yukaDD(;´∀`)「皆さんの思い出の1ページに」21歳の集大成で見せる気概
INTERVIEW

yukaDD(;´∀`)「皆さんの思い出の1ページに」21歳の集大成で見せる気概


記者:村上順一

撮影:

掲載:21年03月18日

読了時間:約11分

 シンガーのyukaDD(;´∀`)が17日、メジャー1stアルバム『21x21』をリリース。昨年1月に1stデジタルシングル『Carry On』でメジャーデビュー。それを皮切りに2020年は5曲を配信リリースしコロナ禍でも精力的に活動。今年の1月に公開された「Superhero」のミュージックビデオ(MV)にはTWICEのモモが出演し話題となった。それらの楽曲を全て収録したメジャー1stアルバム「21x21」は、21歳の彼女の集大成となる1枚に仕上がった。インタビューでは彼女の生い立ちを振り返りつつ、今作の制作背景、歌うことへの想いや目標のグラミー賞への意気込みなど、多岐に亘り話を聞いた。【取材=村上順一】

歌は音痴で下手な方だった

『21x21』通常盤ジャケ写

――yukaDD(;´∀`)というお名前は見た目もインパクトがありますね。

 ありがとうございます。DDはDにまつわるものが私の周りには多いなと感じてつけた名前です。私は丼物が好きなんですけど、丼物のD、ディーバのD、私は4月生まれで誕生石がダイヤモンドなのでその頭文字のDだったり。あとDDだったら外国の方も呼びやすいかなと思って。

――たくさん意味があるんですね。

 あと私は感覚的なものが好きなんです。世の中にあるもの全てに理由があるわけではなくて感覚的なものがあるということを信じています。例えば名前に(;´∀`)と絵文字が付いてるんですけど、それは日本発祥のもので、日本のカルチャーを世界に発信していきたい、という思いもあるんです。この顔文字は汗をかきながら一生懸命歌っているイメージでつけました。

――さて、歌を好きになったきっかけはどんなものだったのでしょうか。

 歌を好きになったのは亡くなった祖父がきっかけでした。私が歌ってあげるとすごく喜んでくれたんです。それが自分にとってもすごく嬉しくて。

――どんな歌を歌われていたんですか。

 祖父が島津亜矢さんの歌が好きだったので、島津さんの曲をよく歌っていました。『BS日本のうた』(NHK)を祖父と一緒によく観ていたこともあり「演歌歌手になりたい」と思って練習していたんですけど、8歳の時にクリスティーナ・アギレラを知って、そこから目指す方向が変わりました。

――アギレラとはどんな出会いがあったんですか。

 アギレラは『ザ!世界仰天ニュース』or 好きなテレビ番組のエンディング曲で『Ain’t No Other Man』が使われていて、それで知りました。そこから英語もよくわからないまま、ひたすら耳コピして練習していました。

――周りから歌は褒められてました?

 それが全然褒めてもらった事はないんです。むしろ音痴で下手な方だったと思います。習い事のようにやっていくうちに、上手くなりたいという気持ちが大きくなっていきました。洋楽に出会ってから歌が上達していった感じがありました。

――どのくらい練習されていたんですか。

 もう1日中歌っていて、気が付いたら夜みたいな感じでした。ご飯を食べるのを忘れるくらい集中していて、母が食事が出来たことを伝えに来ていたみたいなんですけど、私はそれを覚えていなくて(笑)。

――練習付けの毎日でしたが、小学生の時は友達と遊びたいと思ったりしなかったんですか。

 もう歌のことしか考えていなかったので、特に遊びたいという思いはなかったです。今も当時とそれほど変わっていなくて、ほぼ歌のことしか考えていないんですけど、たまにゲームはやるようになりました。昔も少しはやっていたんですけど、最近また復活してきて。私は赤いおじさん、マリオシリーズが大好きで、マリオも私のスーパーヒーローと言っても過言ではないかもしれないです(笑)。お姫様を助けに行くという王道ストーリーがすごく好きなんです。

TWICEのモモは憧れの存在

――ダンススクールに通っていましたよね。

 はい。3〜4歳ぐらいの時にダンススクールにも通い始めたんですけど、ダンスもそんなに上手くなかったです。通い始めたきっかけというのも、私は身体がすごく弱くて、熱が月に2〜3回、40度とか出ちゃうくらいで...。身体を強くするために通っていました。ダンスを始めて3ヶ月くらいで風邪もほとんどひかなくなったんです。

