Crispy Camera Club、新進気鋭の3ピースバンドの素顔
INTERVIEW

Crispy Camera Club


記者:村上順一

撮影:

掲載:22年01月26日

読了時間:約7分

 2016年京都で結成された3ピースバンドのCrispy Camera Club(CCC)が26日、3rdミニアルバム『季節風』をリリース。中根トモヒロ(Ba)、ミサト(Vo/Gt)、りんすけ(Cho/Dr)の3人組で90’sUKインディギターサウンドを彷彿させるノスタルジックでキャッチーなメロディーが魅力。2018年に1stミニアルバム『SWAG』でKOGA RECORDSよりデビュー。2019年2月に1stシングル『ティン セルタウン/グッバイ・マイフレンド』を配信限定リリースし、同年8月には2ndミニアルバム「ROMA」をリリースした。ミニアルバム『季節風』は、昨年リリースされた「季節のはじまり」と、カジヒデキがプロデュースした「rock’n’roll wind」を含む前7曲を収録。MusicVoiceではメールインタビューを実施。ここまでの活動の変遷を振り返りながら、ミニアルバム『季節風』について回答してもらった。【取材=村上順一】

――Crispy Camera Clubのバンド名に込められた意味、そして、どのように付けられたのでしょうか。

ミサト CCRみたいな、ほんとは長いけどアルファベット3文字で略すのが通称みたいなバンド名にしたくて、まず「CCC」から決めました。それで、響きがいい感じのCから始まる単語を3つ集めた感じです。

――3人の出会いはどのようなものだったのでしょうか。

ミサト りんすけと私は前にも一緒にバンド組んでいて。元々何の繋がりもなかったんですが、そのバンドを組むために集められて出会いました。それから前のバンドが解散してCCCを始めたのですが、ベースが決まらなくて、親しかった京都のライブハウスの人に相談したら、ちょうど他にも同じタイミングで解散したバンドがいてそのバンドの子が合いそうだと言って紹介されたのがトモ(中根)です。

――メンバーそれぞれどんな人ですか?

ミサト りんちゃんは自分の心に正直な人です。トモは冷静に物の本質を見てる感じがします。2人には全く嘘がない気がするので、曲を作ったときはいつも2人からの反応はかなり参考にしています。

中根 2人とも穏やかです。

りんすけ ミサトさんは穏やかで自然の中で育った女の子って感じですかね! トモくんは人間2〜3周してきたようなひとです。大学生の頃からどこか一歩引いて物事をみてる冷静なひとって感じ。

――みなさんを形成する音楽はどんなものですか。ルーツとなるものや、フェイバリットソングなど教えてください。また、楽器を始めた経緯など併せて教えてください。

ミサト 小さい頃から毎日のように車でスピッツがかかっていたので、スピッツにはかなり影響を受けてます。中学生の頃に、押し入れにあった父親のアコギをなんとなく出してきて弾き始めたのが音楽を始めたきっかけです。00年代ガレージリバイバルから洋楽にはまって色々聴き始め、1番好きなのは80年代後半〜90年代のイギリスのバンドで、めちゃくちゃ影響を受けてますね。ラーズの「There She Goes」は今までの人生で1番ビビっときた曲。

中根 50年代のロックンロール、60年代のイギリスのロック、ガレージパンク、70年代のソウルミュージック、80年代のブリットポップ、90年代のインディーロック、00年代のガレージリバイバル、その他諸々。ベースは友達に「やれ」と言われて始めました。

りんすけ わたしが楽器を始めたキッカケは友達と高校生のときはNIRVANAのコピーバンドをしたりしてそこからオリジナルをするようになった感じです。高校生の時は聴いてる音楽もグランジとかメロディックパンクとかクラブミュージックとか割と激しいのが好きだったのですが、ミサトさんと出会ってから90sUKとかを聴くようになって今に至る感じです。今はsundaysやcranberries、cocteau twinsとか女性ボーカルの90年代くらいの音楽が一番好きですかね。

――結成から5年が過ぎましたが、ここまでの活動で印象的な出来事は?

ミサト 去年、recで憧れのクジヒロコさんが参加してくださったこと!

