られたこともありましたね。

――路上ライブも大変なんですよね。ライブハウスでもやっていたんですか。

 やっていました。でも、お客さんをなかなか集められなくて。ライブハウスにはチケットノルマがあるんですけど、それすらクリアするのが難しい時代もありました。それもあって路上ライブでチケットを売っていました。なので、路上ライブをやっていた最初のきっかけは自分の声を届けるということよりもライブハウスにお客さんを呼ぶのを目標にしていました。

――ライブハウスやホールで歌うためにやっていて。

 はい。あと、僕はすごく喋るのが好きなので、路上ライブに来てくれた方と話し込んでしまって、終電を逃してしまうこともありました。途中の駅までしか行けなくて、そこから歩いて帰ったりもしてました。

――その時に“未来話”、夢についてもお話されたり。

 けっこうしていたと思います(笑)。

――4月にはワンマンライブも控えていますが、皆さんにどんな姿を見せたいですか。

 自分が大事にしてきていたものはライブなんですけど、それがなかなか出来なくて、自分の想いを伝える場もあまりなかったので、自分の覚悟や野望、僕が思い描いているビジョンを見せられたらと思います。

――今回のライブ、トークも多めですか?

 基本的には歌を重視して届けたいと思っているのですが、なぜかMCが長くなってしまうんです。デビューして初めてのライブでは最後の曲に行く前に30分くらい喋ってしまいまして。しかも感極まってしまい泣いてしまって。終わってからスタッフさんからも「MCが長い」と、めちゃくちゃ怒られました(笑)。今回は9(歌):1(トーク)ぐらいの気持ちで臨みたいですね。

(おわり)

この記事の写真

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事