INTERVIEW

ファルコン&ウィンター・ソルジャー

アンソニー・マッキー
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セバスチャン・スタン
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』


記者:鴇田 崇

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掲載:21年04月02日

読了時間:約6分

 「スター・ウォーズ」や「ハリー・ポッター」を超え、全世界No.1シリーズ累計興行収入を記録するマーベル・スタジオ作品。今世界でもっとも注目されるスタジオが贈り出した初のドラマシリーズ『ワンダヴィジョン』は“世界で今もっと人気があるドラマシリーズ”にも選ばれ、続く『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』へも大きな注目が集まるなか、日本でもディズニープラスで配信が始まった。

 これを記念して、ファルコン役アンソニー・マッキーとウィンター・ソルジャー役セバスチャン・スタンへのインタビューを実施。『アベンジャーズ/エンドゲーム』以後、大きな戦いが終わり、それぞれの人生の目的を探すファルコンとウィンター・ソルジャーは、どういう運命をたどるのか。話を聞いた。【取材=鴇田 崇】

ファルコン&ウィンター・ソルジャー

――『ワンダヴィジョン』で盛大に幕を開け、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』も本格的に幕を開けましたが、MCUの新たなステージ(フェーズ4)が始まった今の感想を教えてください。

セバスチャン・スタン かなりワクワクしているよ。僕たちのシリーズ(のリリースがMCU作品で)は、次だったわけだけれど、リリースされたこと、みんなが観てくれていることがうれしい。ほかとはかなり違う作品になっているし、そこもエキサイティング。(この作品を通して)僕たちは最高のデュオのひとつになるよ(笑)。

アンソニー・マッキー ワクワクするよね。今日もディズニープラスでもっとも観られた作品だって話を聞いたばかりだ。それってすごいし、エキサイティングだけれど、同時に、この作品を作るためのすべての努力や思いをみんなが受け止めてくれているのが感じられて、とてもうれしい気持ちだ。

――激しいアクションシーンがあるだけでなく、ふたりの苦悩がリアルに描かれていて驚きました。ファルコンとウィンター・ソルジャーの新しい姿を観ることが楽しみですが、本作で新たに挑戦したことがあれば教えてください。

セバスチャン・スタン セリフが増えたよね!以前は「レス・イズ・モア(抑えることでより多くを表現する)」で良かったのに、今はやることが多くて。それに伴って怖い気持ちもあった。6時間分だからね。(映画とは)違う。

アンソニー・マッキー 少し怖くはあったよね。香盤表の名前の順番が6番目から1、2番目になるってことは、より責任があるってことでもある。作品が上手く行かなければそれは自分のせいでもあるんだ。作品が悪いのではなく、(主演の)僕たちが悪いってことになる。だから、セリフは細かいところまで確認したし、カリ(・スコグランド)とマルコム(・スペルマン)と密接に作業して、この2人のキャラクターの話が各話を通してきちんと流れるような脚本にしなければいけなかったんだ。

――これまでの映画シリーズよりも、ふたりのキャラクターが濃く描かれていますよね。このシリーズをとおして、それぞれ演じたキャラクターへの印象はどう変わりましたか?

アンソニー・マッキー いい質問だね。

セバスチャン・スタン この作品とその世界観はとても共感できるものだ。特にブリップ(指パッチン)後の世界なので、みなが多くのことを自問している。そのことで2人も興味深い道のりを経験することになるし、また違った形で進化するんだ。第6話が終わる頃には、観客の彼らに対する見方もそれまでと違うものになると思う。それまで見る機会がなかった側面を見ることでね。

アンソニー・マッキー 同感だ。セバスチャンが全部言ってくれたから加えることはないよ。

ファルコン&ウィンター・ソルジャー

――MCUの今後について、どういう部分に期待を抱いていますか?

セバスチャン・スタン いろいろなことをする機会があるよね?

アンソニー・マッキー うん。今はたくさんのキャラクターやストーリーがほかと繋がっていて、MCUがいいなと思うのは、みなが違う場所にいても、同じ世界にいるって感じさせてくれるところだ。これは続いてほしい。それから僕がビースト役を、セバスチャンがギャンビット役を演じるXメン映画を作ってほしいな(笑)。

セバスチャン・スタン MCUはこれらのストーリーを本当にいろいろな形で綴ることができるから、(展開の仕方の)機会はエンドレスにあると思うんだ。だから、違ったキャラクターが、どう交錯したりするのかには興味があるかな。

――現代を映しているところがあると感じますが、どういうところだと思いますか?

アンソニー・マッキー 間違いなく(現代を映しているところがあるよね)。このシリーズではブリップ(指パッチン)後の世界で自分たちの「ニュー・ノーマル」は何か、自分たちがどんな風に社会にフィットするのかを見出そうとするキャラクターたちが出てくる。コロナ(のある今の世界)もまったく同じじゃないかな。みんながワクチンを受けて、自由に外に行けるようになったら、僕らも自分たちの「ニュー・ノーマル」が何なのか、この新しい社会の中でどう行動し、どう関わっていったらいいのか、考えなければいけないからね。そういった意味でものすごくタイムリーだと思う。

セバスチャン・スタン アンソニーが言った通り、すごくタイムリーだよね。このシリーズの世界は、みんなにとってもとても馴染み深いものだ。特にこの1年半で起きたことを考えると。作品が扱う題材もとてもみんなに近くて、とても馴染みのあるものになっていると思う。このキャラクターたちが世界をより良く理解するために、違う角度からどうやってひとつになってゆくのか、そしてその結果としていかに自分自身のことを理解できるようになるのか、その過程が興味深い。多分みんなが思っているよりもさらに響く作品になっていると思う。

――映画より今回のドラマシリーズのほうが撮影期間長かったかと思いますが、これまでの映画の撮影と比べて大変だった部分、ドラマだからこそ実現できた部分などありましたら教えてください

アンソニー・マッキー (映画だったら)2時間半のところを6時間分の内容があるわけだから、世界観やキャラクターをより幅広く描くことができるよね。みんなにやりがいのある「おいしい」シーンがあって、彼らが誰であるか、どんなことがあって今の彼らがあるのか、その世界の中でどう生きていくのか、本当に知ることができる。個人的に一番心配していたのは、映画のあのスケール感を表現できるかってことだったんだけど、第1話の最初の10分を観てもらえばその心配は粉砕される。始まってすぐにね。

セバスチャン・スタン アンソニーが言ったみたいに、より濃い内容を描く時間があるし、より掘り下げる機会がある。それと同時に、すべての瞬間がとってつけにならず、きちんと成立していて、映画で観たキャラクターとつじつまが合っていなければいけない。それに加えて、楽しく、エンタメ性のある、(映画とはまた)違ったものにしたかった。いろいろな要素があるけれど、すごく良いバランスを見つけることができたんじゃないかと思っている。

ファルコン&ウィンター・ソルジャー

――最後の質問です。お互いのベストなシーンは?

セバスチャン・スタン 2人の共演シーンかな、やっぱり。役者としてもキャラクターとしてもお互いを引き出し合えるし、キャラクターもその結果、成長するから。うん、2人のシーンにしておくよ。

アンソニー・マッキー 第1話のベストな瞬間にしておくけど、いろいろあった後、2人が初めて再会するところだと思う。これこそウィンター・ソルジャーとファルコンっていう、彼ららしい言い合いをするところがいいよね。

配信スケジュール (全6話)
※毎週金曜日 16:00配信開始

第1話 3月19日(金)
第2話 3月26日(金)
第3話 4月2日(金)
第4話 4月9日(金)
第5話 4月16日(金)
第6話 4月23日(金)

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