4日夜に放送された『芸能界特技王決定戦 TEPPEN』にやらせ疑惑がネット上で浮上している。芸能人が特技を競いその分野の頂点を目指す同番組。そのなかでも人気なのがピアノ対決だ。だが、決勝進出目前で敗れたHKT48森保まどかが一番上手いのになぜ敗れたのかという声がネット上で騒動に。更に音楽家の発言が波紋を広げている。

 このピアノ対決は、6人の芸能人がそれぞれ選択した楽曲を弾いて、3人の審査員による採点の合計点で頂点を競うもの。過去に6回実施されるなど視聴者から好評の企画だ。

 この日は、青木さやか、松本明子、はるな愛、そしてAKB48松井咲子、HKT48森保まどか、前回王者のさゆりが出場した。そのうち疑惑が浮上しているのは、松井、森保、さゆりの点数だ。

 まず、欧州国際ピアノコンクールインジャパン9位の成績をもつ森保が弾いたのは「異邦人」。力強さを感じるダイナミックな演奏にゲスト陣も総立ちとなって拍手喝采。審査員の作曲家・服部克久さんも「メロディを弾くところと伴奏のバランスが良かった」と賞賛した。結果、得点は91点だった。

 続いて登場したのは過去に優勝経験があり、東京音楽大学出身の松井。「Let it go~ありのままで~」を弾いた。映画の情景が浮かんできそうな緩急のある演奏にSMAPの草なぎ剛は「世界に入り込んじゃいましたね」と賞賛。審査員の音楽家・秦万里子さんは「既に聴いている人を安心させる領域に入ってきたと思ってこちらも和やかに聴けました」と述べて好評価を与えた。得点は94点。

 そして、前回王者のさゆりは難度の高いという終始ハイテンポの「残酷な天使のテーゼ」に挑んだ。難度の高い楽曲に挑戦することで頂点の座を確固たるものにしたい、との思いがあったようで、実際に連覇への重圧からか3回ほどミスをする場面もあった。しかし臆することなく果敢に攻め込み、95点を獲得した。

 しかし、ネットでは森保の演奏のほうが上手かったとの声が相次いでいる。コメントの中には「森保の方が迫力があった。しかし2人は楽譜を見て演奏しているだけで心に刺さらなかった」という意見もあった。

 こうした中で話題となっているのが音楽家の発言だ。この番組を見ていたとされる音楽家の福田裕彦氏はツイッターで以下の通りに苦言を呈した。

 ――フジの某番組のピアノ対決とか言うやつ、HKT48の森保さんっていう子が凄く上手でけっこうビックリして見てたんだけど、その後、どう考えても彼女のピアノとは比べ物にならないほどヘタっぴなピアノを弾く女子が出てきてあっさり勝ち、さらにそれに輪をかけてヘタなピアノを弾く人が勝って呆れた――

 ――あれ、服部先生とか審査員やってるけど、マジであんな番組出るのやめたほうがいいと思うwそれにしても、森保さんのピアノはいいよ。っていうか、ちゃんと音楽を演奏してたの、彼女だけ――

 ――ピアノがうまいとかヘタとか、ああいうくだらねえ番組でひとつの「尺度」を作って撒き散らすのはマジで害毒。これだけは真剣に言うけど、95点だか取って「一番」になったお笑いの女子の弾くピアノは、ただの指の運動。あんなものを音楽とは言いません――

 ――あと、2番だったAKBの子のピアノは、典型的にダメな「音大のピアノ科の生徒のピアノ」。機械のように指は動くけど、これまた、音楽とは程遠い。なんなんだよあれは――

 音楽家の発言だけに重みがある。氏の発言を一部のメディアが報じたことで騒動は拡大、ヤラセ疑惑まで浮上する事態となっている。ただ、番組の採点基準が、技術なのかそれとも演出なのか、はたまた楽譜通り正確に弾くことなのか、創造性に重んじているのかは不明だ。

 一方、この騒動で株が上がっているのは森保まどかだ。AKB48グループのHKT48に所属。そのHKT48は昨年、NHK紅白歌合戦に初出場を果たすなど活躍は目覚ましい。なかでも森保は宮脇咲良と並び人気が高く今後のブレイクが期待視されているメンバーだ。今回、福田氏の“事実上”のお墨付きを得たことで今後、ピアノ演奏での活躍の場も広がっていきそうだ。

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