中根 ギターが何回も変わってることです。

りんすけ 印象的なのは地元京都で活動してたのですが2年前ほどに東京に引っ越したことですかね。その3ヶ月後くらいにコロナが広まって、という流れでした、、。コロナ禍で曲作りのやり方とかも変わったのでバンド的にも大きなキッカケになった出来事だと思います。

――3rdミニアルバム『季節風』はどんな作品になりましたか。

『季節風』ジャケ写

ミサト コロナ禍でも悲観的にならず、むしろ以前よりも淡々と地に足をつけて曲を生み出していけた気がするので、これからのCCCを示す1枚になったと思います。パソコンメインで曲を作ることを覚えて、よりメロディーが生きた作品になりました。

中根 頭を使ってロジカルに作りました。

りんすけ 今回のアルバムの制作は完全にコロナ禍での制作になったのでスタジオがやってない状況で今までみたい曲作りが出来なかった中で良いものを作ろうという意識をもって取り組みました。パソコンでのやりとりを通して細かいところまでレコーディングまでに詰めれたりでイメージをもって制作に取り込めたかなと思います。

――収録曲でそれぞれが特にお気に入りの曲を、その理由とともに教えてください。

ミサト 『Yellow Robin』は、コロナが始まってパソコンで曲を作るほうにシフトするようになって、最初に納得のいく出来になった曲かなと思います。これが出来たとき、メンバーの反応も良くて。メインの楽曲にはならないかもしれないけど、1番私たちらしい、趣味を詰め込んだ曲に出来たかもしれないです。

中根 「orange」、がんばって作りました。Pretendersとティン・パン・アレーです。

りんすけ わたしは『季節のはじまり』ですかね。コロナ禍初期の方で結構精神的にやられちゃった時期もあったのですが、この曲をきいて歌詞やメロディ、ミサトさんの声に救われてたなと思います。あとはたぶん今までで自分たちで作った曲の中では沢山聴いてる気がします。

――レコーディングでの印象的だった出来事や、新しい試みなどありましたらお聞かせください。

ミサト 「rock'n'roll wind」でカジヒデキさんにプロデュースしていただき、キーボードにクジヒロコさんが参加してくださいました。recスタジオでクジさんとお会いできて、音を入れてもらえたことが夢のようでした。あとは歌録りで、いままで以上にメンバーやスタッフさんの意見を取り入れて、歌詞に合った表現で歌うということをして。それがめちゃくちゃ楽しくて、改めてrecって楽しい!ってなりました。

中根 機材がヴィンテージになりました。

りんすけ 今回はなんといってもドラムテックにビートさとしさんに入ってもらったことがドラムとしてもアルバムとしても大きな変化だと思います! ドラムの音がイメージしてたものがそのままドラムの生音で再現されているのには驚きました。アルバムとしてこれまで以上に完成度の高いものになれたのもテックが入ってもらったお陰かなと思います。

――Crispy Camera Clubの1番の強み、武器はどこにあると思いますか。

ミサト どこをとっても、あまり似てるバンドが居ない気がしていて。それが逆にまだマイナス点であることも分かってるのですが、もっとまとまればかなり武器になるのかなと。

中根 ルーツが各々違うからミクスチャーになるところ。

りんすけ メロディーの良さですかね。あとはそれぞれがルーツの違う音楽を好きなのもきっと『コレっぽいって』ってものがないCrispy Camera Clubらしさになっているのかな。

――いま皆様が追求されていることはどんなことですか。

ミサト メロディーを生かしながら、シンプルにアレンジしていくことです。あとは歌詞の中にハッとなる印象的な部分を作れるように考えていきたい。

中根 少ない音数でグルーヴを作ることです。

りんすけ わたしは更にメロディーの良さを引き立てられるアレンジとルーツを明確にした楽曲を作れるようになりたいなと思います。

――2022年はそれぞれどんな1年にしたいですか。展望などお聞かせください。

ミサト もっと色んな場所で聴かれるようになりたいです。そのためにCMソングとかもやってみたいし、新しいことに挑戦したいですね。変わらず曲は生み出し続けたいです!

中根 努力するけど真面目にならないようにしたいです。

りんすけ 色んな世代の沢山の方にもっとCrispy Camera Clubを知ってもらえるキッカケが増えればいいなと思います。あと個人的にずっと目標としているのはみんな映画が好きなこともあるので映画の主題歌をしたいというのがあります。あとはフジロックに出たいです!!

(おわり)

「季節風」ダウンロード/ストリーミング

https://VA.lnk.to/172BOO

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