INTERVIEW

斎藤工×中島健人

時代の変化に感じるエンターテインメントの力
WOWOW新CMキャラクター


記者:木村武雄

写真:提供写真

掲載:21年01月13日

読了時間:約8分

 斎藤工と中島健人(Sexy Zone)が、13日に動画配信サービス『WOWOWオンデマンド』がスタートするWOWOWの新CMキャラクターに就任した。CM出演のほか、16日・17日に生放送・配信する『開局30周年無料2Days 本気でエンタメ愛スペシャル ~ここから始まるWOWOWライフ~』のMCを務める。クリエイター、エンターテイナーとして称え合う2人。コロナ禍で希望の光を照らすエンターテインメントの力を語り合った。【取材=木村武雄】

称え合う2人

 先月下旬、都内で行われた『開局30周年 新生WOWOW発表会』に2人の姿があった。中島は斎藤を「思慮深さ、言葉の奥深さがあり、それを聞いていると没入します」、対して斎藤は中島を「エンターテインメント性の奥にホスピタリティーがある。空間や目の前の人を楽しませる、ニーズに応える、その心根が素晴らしい」。CM撮影では刺激を受け合った。そして互いに称えた。インタビューでも同様だった。

 斎藤工「中島さんはコンテンツに対して、ご自身から溢れ出るエンターテインメント愛を現場に注いでいました。何かを完成させるために身を挺して尽力する姿勢は、WOWOWが目指しているエンターテインメント愛に通じています」

 中島健人「斎藤さんは映画制作もされています。僕はまだ作ったことはありませんが、映画に携わる者の一人としてその過程がどれほど大変で難しいのかを教えて頂きたいです」

 WOWOWとは約10年来の関係にある斎藤は今回の起用に「WOWOWが30周年で更に進化するタイミングで、中島さんと一緒にCMキャラクターに就任出来ることは光栄。僕にないものを持ち合わせている方なので、自分の培ってきたものと中島さんが培ってきたものを掛け合わせ、可能性を広げていきたい」と語り、中島も「光栄です。今自分ができることを見つけながら、今のエネルギーを全力で出し切りたい」と意気込んだ。

クレイアニメは究極のエンターテインメント、斎藤工

 16日には、それぞれが担当する番組が無料放送&配信される。

 斎藤が、齊藤工名義で企画・プロデュース、原案を片岡礼子、脚本・監督を秦俊子が務めるクレイアニメーション『オイラはビル群』の制作過程に迫るドキュメンタリー番組『次の窓をひらく~齊藤工×片岡礼子×クレイアニメ~』は、約2年前に実施した斎藤と片岡による対談に端を発する。この場で片岡はクレイアニメ企画を長きに渡り温めていることを明かした。2017年にクレイアニメ『映画の妖精 フィルとムー』を制作している斎藤は、その構想に共鳴した。クレイアニメの可能性について斎藤は、映画の楽しみ方を伝える移動映画館プロジェクトを引き合いに説明した。

 斎藤工「移動映画館をライフワークでやっているなかで海外での映画上映は権利の壁が立ちはだかることを痛感しました。権利フリーで、世界中に届けることができる、言語の壁を乗り越えられる、字幕や声のアフレコがいらないものがクレイアニメ。チャップリンの喜劇もそうですが、究極のエンターテインメントだと思っています。『映画の妖精 フィルとムー』は、50カ国近い国に届いて映画に触れたことがない子どもたちがたくさん映画体験をしてくれました。その一連をWOWOWさんが支えてくれました。今回はその第二弾。片岡さんが10年以上温めていたもので、今の時代、ウィズコロナ、アフターコロナとなる世界に合っていると思いました。1秒を作るのに何百枚のコマ数が必要で緻密な作業。その過程をドキュメンタリーで描きたい」

