マイファスHiro、“ギリギリを攻めた”「マトリックス」日本版インスパイアソングで見せた挑戦
INTERVIEW

MY FIRST STORY Hiro

“ギリギリを攻めた”「マトリックス」日本版インスパイアソングで見せた挑戦


記者:村上順一

撮影:村上順一

掲載:21年12月17日

読了時間:約8分

 キアヌ・リーブス主演の映画『マトリックス』の最新作『マトリックス レザレクションズ』が12月17日に全国で公開される。その日本版インスパイアソングにMY FIRST STORYの「PARADOX」が起用された。MY FIRST STORYが本作のために描き下ろした新曲となっている。アクション超大作『マトリックス』は1999年に第1作目が公開。2003年には続編の『マトリックス リローデッド』と『マトリックス レボリューションズ』が公開され、今作は18年ぶりの新作となっている。

 新時代の未体験の世界を描く『マトリックス レザレクションズ』と、新時代の音楽シーンを駆け抜けていくMY FIRST STORYのコラボレーションが実現。新曲「PARADOX」は、『マトリックス』の世界観をイメージして制作され、バンドの新たな一面を見せた楽曲に仕上がった。インタビューではMY FIRST STORYのボーカリストHiroに「MY FIRST STORYとして出来るギリギリを攻めた作品」と語る本作の制作背景について聞くとともに、Hiroが人生において選択をした瞬間について話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

Hiroが思う『マトリックス』の魅力

『マトリックス レザレクションズ』(C)2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

――『マトリックス』を改めて見直して、どんな感覚が生まれましたか。

 小さい頃に見た記憶しかなくて、当時はアクション映画という認識でした。でも、インスパイアソングを書かせていただくにあたって、改めて作品を見直しました。人間模様だったり、ヒューマンドラマ的なところがすごくある事に気付きました。小学生の自分では到底理解できないようことがすごく盛り込まれていて。『マトリックス』は字幕の中で詩的な表現がすごく多いんです。それがバンドに活きることも沢山ありました。それもあって音楽面で成長出来たんじゃないかなと思います。僕は直接的に言わない表現が好きなのですが、「シルクで尻を拭くような感覚を俺は知っている」というセリフがあって、それがアナーキーでカッコいいなと思いました。

――『マトリックス』からどのような影響を受けましたか。

 一作目でネオが弾を避ける有名なシーンがあるじゃないですか、小学生の僕にはそのシーンがたまらなくて。ベッドの上で真似てましたし、同級生と一緒にやったりしていました。『マトリックス』は自分の記憶の中にタトゥーのように刻まれている作品なんです。『マトリックス』という単語もすごく印象的でしたし、縦に流れていく文字も近未来感があって、斬新すぎて最初は「なんだこれは」というのがありました。

――『マトリックス』の魅力はどんなところに感じていますか。

 仮想世界という入りはすごく明解だと思うんですけど、そこから広がっていく心情かなと思います。仮想世界にいる人たちの気持ちと、現実に気づいてしまったネオの気持ち、現実で過ごしているモーフィアスやトリニティーたちの気持ちなど、立場が違う中での感情です。ただのアクションでは終わらないところです。すごく物語として完成されているなと思いました。扉を開ければ開けるほど深くなっていき、大人にならないとわからない部分があるのは魅力だと思います。

――最新作『マトリックス レザレクションズ』を観られていかがでした?

 僕の中では『レボリューションズ』で完結していたので、続きはどうするんだろう? と思いました。でも、映画を観させていただいてすごくしっくりきました。3部作を見ているからこそわかる感動だったり、思い出を遡りながら新しいものを見ている感覚すごくあって、このまとめ方すごく綺麗だなと思いました。現代風にアレンジされているところもあって、それも面白いなと思いました。モーフィアスの立ち位置が変わったのもそういうところなのかなと思ったり。

――インスパイアソングを制作するお話を聞いた時は、どんな気持ちでした?

 戸惑いです。「なんで俺らなの?」という感じでした。こんな有名な映画のインアスパイアソングに選んでいただいて畏れ多いという感覚で。まだその気持ちが消えていなくて実感出来ていない自分がいます。

――インスパイアソングを制作するにあたり、どんなリクエストがあったのでしょうか。

 「サビ始まりで英語の歌詞で」というリクエストがあったのですが、実は僕も英語にしたいなと思っていて。ただ、日本人の僕が歌うというところで考えると日本語の方が良かったりするんです。でも、このメロディに日本語はあまり合わないなと思っていました。そう考えていたところに「英語が良い」と言っていただけて、英語の歌詞にする大義名分が出来ました。リクエストがあることですごくやりやすかったんです。

