人気声優の白井悠介と酒井広大が宿屋と食堂を経営している2人の兄弟役を演じる、日常系ASMRボイスドラマ『拝啓お母さん、飛ばされた世界でも元気に食堂手伝っています』。3月15日より、ポケドラ、DLSiteなどでリリースとなった。視聴者はその世界にほぼ介入せず、あたかも壁のようにキャラクターたちを見守る<壁になりたい女子>向けの内容だ。
その配信を記念して、兄・翠風(スイフウ)役の白井悠介にインタビュー。ダミーヘッドマイクを使用した収録の感想や、恋愛ではなく、兄弟のやり取りを自分が“壁になって聞いている”ような設定について、また、弟・蒼樹(ソウジュ)役、酒井広大との関係性についてなど、作品の話題をはじめ、さまざまな話を聞いた。【取材・撮影=鴇田崇】
――本作は日常系ASMRボイスドラマということですが、収録してみていかがでしたか?
今回はASMRが軸になっているものでして、ダミーヘッドマイクで録っているので、実際に料理をしている感じが、より立体感のあるものとして伝わるものが録れたのではないかなと思います。
――ダミーヘッドマイク収録の時は、どういうことに気をつけていますか?
場所をイメージすることが、ダミーヘッドマイクの収録の時は大事になってきます。どこに冷蔵庫があり、どこにキッチンがあるのか、そういうことをイメージしながらやっています。
――企画が恋愛ではなく、兄弟のやり取りを自分が“壁になって聞いている”ような設定だそうですね。自分には向いてこなくてもいいとう視点は、共感を呼びそうです。
確かに言われてみたら、そうかも知れないですね。ただ、自分が気になる人、応援している人の声を聴くという。僕で言うと、好きなサッカー選手のロッカールームの壁になりたいなという感じですかね(笑)。ピッチ以外の普段の様子ってどういう感じなのだろうかとか、そういう感覚に近いのかなって思いました。そういうことですよね。でも、英語だから何言っているかわからないと思いますけれど(笑)。なんとなく伝わってくるのかなと思います。
――意外と待望のコンテンツのような気もしますね。
プライベートをのぞいている感じですよね。
――弟の蒼樹(ソウジュ)役の酒井広大さんは、白井さんはダミーヘッドマイクのプロだと言っていたそうです。
いやいや、それならみんなダミーヘッドマイクのプロですよ(笑)。声優なので場数的にはいろいろやらせてもらっているので、わりと勝手は分かっているつもりです。どれだけ近づいていいのか、みたいなことはありますよね。今回は壁のようなということもあったので、そこまで密着という感じはなかったけれど、近い時と離れた時の立体感は感じてほしいと思います。
――酒井さんの蒼樹(ソウジュ)の声はいかがでしたか?
病弱な部分もありつつ、兄に対して言う時は言うみたいな。微笑ましい関係性だなとは思いましたね。
――普段のおふたりはどういう関係性なのですか?
どうでしょう(笑)。関係性で言うと、わりとこのふたりに近いかも知れません。僕はマイペースに自由にやっているところがあり、それほど遠くないかも知れませんね。酒井ちゃんは気にしぃというか、ネガティブなところもあったりしますが、僕は何も気にしない人間なので(笑)。
――いつも収録にあたって、気をつけていることはありますか?
基本的にはキャラクターがまずいて、自分はどういう風にやろうかを考えては行くのですが、1回テストでやってみて、もっとこうしてみようとか、スタッフのみなさんと一緒にキャラクターを作るという感覚があるので、あまり固めすぎては行かないです。自分でこのキャラクターで行くぞと決めてもそれはひとりよがりというか、その場で柔軟に対応できることが大切ですね。ちょうどいいところを探すという感じです。
――今回の食堂を主に経営している兄・翠風(スイフウ)の最初の印象は?
すごく穏やかで、落ち着いているキャラクターだなと思いました。兄弟の兄ということで、画からもしっかりしていそうな印象を受けました。あとは「やった!緑色のキャラクターだ!」っていうね(笑)。緑色が好きなんです。名前も緑ですからね。
――どうしてお好きなんですか?
癒されますし、心が穏やかになる。目にもいい(笑)。好きなものがキャラクターと共通している部分があるのは、うれしいですね。
――本作は日々の生活の中でBGMとして流しても面白そうです。
そうですよね。流しっぱでよいと思います。作業しながら聴くとか、すごく耳が心地よいものになっていますので。
――ちなみに普段、音楽は聴かれますか?
最近は聴いていないのですが、自分が関わった作品の曲はよく聴いています。あとは宇宙が好きなので、壮大な感じの曲も。そういう音楽を聴いていますね。あとはやっぱりサッカーですかね。僕が好きなチームのリバプールの応援歌とか、そういうのは聴いています。
――ファンの方には、どこに注目してもらいたいですか?
やっぱり音ですよね。今回ASMRが主軸になっていますので、臨場感は素晴らしいものがあると思います。ふたりがいろいろやりくりしている姿というものを、自分が壁になって楽しんでいただけるのではと思います。一緒に料理をしていただいてもいいかも知れません(笑)。