『あの夏のルカ』(C)2021 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 “シー・モンスターの世界”と北イタリアの美しい港町ポルトロッソを舞台に“最高の夏”を描く、ディズニー&ピクサーの最新作『あの夏のルカ』が6月18日からディズニープラスで独占配信が開始される。

 これまでおもちゃやモンスター、魚から車まで数々のファンタジーアニメーションを描き大ヒット作品を生み出してきたピクサー。そんなピクサーが描くファンタジーが子供だけでなく幅広い層に愛されるのにはある秘密があった。それは“大人にも響くメッセージ”が込められていることだ。

 ピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるピート・ドクターは“子供の観客のためだけに妥協することは全くしていない”とピクサーが作品を手掛けるうえでの意識を明かしている。

 そしてこの夏誕生する最新作『あの夏のルカ』も、“友情”という大きなテーマに加えて<自分自身を受け入れることの大切さ>という大人にも響くメッセージが込められた感動の物語となっていることが明かされた。

 2019年に公開されたウッディの新たな大冒険『トイ・ストーリー4』では、かつての仲間“ボー・ピープ”との再会や、自分をゴミだと思ってすぐ逃げ出してしまう“フォーキー”に優しく寄り添うウッディなどが描かれ、<誰にでも輝ける場所がある>というメッセージが観る人の心に届いた。

『トイ・ストーリー4』ディズニープラスで配信中
(C)2021 Disney/Pixar

 また、2020年にディズニープラスで配信されたピクサー初となる“生まれる前の世界”を舞台とした感動作『ソウルフル・ワールド』では、これまでのピクサーキャラには珍しい夢も目標もない“22番”と夢を叶えたい“ジョー”が出会うことで<人生の大切なこと>が描かれ、大人が考えさせられるような深い作品となった。

 そんな『ソウルフル・ワールド』を手掛けるほか、現在はチーフ・クリエイティブ・オフィサーとしてピクサー作品に携わるピート・ドクターは“子供の観客のためだけに妥協することは全くしていない”さらに加えて“楽しくすることは意識している”とこれまでピクサー作品が幅広い世代に愛されてきた秘密を明かしている。

『ソウルフル・ワールド』ディズニープラスで配信中
(C)2021 Disney/Pixar

 そんなピクサーの最新作となる『あの夏のルカ』では、シーモンスターの主人公ルカとその親友アルベルトが、正体を隠したまま人間の世界で大冒険する姿が描かれている。共通の秘密を持った2人の友情はとても強く、エンリコ・カサローザ監督がこだわりを持って2人の関係性を描いたことによって誰もが共感できるようなコンビとなり、感動の友情物語の誕生となっている。

 そして本作でもピクサーの感動の秘密“大人にも響くメッセージ”は継承されており、“友情”というテーマのほかにもう一つのテーマとして<自分自身を受け入れることの大切さ>というメッセージが込められていることをエンリコ監督とプロデューサーのアンドレア・ウォーレンは語る。

 “人間の世界にいるシーモンスター”を描くことによって“自分は周りとは違う”という意味でシーモンスターは現代社会においての様々なメタファーとなり得る。エンリコ監督は本作に対し「僕らはまず、自分自身を受け入れないといけない。今作の1番のテーマは友情だけど、自分を受け入れるというのも大きな部分だ」と友情の奥に別のテーマがあることを語り、アンドレアは「今作にはオープンであること、自分自身を見せること、そしてコミュニティと自分自身を受け入れるというテーマがある。現代の世の中において素晴らしいテーマだと思う」と大人にも響くような作品になっていることを明かした。

『あの夏のルカ』(C)2021 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 ピクサーに通ずる感動の秘密“大人にも響くメッセージ”が込められた最新作『あの夏のルカ』。シーモンスターのルカとアルベルトの深い友情にはもちろん、製作陣が込めた<自分自身を受け入れることの大切さ>に多くの人が感動すること間違いないだろう。

 エンリコ・カサローザ監督は、第84回アカデミー賞短編アニメーション賞にノミネートされたピクサーの短編アニメーション『月と少年』を手掛け、アカデミー賞受賞作品『カールじいさんの空飛ぶ家』のストーリー・アーティストを始め、『リメンバー・ミー』『トイ・ストーリー4』など様々な作品に参加し、高い評価を得ている。

 監督は北イタリアで生まれ育ち、夏らしさに溢れるイタリアの海岸を、まるでそのまま切り取ったかのように本作へ取り込んだ。監督が「子供の頃に自分とは全く違う世界に住む少年と夏に出会ったんだ。その夏の思い出から、少年が大人へと成長する物語を作りたいと思ったんだ」と明かすように、自身の経験からインスピレーションを受け、大人の心をも揺さぶる物語となっている。

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