――タイトルの「PARADOX」はどんなイメージでつけられたのでしょうか。

 最初は歌詞にも登場する<Never Let You Down>を仮タイトルにしていました。でも、あまり『マトリックス』っぽくないなと思って。僕の中でこの歌詞は『マトリックス』の世界観に寄り添いながら自分の感覚を混ぜ込んで作ったという感覚でした。それだったらタイトルも『マトリックス』をイメージさせるワードがいいなと思いました。それで考えていた時にパッと出てきた言葉が「PARADOX」で。歌詞のサビ終わりにも歌詞とハマるし、“マトリックス”と“パラドックス”で韻も踏めているし、すごくいいなと思って、タイトルはもうこれしかないと思いました。

「PARADOX」はMY FIRST STORYとして出来るギリギリを攻めた作品

村上順一

Hiro

――歌詞にはマトリックスをイメージさせる言葉が入っていますが、ご自身の想いを重ねているところもありますか。

 自分の想いと重ねたところは今回はないんです。歌詞に関しては言語化するというところで如実に伝わってしまうと思いました。間違った表現、監督の意思と違わないようにというのを一番気をつけていました。サウンドに関しては『マトリックス』に寄せたところはないんですけどね。歌詞に100%シフトチェンジしていました。

――サビで印象的に出てくる<Never Let You Down>という言葉が、もしかしたらファンの皆さんに対する想いも歌っているのかなと思いました。

 今回そこは考えていなかったです。『マトリックス』が100%だったので。この<Never Let You Down>という言葉はどの立場の人間でも当てはまるなと思ったんです。ネオやトリニティー、モーフィアスもそう思っているんだろうし、スミスさえもそう思っているんじゃないかなと思って。メロディのハマりもすごく良かったし、良い言葉だなと思って。

 とはいえ、僕がこの曲で表現することは『マトリックス』のあらすじを伝えることでもないし、伝えたいことを代弁することでもないと思って。僕が感じたことが正解ではないかもしれないんですけど、「僕はこう感じました」というのと、『マトリックス』サイドがこういうものを作りました、というのを合わせて作れるなと思ったんです。最終的に伝えたいことは愛という、大枠のテーマは決まっているなかで自由に書けるなと思って。映画の中に歌詞に使えそうな言葉も沢山散らばっているし、そこに加えて自分だったらこう考えるなということを当てはめて作れたので、すごく楽しかったです。

――ちなみに本作の監督ラナ・ウォシャウスキーに直接聞けることがあるとしたら、どんな事を聞いてみたいですか。

 僕が観て思ったこと、描写やその人の想いが合っているのかというのも聞いてみたいですけど、その前にどんな想いでこのストーリーと構成を作ったのか聞いてみたいです。

――改めて「PARADOX」はどんな作品になりましたか。

 僕らとしては挑戦でした。オケもBメロから音を大胆に抜いてしまったり、無理に自分のエゴを入れるよりも、俯瞰としてみた時に良いと思える作品を作ろうよという考えだったので、みんなが僕らに求めているものとは違うかもしれない。これ以上やってしまうとソロっぽくなってしまうし、これがMY FIRST STORYとして出来るギリギリを攻めた作品で、今までの僕らも兼任しつつ、新しいことに挑戦しているんだなと理解してもらえれば、聴こえ方も変わるのではないかなと思います。

――『マトリックス レザレクションズ』には「未来を選べ」というキャッチコピーもありますが、Hiroさんの人生で1番の選択は?

 高校生の時に進路相談の用紙を破り捨てたことかもしれないですね。あの時に大学に進学していたらバンドはやっていなかったと思うんです。破り捨てたことがバンド活動に繋がったので、高校を卒業して進学しなかったことが一番の選択だったと思います。

――進学することへの葛藤があったのでしょうか。

 全然なかったです。やりたいこともなかったですし、大学に行けるほど勉強も出来たわけではなかったので、「何をしよう?」という感じでしたから。大学はいつでも行けるし、高校だけ卒業すれば大丈夫かなと思っていました。2年ぐらいぶらぶらしようと思っていたら、意外と早くバンドが始まって(笑)。

――その中で今Hiroさんがやらなければ行けないこと、使命みたいなものはなんですか。

 まずは東京ドームでライブをすることです。あとは、メンバーやスタッフが一生食べていけるようになるまで、というのを目標と言いますか、それを前提に活動しています。

――皆さんの安定を願って。

 切に願っています!

(おわり)

作品情報

『マトリックス レザレクションズ』

原題:『THE MATRIX RESURRECTIONS』
監督:ラナ・ウォシャウスキー
出演:キアヌ・リーブス、キャリー=アン・モス、ジェイダ・ピンケット・スミス、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、
プリヤンカ・チョープラー・ジョナス、ニール・パトリック・ハリス、ジェシカ・ヘンウィック、ジョナサン・グロフ、クリスティーナ・リッチ
オフィシャルサイト:matrix-movie.jp  オフィシャルTwitter:@matrix_movieJP  #マトリックス
本予告:https://www.youtube.com/watch?v=8PwqzRR3Oo0&t=29s

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