密度が濃かった、中島健人MCの映画情報番組

 一方、中島がMCを務める映画情報番組『中島健人の今、映画について知りたいコト。』(月1回)がスタートする。ハリウッドをけん引する映画監督やクリエイター、さらに世界へ羽ばたく日本の映画監督へのインタビュー、映画制作現場を取材。それらを通して、中島が知りたい“映画の今”を学ぶ。第1回は河瀨直美監督、白石和彌監督それぞれとの対談。第2回はクリストファー・ノーラン監督へのリモートインタビューが届けられる予定だ。

 中島は会見で「収録が楽しすぎて、月1回では足らないのではないかと思うぐらい密度が濃かったです」と手応えを口にしていたが、「コロナ禍という状況のなかでどう作り出して行くのか、どう乗り越えていくのかを知りたい。そうしたことを僕のフィルターを通して多くの方に知っていただく機会になると思います」と自信をのぞかせた。

肌で感じたアカデミー賞授賞式の熱気、原動力に

 その中島は、昨年の『第92回アカデミー賞授賞式』でWOWOWのスペシャルゲストとしてレッドカーペットから授賞式前の現地リポートを担当した。斎藤も2015年開催の『第87回アカデミー賞授賞式』でレッドカーペット・ナビゲーターとして現地に赴いている。2人ともその体験が自身の原動力にもなっていると明かした。

 斎藤工「映画を通じた世界のエンターテインメントの中でのアジア人の立ち位置と言いますか、『第92回アカデミー賞』では『パラサイト 半地下の家族』(韓国)が作品賞を受賞する快挙がありましたが、エンタメのヒエラルキーが良い意味でなくなっているなかで、メイドインジャパンはどうするべきかを肌で感じ、それを起源に作品を作っていきました。決して、諸外国のものを模倣するのではなく、自分の環境でできるものを研究している、そういう世界との戦い方をすごく感じました。それを中島さんはこの年齢で体験されて、お隣の韓国のこうした躍進に対して日本からは何が生まれるのかを誰よりも感じていらっしゃると思います。きっと『中島健人』として、『Sexy Zone』としてバージョンアップしていくと思います。とても頼もしい。あのレッドカーペットで一人の日本人として何を感じたのか、それは僕も、その後の数年間の原動力になっています。それを共有できるのは嬉しい」

 中島健人「現地レッドカーペットでの経験は人生の宝物になっています。ジャニーさんが生きていたら自慢したいぐらい。2020年はアジアのエンターテインメントが世界を席巻しました。それは映画に限らず音楽の分野でもそうで、日本人として刺激を受けました。僕はアイドルなので斎藤さんのような生粋の役者ではないですが、同じ表現者として作品を作り上げていく過程を知る機会に恵まれました。現地でいろんな方々に話を聞けたのは演じる上で覚醒するきっかけに繋がっていると思います。斎藤さんがおっしゃった通り、現地に行った人しか分からない感覚です」

エンターテインメントの存在意義

 世界のエンターテインメントの環境は変わりつつある。配信映画作品が多くアカデミー賞にノミネートされ、またYouTubeから生まれた作品もある。WOWOWオンデマンドもその時代の変化に対応したものといえる。一方、世界はコロナ禍という未曽有の危機にあり、急激な社会環境のシフトが起きている。この時代の変化をどう捉えているのか。

 斎藤工「映画の歴史を遡ると、映画はその時代と共に寄り添ってきました。第二次世界大戦など歴史的な出来事、時代の流れに準じていくのも映画の役割、エンターテインメントの役割だと思っています。それと、海外では直感的に映像を作っていくことが多いです。YouTuberもハリウッドでは映画監督として迎え入れられ、フィルムメーカーは大きなスタジオを用意するなど映画産業に組み込んでいます。日本でも色んな色を色んな人が持って、直接的速度感のある映像制作になっていくと思います。作品重視でありながらも音速のようなスピード感は大事だと思っています」

