TOKIO、V6、嵐など90年にCDデビューしたジャニーズグループがいま、変革期を迎えている。1994年にデビューしたTOKIOは、長瀬智也がジャニーズ事務所を退所。残る3人は、ジャニーズ事務所の歴史で初となる事務所内独立をし、「株式会社TOKIO」を立ち上げた。V6は、今年11月1日をもって解散することを発表。嵐は、昨年の大晦日の生配信ライブを機に、活動休止に入った。90年にデビューしたグループで、形が変わっていないのは、デュオのKinKi Kidsのみとなり、2021年は、ジャニーズ全体としても、転換期といえる。そのなかで、90年デビュー組の後を継ぎ、次代を担うことが期待されているのはKing & Princeを筆頭にした若手グループ(2010年代デビュー以降、平均年齢20代以下)だ。その一角を紹介する。

幅広い世代に知られる代表曲があるKing & Prince

 まず、筆頭となるのは2018年デビューのKing & Prince。デビュー曲「シンデレラガール」が、デビューシングルの初週売上として2010年代最高となる57.7万枚(オリコン調べ)を記録。単純な売上枚数もそうだが、彼らの一番の強みは、「シンデレラガール」という幅広い世代に知られる楽曲があることだ。幼稚園のお遊戯会や、小学校の運動会などで使用されることも多い「シンデレラガール」。TOKIOの「LOVE YOU ONRY」や、V6の「WAになっておどろう」、嵐の「A・RA・SHI」など、国民的グループは、必ずと言っていいほど、誰もが口ずさめる代表曲を持っている。そして、それぞれの個性がしっかりと確立しつつある彼らは、バラエティ番組でもさらに活躍していくはずだ。ジャニーズの王道を突き進むグループとして、さらなる成長に期待がかかる。

躍進が止まらないSixTONES・Snow Man

 2020年デビューのSixTONES、Snow Manも躍進を見せている。6人組のSixTONESは、YOSHIKIが手がけた「Imitation Rain」でCDデビュー。2ndシングルの「NAVIGATOR」や、3rdシングルの「NEW ERA」などサウンドにこだわった楽曲が多く、音楽性が高い。音楽を愛しているメンバーが多く、アイドルファン以外の層からも、支持を集めることが期待される。パフォーマンスはワイルドな印象が強いが、レギュラー出演しているラジオ『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)や、公式YouTubeチャンネルの動画では、面白いトークを繰り広げている。そんなギャップにも、人気が集まりそうだ。

 Snow Manは、今年1月にリリースした3rdシングル「Grandeur」が、今年度最高となる初週売上80.2万枚(オリコン調べ)を記録した。2ndシングル「KISSIN’ MY LIPS /Stories」に続く2作連続初週売上50万枚超え。令和に入ってからは、嵐、King & Princeに続く快挙だ。そのほかにも、『それSnow Manにやらせて下さい』(TBS系)で、初地上波冠レギュラー番組を獲得。彼らがバラエティで重宝されている理由は、アイドルだからといって、斜に構えないイジリやすさにあるといえる。嵐も、冠番組『ひみつの嵐ちゃん!』内の企画「マネキンファイブ」で、来店した女性や、視聴者からコーディネートを厳しく審査されていたことがあった。国民的アイドルにも関わらず、「◯◯君のコーディネート変!」などと言えてしまうような親近感。Snow Manも、ミリオンヒットを記録しているアイドルにも関わらず、『それSnow Manにやらせて下さい』では、辛辣な罰ゲームをしたりする場面も。そんな親しみやすさは、お茶の間の顔になる上で、持ち味になってくる気がする。

Sexy ZoneとジャニーズWEST、音楽性の確立が強みに

 2011年デビューのSexy Zoneと、2014年デビューのジャニーズWEST。この2組は今年アニバーサリーイヤーに突入している。期待する理由は、グループの伝えたい音楽が確立しつつあることだ。Sexy Zoneは、デビュー時から、王道のキラキラとしたアイドルソングを歌うことが多かったが、昨年リリースの「RUN」からは、系統を変更。自分の気持ちを歌に乗せるというパフォーマンスにシフトしつつある。これまでの音楽番組では、カメラに向かってアイドルスマイルを浮かべていたが、最近ではカメラを揺さぶるような熱いステージを見せている。

 ジャニーズWESTは、先月17日にリリースした7枚目のアルバム『rainboW』の売上が、24.6万枚(オリコン調べ)で自己最高記録を更新。シングル曲も、昨年リリースの「証拠」で、自己最高記録を更新したのを皮切りに、「週刊うまくいく曜日」ではさらに上回る初週24.6万枚の売上を記録。リリースするたびに、記録を更新していっている。これまでも、人の背中を押すような楽曲が多かったが、「証拠」以降は、より“応援”という前に打ち出しているように感じる。躍進が続いている彼らは、アニバーサリーイヤーとなる7周年にどこまで飛躍を遂げるのか。

 
 ジャニーズ事務所の転換期であるいま、どのグループが次代を担い、新たな時代を築いていくのだろう。関西の王道アイドル・なにわ男子、シンクロダンスが持ち味のTravis Japan、演技面でも大活躍のHiHi Jets、王子様のようなルックスが魅力の美 少年など、ジャニーズJr.にも有望株は勢揃いだ。ジャニーズ事務所の今後を背負う逸材たちの活躍に目は離せない。

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