――そのダンススクールでTWICEのモモさんに出会うんですよね。

 はい。スクールには「お姉さんクラス」というのがあって、そこにモモさんがいました。当時からめちゃくちゃダンスが上手くて、憧れの存在でした。私は身体を強くするためにやっていたダンスなんですけど、モモさんを見て「私もあんな風に踊れるようになりたい!」とダンス魂に火がついたんです。

――その繋がりで「Superhero」という曲のMVにモモさんが出演されていて。

 そうなんです。私の中でのスーパーヒーローを考えた時に思い浮かんだのがモモさんでした。それで、レーベルの方にモモさんに出演していただけないかとお願いしたら、出演していただける事になったんです。そのお話を聞いた時はびっくりしましたし、すごく嬉しかったです。

――その「Superhero」はどんな想いが込められた曲なんですか。

 「Superhero」は一歩踏み出す勇気というものを表現していて、誰もが心の中にはヒーローがいるよ、自分の中にヒーローがいるからこそ頑張れる、ということを歌っているんです。前向きな気持ちにあふれた曲になっていて、お気に入りの1曲なんです。

――当時はモモさんとお話ししたことは?

 なかったです。私からするとすごく雲の上の存在で、もう次元が違うなとずっと後ろから見ていたので。話しかけたかったんですけど、私が人見知りというのもあって話しかける事も出来なくて...。でも、今回MVはリモートでの撮影だったんですけど、モモさんとお話しすることができました! 私のことを覚えていてくださってめちゃくちゃ嬉しかったです。

――人見知りだったんですね。

 そうなんです。祖母から聞いた話なんですけど、ダンススクールに通っていた時も、祖母から離れずみんながワイワイやっているようなところには行かなかったみたいで。今もその性格はあまり変わっていないと思います。

――だから歌うことに惹かれていった、というのもあるかも知れないですね。

 それはあるかもしれないです。自分の気持ちを伝えることが昔から苦手だったので、歌だったら伝えられるかも、と思ったのも歌うきっかけだったのかもしれないです。

挫折から救った母の言葉

『21x21』初回盤ジャケ写

――プロのシンガーを目指す中、挫折もあったんですか。

 プロへの気持ちが一番強かったのが中学生の時だったんですけど、周りが進路、進むべき道を決めていく中で、自分はまだ何も決まっていなかったんです。それでけっこう焦りがあって。というのも中学を卒業するまでに歌に何も繋がらなかったら歌手を目指すのをやめようと思っていたので、その時が一番挫折を味わった時でした。

――気持ちが折れていく中で、再び立ち上がれたのはどんなきっかけがあったんですか。

 母の言葉でした。私が頑張っていることは母が一番知っていたので、「ここで諦めてしまっていいの? まだyukaには頑張る力があると思うよ」と言ってくれて。母がそう思っていてくれたんだ、というのも衝撃でした。そこからもう一度歌と向き合って頑張ってみようと思って音楽の専門学校に入りました。

――お母さんはそういう事を言うタイプではなかった?

 これまで母は歌もやりたかったらやればいいし、辞めたくなったらやめればいいよ、というような見守るタイプでした。この母の言葉がなければ中学で歌をやめていたかもしれないです。

――そして、専門学校時代に受けたオーディションに受かって、今つながっているんですよね。

 高校2年生の時にJin Nakamuraさんと出会いました。Jinさんとの出会いが大きかったです。オーディションでは映画『バーレスク』の曲を歌わせていただいたんですけど、オーディションに合格してから、その2週間後にロサンゼルスに行かせていただいて初めてレコーディングしました。Jinさんに出会って人生が変わりましたし、もう一度歌って向き合って良かったなと思えた瞬間でした。

歩んできた21年が凝縮されている『21×21』

――『21×21』は21歳の集大成となる作品なんですよね。最初からそこに向かって作り始めたんですか。

 今年が2021年で私の年齢も21歳になるということで、私の歩んできた21年が凝縮されている、という意味を込めてこのタイトルになりました。

――『21×21』のジャケ写はご自身が出演されているのもポイントですね。今まで配信のジャケットはyukaDD(;´∀`)さんが描いたイラストだったので、いつもとは違う感じで。