 中島健人「セルフクリエイト、セルフプロデュースの時代だと感じています。ジャニーズも、コロナを機にYouTubeをより活用するようになりました。僕もステイホーム中に初めて動画編集をやりましたが、ゼロから一にする作業は大切だなと実感しました。コロナ禍を前向きに考えれば、何か新しいことを始めるチャンスと捉えることもできると思います。僕は漫画を沢山読みましたが、それが結果的にクリエイトの方にも繋がっていると思っています。もちろんファンの方ともSNSを通じて気持ちが繋がったことはアイドルとしても大きい。そうした点でもチャンスに変えることができると思っています」

 エンターテインメントの本場、アメリカ。そのなかで映画の最高峰とも言われているアカデミー賞受賞式の熱気を肌で感じた2人だからこそわかるエンターテインメントの可能性。会見では結びにこう語り、希望を寄せた。

 斎藤工「未曽有の時代でこれから未来がどうなるか、あるいは様々な様式が変わりつつあります。未知の時代に向かって人と人の距離が離された今、オンラインで繋がることに希望、光が見つけられるのではないか。WOWOWOが今まで積み上げてきた信頼と実績が更にバージョンアップしてエンターテインメントを届けて下さる。コロナ禍で僕自身もエンタメの必要性を更に感じ、そして照らしてもらった一人としてもWOWOWの新CMキャラクターという役割を、頼もしいパートナーである中島さんとともに果たしていきたい」

 中島健人「このような立場に立たせて頂けることを心から感謝しています。僕もエンターテインメントに助けられた一人として、エンタメが最大の免疫力になることを信じています。WOWOWから繰り出されるエンターテインメントでたくさん元気になって下さい」

(おわり)

放送・配信番組

「開局30周年無料2Days 本気でエンタメ愛スペシャル ~ここから始まるWOWOWライフ~」
1月16日(⼟) ・17日(日)午前10:00~よる10:00 無料放送&配信[WOWOWプライム][WOWOWオンデマンド]
※WOWOWオンデマンド配信番組
「WOWOWオンデマンドフェス『音楽諸島』」
1月16日(⼟)午後0:20頃配信開始予定
「生配信!2.5次元大演会~新春の宴~」
1月17日(日)午後2:00~よる9:00配信 
詳細はこちら→https://www.wowow.co.jp/muryo/

「次の窓をひらく〜齊藤工×片岡礼子×クレイアニメ〜 」
2021年1月16日(土)午後4:30無料放送&配信 [WOWOWプライム] [ WOWOWオンデマンド]  
クレイアニメーション『オイラはビル群』今春配信予定 [ WOWOWオンデマンド]
詳細はこちら→https://www.wowow.co.jp/detail/172089

「中島健人の今、映画について知りたいコト。」
#1 2021年1月16日(土) 午後5:30放送・配信[WOWOWプライム] [WOWOWオンデマンド]※初回無料放送
2月以降、毎月第1金曜 夜10:00(全12回)
詳細はこちら→https://www.wowow.co.jp/movie/nakajima_eiga

【WOWOWオンデマンド】1月13日(水)スタート!
従来の加入者限定の動画配信サービス「WOWOWメンバーズオンデマンド」をより進化させ、BS視聴環境が整っていなくても、インターネット環境があればWEB上でWOWOWに加入することができるようになる。これにより、放送と配信の垣根が消え、TVでもスマホでもWOWOWのサービスが気軽にご利用いただける。合わせて、放送同時配信、ライブ配信、アーカイブ配信、オンデマンド限定配信コンテンツなど多様な配信サービスを利用できる。これに伴い、オリジナルコンテンツの配信も強化。オンデマンド専用コンテンツなど充実させていく。さらに、配信加入ルートにおいては申し込み月内であればいつでも解約可能となる無料トライアルを開始。WOWOWのコンテンツに今まで触れたことのない方でも、気軽にWOWOWを体験できるようになる。
詳細はこちら→https://www.wowow.co.jp/beyond/

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