「今の状況にはまる言葉を考えた」LACCO TOWERが考える“青春”
INTERVIEW

LACCO TOWER

「今の状況にはまる言葉を考えた」LACCO TOWERが考える“青春”


記者:村上順一

撮影:

掲載:21年12月09日

読了時間:約5分

 LACCO TOWERが12月8日、メジャー6thアルバム『青春』をリリース。本作は、LACCO TOWERの2年4カ月ぶりのフルアルバムで、先行配信された「青春」、2020年以降発表されている「閃光」「無戦無敗」「罪」「約束」を含む全12曲収録。また、本作収録の「化物」は伊勢崎オートレース 2021 イメージソングに決定。そして、2022年1月より全国12会場をまわるツアー「LIVE TOUR 2022『青春旅行』」を控えている。MusicVoiceでは松川ケイスケ(Vo)と真一ジェット(Key)の2人にメールインタビューをおこない、ニューアルバムの話題や、来年20周年を迎えた現在の想いなどに迫る。

一歩踏み出していくその景色こそ「青春」

「青春」ジャケ写

――最近のライブやイベントでの活動で印象的だったことは何でしょうか?

松川ケイスケ 何百日かぶりの現場でのライブにて。皆もどう楽しんでいいのか思い出すような感覚があって。こんなこと普通に活動してたらありえないだろうなと。もしかして数年後の再結成ライブとかがあるならこんな感じなのか? とかを想像しながら歌ってました。

――2021年、コロナ禍が続いてしまっている状況の1年でしたが、どのような気持ちでお過ごしでしたか?

松川ケイスケ 今回のアルバム「青春」にもつながりますが、やはり作る曲、特に歌詞はコロナ禍という特別な状況でしか感じえないものをそのまま表現できたように思います。

――本作で中核となる想い、コンセプトについて教えてください。

松川ケイスケ 「青春」という言葉は何も若者に限って使われる言葉ではありません。何かに没頭し、挫け、それでもと一歩踏み出していくその景色こそ「青春」であり、20年歩み続けてきた我々にとって、今の状況にはまる言葉を考えた時、これ以上にシンプルで且つハマるコンセプトはありませんでした。

――本作で先行配信にもなった「青春」はストレートなエネルギーがみなぎるパワフルな楽曲と感じました。「青春」の制作背景について教えてください。

松川ケイスケ アルバムの最後にできた曲でもありますし、このアルバムを体現する1曲になったと思います。大人の使う「青春」という言葉をどう噛み砕いていくのかが制作の上ではポイントになりました。

――「青春」の歌詞について、おそらくご自身のことも重ねて書かれていると思うのですが、どのような情景を浮かべながら書かれたのでしょうか。

松川ケイスケ 何かと戦い負けてきたこと、そして勝ってきたこと。その全てを踏まえて今も何かと戦い続けていること。そんな情景を浮かべた際に、青空よりも夜空、盲目的な未来への希望よりは、不確かな未来への確信と希望を浮かべながら書きました。

――「化物」ではソリッドなサウンドとエモーショナルな情念が素敵です。この楽曲はどのように生まれたのでしょうか?

松川ケイスケ アルバムの中でも「激しい曲」を作ろう、というコンセプトで制作が始まった曲です。

真一ジェット LACCO TOWERらしさを追い求めながらもこれまで使用したことのなかったスラッシュビートなどにも挑戦した意欲作です。

――「証明」のボーカルとギターの絡み具合、サビのちょっと切ない旋律、ストーリー性を感じる展開、それぞれがグッときます。この曲や、本作収録の楽曲について、特にこだわったポイントなどについて教えてください。

松川ケイスケ そうですね。ストーリー性というか、歌詞を言葉だけで見た際にもある程度情景が浮かぶというか。そんなことを意識しながら作ってます。

――「渦巻」のイントロとラストがとても印象的なのですが、どのような手法なのでしょうか?

真一ジェット 本編が激しく渦を巻く渦巻だとすれば、その事前と事後を表現しています。一見平穏に見えて実は不穏、そんな感覚をピアノで表しています。

――「雪」の歌詞について感じたのですが、これはご自身の実体験も含んでいたりするのでしょうか?

松川ケイスケ いえ、私自身実体験を歌詞にすることはほとんどありません。同じような体験をしたことはあるので、その際の気持ちを思い浮かべながら書いたのは覚えてます。

――本作全体の作詞面で、ご自身でのチャレンジはありましたか? 

松川ケイスケ 元々、シンプルで分かりやすい言葉を書くのが好きではないんですが、今作ではなるべく伝わりやすいようにという思いを込めて、かなり歌詞を噛み砕くことにチャレンジしました。

――レコーディングは順調に進行しましたか? エピソードなどがあったら教えてください。

松川ケイスケ コロナ禍でドラムとベースを収録してから数ヶ月経って歌を入れる、みたいなこともありました。もうそうなると少し印象も変わってて、ある意味2曲分体験できるような、そんな素敵な感覚がありました。レコーディング自体は、前述のコロナ影響という部分以外では順調に進んだと思います。

――本作で、これまでになかった新たな試みやチャレンジはありましたか?

松川ケイスケ 一番大きな試みとしては、冬を意識した制作という部分かなと思います。特に雪という曲は、作曲段階から具体的な冬の情景をイメージして制作した曲で、そういった制作方法は今回が初めてだったと思います。

――ジャケットデザインでこだわった点や、込められた想いについて教えてください。

松川ケイスケ 今作のジャケットは、インディーズ時代最後のアルバム「狂想演奏家」のジャケットをオマージュしています。インディーズという青春時代。あの頃から数年経った今現在、つまりメジャーでの青春時代。その二つを対比できるように設定してみました。

――今年、初めて挑戦し始めたことはありますか? 

松川ケイスケ 腸活ですね。ここ数ヶ月やりまくってます。

――松川さんが音楽活動をしていく上で大切にしている信念は?

松川ケイスケ 綺麗ではなく、美しく。泥臭いことも、面倒なことも、良いことも、悪いことも全て合わさって美しくなる。その感性を大事にしながら音楽活動をしています。

――LIVE TOUR 2022「青春旅行」が来年1月から始まりますが、どのような意気込みで臨みますか?

松川ケイスケ LIVE TOUR 2022「青春旅行」は、我々の育ったハコを中心に回らせてもらいます。まさしく青春時代にお世話になったあの環境を、今新たな時代の始まりにもう一度回りたい。そう思ってます。会えなかった分、沢山会いに行きます。沢山会いに来てくれると嬉しいです。

(おわり)

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