 今回はイラストではなく強い自分自身というのを表現したかったんです。2021年を生き抜いていく強い女性をイメージして撮影していただきました。撮影は12月だったのですごく寒かったです。撮影している時は板の上に横になっているだけだったので完成形がイメージできていなかったんですけど、完成したものを見たときに空が写っていてすごく感動しました。

――薄着なので相当寒かったというのが想像できます。さて1曲目はアルバムのタイトルと同じ曲ですが、どんな気持ちでこの曲を1曲目に持ってきたんですか。

 21年間を振り返ってみて、たくさんの方からの愛情だったり、家族や友達からの励ましがあったからこそ、悲しいことや辛いことがあっても走り続けてこれました。2021年を生き抜いていく女性として、今度は私からたくさんの人へ愛情をもって接していきたい、もっといろんなことにもチャレンジしていきたい、という思いを込めた楽曲なっています。なのでこの曲はやっぱり1曲目が相応しいと思いました。

――この曲の歌詞には<バカにされて笑われても>というフレーズもあるんですけど実際にそういったことも?

 ダンススクールでは下手くそだったのでよくみんなから笑われてました。それがすごく悔しかったので、「絶対に見返してやるぞ!」という気持ちもあったので、この想いを歌詞にしてみました。<魔法の言葉>というのは先ほどもお話しした母が背中を押してくれた言葉だったりするんです。

――そして「Diamonds」に繋がっていきます。

 日常的に世の中に溶け込んでいても、自分自身の人生はダイヤモンドのように輝いて歩んで行ける、というメッセージが込めた曲になっています。この曲も自分の人生を表したような曲になったので、2曲目にしました。

――3曲目の「#goals」(ハッシュタゴールズ)というタイトルはどういう意味があるんですか。

 「#goals」はスラングなんですけど「最高」とか「大好き」という意味があるんです。自分にとって大切な人と歩んでいけたらという愛情が詰め込まれた楽曲になっているんです。

――この曲は『とくダネ!』(フジテレビ)で披露されていましたが、初めてテレビで歌ってみていかがでしたか。

 『とくダネ!』は小さい頃から見ていた番組だったので、隣に小倉(智昭)さんがいると思ったらより緊張してしまって、歌った記憶があまりないんです。放送を見てくれた友達からは「すごい顔がこわばってたよね」って言われちゃって(笑)。 でも、小倉さんが歌をすごく気に入っていただけて嬉しかったです。

――アルバム終盤に入っている「FIGHT FOR YOU」はメッセージ性が強い曲ですね。<この街で一番私がイケてない気がした>というのもyukaさんの葛藤、心情の部分が出ているなと。

 自分自身について描いた楽曲なんです。この曲は自分自身を見失いそうになるたびに、戸惑いながらも前向きに歩んでいくというメッセージが込められています。この世界では悲しいことも辛いこともたくさんあるんですけど、傷ついたぶんだけ人にやさしくなれますし、そういう生き方がいいよねということを歌詞にしました。悲しみの向こう側にある未来を指し示した楽曲なんです。

――世界観は収録曲の中でも異質で、終盤にこの曲がくるとハッとしました。

 計算通りです(笑)。飽きないようにと言いますか、どの曲を聴いても楽しめる曲順にしたいなと思いました。初めてのアルバムということもあって曲順にもすごく力を入れました。

――さて、yukaDD(;´∀`)さんは2年後にグラミー賞を獲るという目標があるのですが、なぜ2年後だったんですか。

 早くグラミー賞を獲りたいという思いがすごく強くて、そんなに遠くない2年後というのは頑張り続けることができると思いました。もちろんすごく大きな目標ではあるんですけど、目標を立てることは大事ですし、2年後に獲れたらいいなとずっと思っていて。その目標を達成するためにはこの1年というのはすごく大切になってくるんですけど、今まで以上に歌える場所にどんどん出て行って、常に成長し進化し続けるシンガーでありたいなと思っています。聴いてくださる皆さんの思い出の1ページに残れるようなアーティストになれたらいいなとずっと思っているんです。なのでまずは私のことを知っていただけるように頑張っていきたいです。

(おわり)

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