株式会社メルカリが21日、サントリーホール・ブルーローズで『メルカリコンサートギターオーディション』を初開催した。本オーディションはギター演奏に初めて挑戦する人、演奏家でオーディションに挑戦してみたい人など、新たにチャレンジする人を応援したいという想いから開催が決まった。

 「メルカリコンサートギターオーディション」には、「多くの人と音楽やギターの素晴らしさを共有したい」、「ステイホーム期間中に練習した」、「先行き不安だった頃、ギターを弾くと気分が落ち着いた」と、多くの応募が集まった。

 オーディションの審査委員長はギタリスト・福田進一氏が務め、本選審査委員はアコースティック・ギター・マガジン編集長の相川浩二氏、小説家・平野啓一郎氏、ギタリスト・コンポーザー・プロデューサーの渡辺香津美氏らが務めた。

 この日の実演は、選考対象者のクラシック部門ジュニア3名、一般3名と、オールギター部門グランプリ受賞者わたなベゆうさんの計7人。

 クラシックギター部門ジュニアの部のグランプリには押山一路(おしやまいちろ)さんが、準グランプリには宮川春菜(みやがわはるな)さん、福山日陽(ふくやまひなた)さんが選出された。

 そして、クラシックギター部門一般の部のグランプリには小暮浩史(こぐれひろし)さん、準グランプリには山下俊輔(やましたしゅんすけ)さん、秋田勇魚(あきたいさな)さんが選ばれた。グランプリとジュニアグランプリ受賞者にはMV撮影とミニアルバム音源制作が賞として約束される。

 渡辺香津美氏はギターオーディションの総評として「音楽を通じて、若い人たちのエネルギーが皆さんに伝わっていくのがすごく大事だと思いました。何よりもギターという音楽の多様性と可能性ギターの演奏作品を作った作曲家の方々、何百年も前の方も現代で活躍した方もいらっしゃいますけど、そういう人があってのまたギター音楽、何よりも、その演奏を情熱をかけて渾身で弾ききってくれた今日の方々、自分もギターを弾く者として、ギターの持つエネルギーやパワーを再認識しました」とコメント。

 審査委員長の福田進一氏は「メルカリさんがこういうオーディションを開催してくれて本当にギター界にとって大きなことだと思います。コロナ禍においてみなさんが本当にコンクール、リサイタル、いろんな出演の場を待っていた人がその先を断たれて閉塞的な、行き所のない状況にある中でこういうネットの形ではありますけど、ギターという楽器全体を盛り上げていただき感謝の気持ちでいっぱいです」と感謝の気持ちを語った。

 この日は上級執行役員メルカリジャパンCEO兼CPO田面木宏尚(たものきひろひさ)氏より、緊急事態宣言発出から1年を振り返った。メルカリ利用者の取引動向を「メルカリ取引データからみるコロナ禍の生活動向レポート」として発表した。

 田面木氏は囲み取材で、コロナ禍において旺盛だった“はじめる”ことについて説明。消費動向について、2020年4月の緊急事態宣言発出から1年間で購入件数が増加した商品カテゴリー順位は1位の「インテリア・住まい・小物」(142%)に次いで「本・音楽・ゲーム」が2位(139%)。その中でもアコースティックギターは前年比164%となった。

 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う“おうち時間”の伸長により、音楽にチャレンジする人や親しむ人が増加傾向にあるという。

 メルカリ上でも楽器の取引は増加しており、中でもギター関連の物は人気が高いカテゴリーで、フリマアプリを通じて「誰かの役に立てないか」「はじめるを応援する」という動きが見られるという。コロナ禍という厳しい状況下でも「応援したい」という気持ちの表れが見られ、この日のコンサートも応募動機は「日本を元気にしたい」「誰かを応援したい」というものが多かったと話した。

 そして、田面木氏は一番大事なポイントとして、コロナ禍によりミュージシャンの活動が制限される状況が続く中、「“はじめるを応援”という文脈で、そういった機会を提供させて頂くこと、これをきっかけに今回参加や応募された方のギターの人生がポジティブな方向に変化し、それがみなさんに伝わっていくことに非常に意義を感じている」という想いを語った。

 閉会の挨拶では「誰かを応援する、日本を元気にしていこうというきっかけに、微力ながらもサポートさせて頂け、こうったことがもっとみなさんに伝わって、ギターという文化がより発展していければフリマアプリとして非常に役立て頂いている実感ができると思います」という旨を述べた。【平吉賢治】

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