INTERVIEW

莉子

あの時の悔しさが今に繋がっている、原動力:『牛首村』女子高生ミツキ役


記者:木村武雄

写真:木村武雄

掲載:22年02月23日

読了時間:約7分

 莉子が、清水崇監督の最新作『牛首村』に出演している。『恐怖の村』シリーズ第三弾。北陸に実在する心霊スポットが舞台。主演はKoki,が務める。莉子は、大谷凜香演じるYouTuberのアッキーナと共に廃屋の心霊スポットから生配信する女子高生のミツキを演じる。物語の始まりを告げる重要な役回りを担う。ファッションモデルとしてZ世代から人気を集める莉子は最近は俳優としても高い評価を受けている。そんな彼女が、芝居をする上で大切にしていることは何か。そして本作にどう挑んだのか。※Koki,の「o」はマクロン付きの「o」。【取材・撮影=木村武雄】

ホラーは苦手だけど…

――出演が決まった時の心境は?

 私自身、ホラーが怖くてずっと見てこなかったジャンルでしたので、お話を頂いた時は私でいいのかなって思いました。『恐怖の村』シリーズは知っていましたし、清水組に参加させて頂くことへの緊張感もありましたが、「頑張らないと!」と気合が入りました。

――女子高生ミツキをどう演じられようと思いましたか?

 清水監督からは、いまどきっぽい子で、YouTuberのアキナのアシスタントみたいな立場だけど、グイグイいっちゃっていいよって言われました。なので、その掛け合いはアキナも「えっ!」と思うぐらいグイグイいこうと思いました。それとアキナとの流れるような会話のテンポは意識しました。

――結果テンポの早い掛け合いになりましたが、とても自然でした。

 めっちゃリハーサルしました(笑)。あの廃墟の中にいるだけで怖かったんですけど、2時間ぐらい立っていると慣れてくるところもあって(笑)。その中でリハーサルして結局本番は次の日だったんですけど、あそこでのシーンは自分で考えたプランもありますが、やっぱり現場に行って初めて成立できた部分も大きかったと思います。

――大谷さんとは初対面ですか?

 「初めまして」でした。でも共通の友達がいてその子から話を聞いていたのでお会いできるのを楽しみにしていました。初日に会ってその瞬間から仲良しでした!

――大谷さんは『村シリーズ』の常連で、雰囲気やどう撮影が進んでいくのかを聞いたり?

 結構聞きました。それこそ私が今回挑戦したシーンは、前回凜香ちゃんが同じように挑んでいたのでその時はどうしたのかとか、清水組は独特の雰囲気があるのは知っていたので、実際はどうなのかとかを教えてもらいました。

莉子

Koki,は「ピュアな方」

――その清水組を体験されていかがでしたか?

 最初は想像だけでは掴めないところもあったんですけど、クランクインして感じたのは、皆さんずっと一緒にいらっしゃるので家族みたいな感じで、スタッフの皆さんもすごく優しく受け入れてくださったのですぐに馴染みました。実際は怖い作品を撮ってますけど、裏では本当に皆さん優しくて穏やかな雰囲気でした。

――出来上がっている空気感に入るのは大変だったと思います。

 そこがすごく不安で大丈夫かなと思っていました。Koki,さんを始め今回初めて参加される方も結構いらしたので助けられました。頑張ってその輪に飛び込まないといけない、という感覚ではなかったです。

――現場でのKoki,さんは?

 すごく可愛らしい女の子でした。私と学年が同じで同い年だったので「学校卒業しちゃったね」みたいな話で盛り上がったり、Koki,さんご自身が自分の言い間違いに笑っちゃうような本当にピュアな女の子で、その可愛らしさとすごく礼儀正しくて人柄も良く、その雰囲気に現場は助けられてたなって思います。

――清水監督の演出は?

