ファイティングポーズを決める武正晴監督、北村匠海、森山未來、勝地涼

 森山未來、北村匠海、勝地涼、武正晴監督が28日、都内で、映画『アンダードッグ』公開記念舞台挨拶に臨んだ。この作品でボクシングに初挑戦した3人は壮絶だったトレーニングを回顧した。

 【写真】「大きさは誰も負けない」と手を広げる北村匠海

 過去のささやかな栄光が忘れられず“かませ犬”、すなわちアンダードッグになった今も、ボクシングにしがみつく事しかできない主人公を中心に、人生から見放された3人の男たちの再起を賭け戦う姿を描く。監督は武正晴氏、脚本は足立紳氏が手掛けた。

 一度掴みかけたチャンピオンの道からはずれ、無様な“かませ犬”としてリングに立ち続けているどん底ボクサー・末永晃を演じた森山未來は、『百円の恋』の武監督と脚本足立氏が再びタッグを組みボクシング映画を作るという話を聞いて出演を決めたと言い「ハードルが上がっていると理解しながらも、あの世界観に飛び込めるのは魅力的だと思った」。一方の監督はプロット段階で「森山さんが良い」と思い、森山を軸に構築していったと明かした。

 才能を期待されながらも過去に秘密を抱える若きボクサー・大村龍太を演じた北村匠海は「20代前半の僕らの世代なら、誰もがこの挑戦状を突き付けられたらリングに上がると思う。二つ返事だった」と明かし、「覚悟していた以上の大変さではあったけど、後半に出てくる晃と龍太の試合。あれを乗り越えた後に味わったこともない達成感があった」と振り返った。

 大物俳優の二世タレントでバラエティ番組の企画の為にボクシングをすることとなった芸人ボクサー・宮木瞬を演じた勝地涼は、武監督・脚本足立氏、主演森山と聞いた段階で内容も把握せず出演を決めたと言い「監督も含めてやりたい人とやれるほどの幸せはこれ以上ない」。ただ、後に役柄を知り「ト書きにはネタをやる、面白くない、としか書いていなくて前日まで不安だった」と笑った。

 武監督は「これだけの出演者、ワンポイントも含めて良い俳優が集結。現場で生まれくる熱量や、台本にはないシナリオが生まれる。なによりも試合のシーンは出演者全てが主役だった」と手応えを口にした。

 ボクサー役ともあり、体づくりのために「ツアー先の台湾にもトレーナーを呼んだ」(森山)、「10キロ減量して、家でもシャドウボクシングした」(北村)、「泣くぐらい追い込んで体力をつけた」(勝地)と壮絶なトレーニングを回顧。

チャンピオンと言える趣味と特技

手を振る北村匠海、森山未來、勝地涼

 また、物語にちなみ、「これならチャンピオンと言える趣味と特技」と聞かれ、森山はバンド「KIRINJI」への愛は「このなかでは誰にも負けない」と言うと、北村はびっくりした表情で「僕も好きです。2番手です」と笑った。

 その北村は、手の大きさを挙げ「ギターを弾くのも、ピアノもばこんと押さえられる。ボクシングに活きたかも。比較対象は難しいけど、負けたことがない」と手を広げながら語った。

 一方の勝地は2つあるといい、一つ目は「馬鹿になる事ではだれにも負けない」。二つ目は森山への愛といい「個性もあって、やりたいことも表現して、しかも世界に行って、どこまで遠くに行くのかなって。これが完成した時に、森山未來に『勝地良かったね』と言われたのが嬉しかった」と表情を緩ませた。

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