12月2日に、「Step and a step」で待望のデビューを飾ったNiziU。プレデビュー曲「Make you happy」は、全世界の音楽配信サイトで110冠を達成し、今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にもノミネート。そして、『第71回NHK紅白歌合戦』に、史上最速出場の快挙を達成した。まさに、“今年の顔”ともいえる活躍をしている彼女たち。

 2020年、さまざまなことが起こった。新型コロナウイルスの流行や、その影響による東京オリンピック・パラリンピックの延期。そんななか、オーディション番組『Nizi Project』、そして、そこから誕生したスターたちは、鬱屈とした毎日に灯る希望の光のような存在だったように感じる。

 『Nizi Project』に参加する前から、JYPエンターテインメントの練習生として活動していたメンバーもいるが、「ダンスが好きだから」とオーディションに参加したメンバーや、同事務所のTWICEに憧れていたメンバーなど、1年前までは“普通の女の子”だった彼女たち。それから1年が経ち、今ではテレビで観ない日はないくらいのスターになった。 

 ロッテ『Fit’s』とのタイアップや、コーセー『カールキープマジック』の新ミューズへの就任、ファッション誌の表紙を席巻…2020年は、彼女たちにとって、目まぐるしい日々だったことだろう。そんななか、リリースされたのが、NiziUの生みの親・J.Y.Park(パク・ジニョン)氏が書き下ろしたデビュー曲「Step and a step」だ。この楽曲には、オーディションからデビューまで、日々全力で駆け抜けた9人へのメッセージが込められているように感じる。

 「自分のペースで進むことの大切さ」がテーマとなっている「Step and a step」は、<大丈夫よ そのままで/安心して 遅れてないから>という優しい歌詞から始まり、<道に迷った時はね/立ち止まってみたら?take your time>と続く。サビには、<ゆっくり行ってもいい/休んでみてもいい>ともあるが、デビュー曲で“立ち止まってみる”、“休んでみる”というフレーズが入っているのは、珍しいようにも感じる。

 だが、そこには、パーク氏の「もうサバイバルは終わっているから、平穏な気持ちで一歩ずつゆっくり、自分たちの歩幅で歩いていってほしい」という温かいメッセージが込められているという。1年に及ぶ過酷なオーディションを乗り越えてきた彼女たちだからこその、デビュー曲。コロナ禍で停滞しがちな日々を過ごしている人々の心にも、寄り添う楽曲だ。

 そしてサビの、<回り道でいい/自分のペースでいい/笑っていく 好きになる Just bekieve yourself>は、この楽曲のキーにともなっているフレーズだろう。リリース公式サイトにも、アーティスト写真とともに、<Just believe yourself〜私は、私をもっと好きになる〜>と書かれている。<既に特別な/君を誇るべきだから>など、“ありのままの自分を好きになる”というメッセージは、パーク氏が、『Nizi Project』中に参加者たちに何度もかけてきた言葉だ。

 「多くの人がいるこの世の中で、特別な何かの理由を持って生まれてきた人だから、ありのままの姿が特別」ーー、「一人ひとりが特別じゃなかったら生まれてこなかったはずです」。その言葉は、参加者のみならず、観ている者に自信を与えてくれた。

 これから、さらに勢いを増していくであろうNiziU。時には悩むことや、挫けることもあるかもしれない。だが、このデビュー曲のように、ゆっくりと、時には休みながらでも、彼女たちらしく歩いていって欲しい、と切に願う。【かなぴす】

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