 こうしてほしい、ああしてほしいということではなくて、もしここで驚くならどんな声を出すと思う?とか、演じる私たちが思うようにやってみてと任せて頂けたのは大きかったです。ホラーでは、足音や息使いが重要になってくるので、そういうホラーで大切な要素を教えて頂きつつも、それを受けてどう動くかというのは私たちに委ねて頂いて。凜香ちゃんと階段を下りてくるシーンで、もし実際に起きたらどうなのかということを考えながらやりました。

――怖さを忘れるほど撮影に集中していたんですね。

 先ほど2時間で慣れるところもあったと話しましたが、それでも坪野鉱泉での撮影はやっぱり怖かったです(笑)。スマホを持って生配信するシーンは、実際に凜香ちゃんと2人きりで周りにはスタッフさんもいなくて。誰もない真っ暗の中で立たされて、遠くの方から「よーい!」と聞こえてスタートするみたいな感じでした。もう本当にリアルに怖かったです。

莉子

莉子

原動力になっている出来事

――莉子さんは最近、お芝居でも活躍されていますが、これまでの活動のなかで記憶に残っているものは何ですか?

 芝居をやる上で刺激になったのが、私が映画に初めて出せて頂いた『小説の神様 君としか描けない物語』という作品でした。私がいつもテレビで見ていた俳優さんがいらっしゃる現場で、しっかり演じないといけないという緊張感は今でも覚えています。その現場で抱いた、演技という演技がぜんぜんできなかったという悔しさが今の原動力、今に繋がっています。

――もともとお芝居はやりたいと思っていたんですか?

 自分からやりたいっていう感じではなかったんです。でも本当にありがたいことにそういう機会を頂けて。自分が思う演技はしたはずでしたが、自分でも見られないくらいひどいものをしてたなって。その時にこれじゃダメだなと思って。最初の頃は悔しいという気持ちが大きかったんですけど、最近では楽しさに変わってきてやる気に繋がっています。

――莉子さんの芝居はどれも自然体ですが、何か意識している点はありますか?

 台本を読んだ時にここはこうしたいと決めたくなるんですけど、それをしないようにしています。それは演技の基本中の基本ですが、台本を読んだ時はただただセリフを覚えるだけにして、あとは現場に行って相手の芝居を受けてそれに応じて芝居することを意識しています。

――それに気づいたのは最近ですか?

 『ブラックシンデレラ』(AbemaTV連続ドラマ主演)の時です。お相手が神尾(楓珠)さんや板垣(瑞生)さんと活躍されている方で最初は不安もありました。お芝居をしているなかで「なんでこんなにすごいんだろう」と自分なりに考えた時に、相手の芝居によって変わっている、キャッチボールができているんだということに気付きました。実際に神尾さんとお芝居したとき、板垣さんとお芝居したときは全然異なっていて、それが面白い部分でしたし、楽しめました。

――徐々に変化していった感じですか?

 撮影期間が2カ月あってほぼ毎日みなさんと現場にいました。そこで吸収していくものは多かったです。現場が楽しくて達成感もあり刺激もありました。ワークショップに毎週行っていますが、その撮影の後に先生から「遊べるようになったね」と言われて。ある程度、型にはまらないようになったのかなって実感しています。

――それは『牛首村』でも活かされましたか?

 活かされたと思います。台本に書かれている流れは変わりませんが、廃墟に行った時の緊張感やスマホを持った感じ、アッキーナと目を合わせるタイミング、私がグイグイといくところはあらかじめ決まっていたものではなく、清水監督の遊び心がありました。清水監督に「ここでミツキ、グイグイといってみようか」と言われてやってみて、そこで「ちょっと!」というセリフが生まれたり、そういう部分はあのシーンには多かったです。

莉子

あのシーンの舞台裏

――息遣い、足音もそうですが、感情や一つの仕草など小さな積み重ねがシーンを作っていくわけですもんね。

 本当にそうです。特にこの作品はリアルと生配信という緊張感という感情が一つ一つ積み重ねられて恐怖心に変わっていきます。あの生配信のシーンから『牛首村』という物語が始まるので相当重要だと思いました。アキナと一緒に頑張りました!

――ところであのシーンの舞台裏は? ネタバレになりますので、具体的なことは言えませんが…(笑)

 そうですよね!壮大なネタバレになりますからね(笑)。あれは全部自分がやりました。引きずり上げてもらいながら…!途中で違う方に代わるという話もありましたが、私がやらせて頂きました。それであざもできましたし(笑)。あれも初めてでしたので楽しかったです。

――では今後はアクションも?

 そうですね。できたらいいですね!(笑)

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(おわり)

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